【アトピー性皮膚炎】首を温めて「顎下リンパ節」の痛みを取ると改善する!

【アトピー性皮膚炎】首を温めて「顎下リンパ節」の痛みを取ると改善する!

アトピー性皮膚炎は、皮膚だけの病気と思うのは大きな間違いです。全身の健康状態がよくないために、それが皮膚の症状となって現れているのです。患者さんの全身の健康状態を確かめる指標としているものがあります。それは下あごの骨の内側にある「顎下リンパ節」に痛みがあるかどうかということです【解説】庄司昭伸(池田回生病院皮膚科部長)


アトピーの人はあごの下のリンパ節が痛い!

アトピー性皮膚炎は、皮膚だけの病気と思うのは大きな間違いです。
全身の健康状態がよくないために、それが皮膚の症状となって現れているのです。

私は、患者さんの全身の健康状態を確かめる指標としているものがあります。
それは、下あごの骨の内側にある「顎下リンパ節」に、痛みがあるかどうかということです。

やり方は、あごを引き、親指の腹で、あごの骨に向かって内側から押すというものです。
これは、健康だと思っている人でも、99%は痛みを感じます。

でも、アトピーの人は、健康な人より痛みを強く感じる人が多いのです。
そして、皮膚の状態が悪い人ほど痛みは激しく、軽く押さえただけでも「飛び上がるほど痛い」というのです。

顎下リンパ節は、顔に最も近い場所にあるリンパ節です。
体に侵入した菌はリンパによって処理されますが、口や鼻からは多くの菌が入ってくるため、顎下リンパ節は大忙しです。

指で軽く押さえただけで痛むということは、リンパがかなり疲弊しているということです。
顎下リンパ節を押さえて痛みのある人は、ほぼ共通して次のようなことが起こっています。

① 昼間眠くなる。

② 朝、寝起きが悪い。

③ 夜、寝つきが悪い。

④ イライラする。

⑤ 肩こりがある。

⑥ 疲れやすい。

⑦ 甘いものが欲しくなる。

⑧ あくびが出る。

これらは、自律神経のうちの活動時に働く交感神経が緊張状態にある証拠。

ですから、交感神経の過緊張を緩和すれば、全身の健康状態がよくなって、顎下リンパ節を押しても痛まなくなります。
すると、アトピーの症状も改善してくるのです。

私のところでは、交感神経の過緊張を緩和する治療を行い、ステロイド剤から離脱できた症例が数多くあります。
「ステロイドは一生使えといわれたけど、やめられるんですね」と、患者さんは喜んでおられます。

では、交感神経の過緊張を緩和するにはどうすればよいのでしょうか。
私は今から約20年前、星状神経節にレーザー光を照射する治療法を、アトピー患者さんに初めて行い、その効果を日本レーザー治療学会で発表しました。

星状神経節とは、首の長さを3等分した下から3分の1で、中心から左右に1~2cm外側にある、交感神経の中継所といわれている場所です。
ここにレーザー光を当てると、交感神経の緊張が緩むことは、医療界ではよく知られています。

交感神経の過緊張が緩和されれば、アトピーにも効果があるのではないかと思った私は、16~47歳の男女45人にこの治療を試みました。
すると、約7割にアトピー特有の皮膚の赤みが消えたり、皮膚のかゆみ、睡眠状態が改善したりするなど、明確な効果が認められたのです。

その後、781例のアトピー患者さんに同様の治療を行い、同様の好結果が出ています。

よく眠れるようになり全身の健康状態が改善

このレーザー治療と同じような効果が期待でき、家庭で簡単にできる方法が、首を温めることです。
約40度の蒸しタオルで温めてみてください。やり方は、簡単です。

① タオル(30cm×70cm大)1枚を水に浸してしっかりしぼり、ラップに包んで、電子レンジに1分ほどかけます。

② 温まったタオルは、ラップを取って、縦に1回、横に1回折り、首全体をおおうようにして約5分間温めます。

レーザー光の場合、頸椎(首の部分の背骨)にじゃまをされないよう首の前面から当てますが、蒸しタオルで温める場合は、首全体をおおうようにしてください。
使い捨てカイロをタオルに包んで、首を温めてもいいでしょう。ただし、ヤケドには気をつけてください。

首を温めると、気持ちがよくて、交感神経の過緊張がおさえられ、副交感神経が優位になってイライラが治まります。
すると、よく眠れるようになり、生活のバランスが整ってきます。

その結果、全身の健康状態が改善し、アトピーのかゆみや赤みなどもよくなっていくことが期待できるのです。

もちろん、睡眠や食事などの改善にも取り組みましょう。
顎下リンパ節が強く痛む人の多くは、生活が夜型になっています。朝8時から昼12時までは、必ず起きているよう心がけてください。
そして、昼食後に眠くなったら、2~3時間、寝てもかまいません。

夕食時に再び睡魔が襲ってきたら、夕食はとらず、入浴もせず、水を1杯飲んで寝てください。
もし、夜中に起きてしまったら、そのときできることをやるといいでしょう。

よい睡眠を得るには、ストレスをへらすことも大切です。気になることはあと回しにせず、まずやってしまいましょう。

食べ物は、1日3食のリズムは変えずに、甘いものが欲しくなったら果物、のどが渇いたら水かお茶、おなかがすいたらおにぎり、うどん、たこ焼きなどをとります。
砂糖の入った飲み物や食品は、控えてください。

睡眠がじゅうぶん取れると、甘いものに対する欲求も自然に緩和されてくるはずです。
首を温め、生活の改善を行って健康状態を整えることは、アトピーの人はもちろん、あらゆる人にお勧めです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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