【眼科医】「牛乳」を控えたら白内障が軽快 緑内障の眼圧コントロールにも役立った

【眼科医】「牛乳」を控えたら白内障が軽快 緑内障の眼圧コントロールにも役立った

通常、私たちは食べ物をよくかむことで唾液や胃液、腸液を出し、それらで解毒しながら消化して、必要な栄養を吸収しています。ところが、消化が不十分なたんぱく質は、解毒されずに腸から吸収されるため、体にさまざまな問題を引き起こします。【解説者】半田喜久美(多治見眼科院院長)


半田喜久美
名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市東市民病院などを経て、現在、多治見眼科院院長。西洋医学に漢方医学を取り入れ、食事の指導なども行う。著書に『寛永七年間 和歌食物本草 現代語訳-江戸時代に学ぶ食養生』『私の漢方眼科学』(いずれも源草社)など。

まぶたのかゆみやただれ、ものもらいなどを招く!

最近は、「この食べ物が体にいい」と聞くと、そればかり食べる人がふえているように思います。
特に現代は、昔と違ってさまざまな食品が簡単に手に入ります。

そのため、食べすぎで体に負担をかけていることが少なくありません。
また、かまなくても簡単に体内に取り込めるものがふえていることも、大きな問題です。

その代表ともいえるのが、牛乳をはじめとする乳製品です。
牛乳は、「液体のたんぱく質」です。
味わってよくかまないと、たんぱく質の粒子が腸からそのまま吸収されてしまいます。

通常、私たちは食べ物をよくかむことで唾液や胃液、腸液を出し、それらで解毒しながら消化して、必要な栄養を吸収しています。
ところが、消化が不十分なたんぱく質は、解毒されずに腸から吸収されるため、体にさまざまな問題を引き起こします。

漢方の古典にも、「冷たいものを食べて冷えた胃腸に、たんぱく質の多い食品をよくかまずに入れると、皮膚や粘膜がただれる」と書かれています。
私が専門とする目の病気でいうと、まぶたのかゆみや充血、ただれ、まぶたの腫れや痛みを持つものもらい(麦粒腫や霰粒腫)などには、食生活が大きく関係しています。


まぶたには、マイボーム腺という、油性の分泌物の出口があります。
ここから出る分泌物が、目の表面に油膜を作って、乾燥を防いでいます。

脂っこいものや乳製品を多くとると、この分泌物がネバネバして、マイボーム腺が詰まりやすくなり、ものもらいができたり、ただれたりするのです。
また、余分なたんぱく質や脂肪などのエネルギー源は、水晶体(カメラのレンズに相当)の細胞に混濁をきたし、白内障の一因となります。

私の患者さんに、75歳の男性で、牛乳を毎日大量に飲んでいる人がいました。
その人の水晶体はミルク色に白濁していました。
血漿(血液の液体部分)の成分は、ほぼそのまま目の中の水である房水に入っていくのです。

ところが、その人に牛乳を控えてもらったところ、白内障の白濁が軽快してきました。

目薬をへらしても眼圧が上がらなくなった

私は目の治療に漢方薬を使いますが、患者さんに食事指導を行うだけでも、いろいろな症状が改善します。

基本の食事指導は、まず動物性のたんぱく質と乳製品を1週間断ち、温野菜中心の食事にしてもらうことです。
その後、小魚などは1日おきに食べてもらってもかまいませんが、乳製品は控えめにします。

このような食事にすると、過剰な乳製品の摂取などによる体への悪影響がなくなります。
さらに、食物繊維が豊富にとれるため、腸がキレイになります。

江戸時代の人は、「まぶたは胃腸の一部」といっていました。
考えてみれば、腸から目まで、すべての粘膜はつながっています。
腸を健康にすることは、そのまま目の健康となるのです。

実際、まぶたのただれ、ものもらいなどが、目薬でいったんはよくなってもまた再発をくり返すということがあります。
そういう人に食事指導をすると、再発しなくなるケースが多々あります。

緑内障と診断された60代の女性は、眼圧を下げるための目薬を使うと、目がただれるので、困って私の医院へ来られました。
そこで、食事指導を行ったところ、目がただれなくなりました。
しかも、目薬をへらしても眼圧が上がらなくなったのです。

緑内障は、眼球内を流れる房水が滞って眼圧が高くなり、視神経に異常をきたす病気です。
食事の改善で腸がキレイになり、代謝がよくなったことが眼圧にも影響したようです。

この人はウエストも細くなり、肌もキレイになりました。
腸をキレイにするには、先祖代々引き継いできた、自分の腸内細菌が喜ぶ食事をすることが大切です。

日本人の場合、動物性の乳酸菌を含むヨーグルトではなく、昔から食べてきた、植物性の乳酸菌が豊富なみそやぬか漬けなどの、発酵食品のほうがよいのではないでしょうか。

飲み物も、温かい番茶やほうじ茶がお勧めです。
そもそもたんぱく質である牛乳は、多量に飲むものではありません。

栄養補助食品として、無理なく利用するのがよいでしょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


咀嚼の効果【ガムを噛む】と視力回復?眼圧が下がり老眼も改善 最新研究で判明

咀嚼の効果【ガムを噛む】と視力回復?眼圧が下がり老眼も改善 最新研究で判明

私たちはまず、ガムを噛み続けた後に、目の血流と関連のある眼圧(眼球内の圧力)が低下することを実験で確認。その後、ガムを噛む前後での、白目(眼球の白い部分)の血流の変化を評価する実験を行いました。【解説】浅川賢(北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専任講師)


【医師推奨】不調が続く時は「パンと牛乳」を3週間やめてみる

【医師推奨】不調が続く時は「パンと牛乳」を3週間やめてみる

私のクリニックに来られるさまざまな患者さんの多くが、何をやってもよくならない、既存の治療法以外にできることがあるなら試したい、というかたがたです。そのような人に「パンと牛乳をやめましょう」と指導すると、それだけで症状が改善する例を、これまで数多く見てきました。【解説】内山葉子(葉子クリニック院長) 


パンと牛乳をやめて腸スッキリ!毎月3時間は苦しみ続けた激しい腹痛が解消した!

パンと牛乳をやめて腸スッキリ!毎月3時間は苦しみ続けた激しい腹痛が解消した!

私は13歳のときに盲腸、29歳のときに卵巣嚢腫で開腹手術を受けています。おなかを切ると、腸が癒着しやすくなるそうです。そのせいか、39歳のときには腸捻転(腸がねじれ激痛が走る病気)を起こし小腸を2cm切除。52歳と54歳のときにも腸閉塞で入院し、絶食による点滴治療を受けました。【体験談】幸野里美(福岡県・57歳主婦)


関節の痛みや咳が改善!乳製品や小麦製品をやめたら頑固な便秘も治った

関節の痛みや咳が改善!乳製品や小麦製品をやめたら頑固な便秘も治った

私は40歳を過ぎたころから複数の病気に襲われるようになりました。特につらいのは、慢性関節リウマチです。45歳で左手の薬指が痛みだし、症状が広がっていきました。そんな私を心配してくれた知人が、北九州市の葉子クリニックに連れていってくれたのです。【体験談】山本洋子(熊本県・75歳主婦)


【リーキーガット症候群とは】5cmの卵巣嚢腫が消えた人も 医師が勧める食事療法

【リーキーガット症候群とは】5cmの卵巣嚢腫が消えた人も 医師が勧める食事療法

腸に炎症が起こると、腸粘膜が本来体内に通すべきでないものを通してしまいます。すると、体の中で免疫の過剰反応が起こり、アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・ぜんそくなどのアレルギー性疾患や、関節リウマチ・潰瘍性大腸炎・クローン病などを引き起こしてします。【解説】内山葉子(日本自律神経免疫治療研究会会員・葉子クリニック院長)


最新の投稿


【セラピーキャットとは】認知症や精神疾患の患者さんに変化!「猫」は五感を刺激し心を癒す存在

【セラピーキャットとは】認知症や精神疾患の患者さんに変化!「猫」は五感を刺激し心を癒す存在

私たちにとって、猫は五感を心地よく刺激する存在です。見れば愛らしく、触ってなでれば快く、鳴けば美しい旋律となって、えもいわれぬ刺激となります。それは、病気のあるなしに関係なく、すばらしい経験だといえるでしょう。【解説】小田切敬子(NPO法人アニマルセラピー協会理事長・生物科学博士)


首こり・肩凝り 症状別【チェックリスト】あなたの頚椎症は軽症?重症?

首こり・肩凝り 症状別【チェックリスト】あなたの頚椎症は軽症?重症?

頸椎症スペクトラムの全体像がわかったところで、あなたの首がいま、どんな状態にあるかチェックしてみましょう。チャートの「スタート」から始め、イエスかノーか答えながら進んでください。ゴールは1~5のどれになりましたか。それが、あなたの現在の首の状態の目安です。【解説】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)


【美白・美肌を作る】アンチエイジングには「はと麦酒」がお勧め!その効果は化粧品同等 ダイエット効果も

【美白・美肌を作る】アンチエイジングには「はと麦酒」がお勧め!その効果は化粧品同等 ダイエット効果も

ハトムギは、昔から「肌にいい」といわれ、ヨクイニンという生薬として使われています。そこで、私たちはまず、ハトムギの肌への効果に着目しました。その結果、ハトムギには紫外線ダメージによる肌の乾燥や、シミを防ぐ働きのあることが明らかになったのです。【解説】清水邦義(九州大学農学部研究院森林圏環境資源科学研究分野准教授)


【血管強化食材】動脈硬化を撃退する絶品「ローストピーナッツ」レシピ

【血管強化食材】動脈硬化を撃退する絶品「ローストピーナッツ」レシピ

ピーナッツといえば、「太る」「ニキビができる」など、健康とは縁遠い食材だと思われがち。しかし、最近、その豊富な栄養素が、巷で大きな話題を集めています。便秘が解消して、やせやすくなる、血管も肌も若返ると、まさにピーナッツは優良健康食材なのです。【料理・栄養計算・スタイリング】五十嵐ゆかり(料理研究家・管理栄養士)


血糖値が正常値に下がった!「玉ねぎのオイル漬け」は親子三代に伝わる健康常備食!

血糖値が正常値に下がった!「玉ねぎのオイル漬け」は親子三代に伝わる健康常備食!

タマネギのオイル漬けを口にしているおかげか、我が家は皆、いつも元気に過ごせています。今年はインフルエンザが猛威を振るっていましたが、長男はカゼひとつ引かず、無事に受験を乗り切ることができました。【解説】奥津純子(フードデザイナー・「タラゴンの挿し木」主宰)


ランキング


>>総合人気ランキング