【医師解説】牛乳を控えると「鼻炎・鼻づまり・蓄膿症」が治りやすい傾向に

【医師解説】牛乳を控えると「鼻炎・鼻づまり・蓄膿症」が治りやすい傾向に

牛乳のいちばんの問題点は、日本人の多くが「牛乳は健康にいい」と思い込み、毎日のように積極的に飲んでいることです。私が「牛乳はよくない」と考える理由の第一は、製法の問題です。そして、日本人には体内でラクターゼをつくることができない「乳糖不耐症」と呼ばれる体質の人が多いのです。【解説】内山葉子(葉子クリニック院長) 


牛乳神話を広めた育児書 も改訂版は「とるな!」

→「パン」についての解説はコチラ

 パンに続き、ここでは牛乳の害についてお話ししましょう。

 牛乳のいちばんの問題点は、日本人の多くが「牛乳は健康にいい」と思い込み、毎日のように積極的に飲んでいることです。

「牛乳は健康にいい」という認識が広まったのは、1946年にアメリカの小児科医、ベンジャミン・スポック博士が書いた育児書がきっかけです。世界的大ベストセラーとなったこの本には、「牛乳はすばらしい栄養食品」という概念が記されていました。1966年に日本で翻訳本が出版されると、この内容が栄養士に教育され、一気に「牛乳神話」が広がったのです。

 ところが、第1版が出版されて50年以上経った1998年、スポック博士はそれまで「とるべき」としていた牛乳・乳製品を、「とるべきではない」として、第7版を改訂しました。にもかかわらず、この第7版は日本では出版されませんでした。そのため、日本人には「牛乳は健康にいい」という間違った思い込みが、今も根強く残っているのです。

鼻炎の人が乳製品をやめると治りやすい

 私が「牛乳はよくない」と考える理由の第一は、製法の問題です。効率よく大量生産するために、現在、多くの乳牛は本来のエサである草ではなく、穀物を与えられて育っています。
 それらの穀物の多くは、遺伝子組み換えによる産物で、除草剤や農薬も使われています。そして、お乳を出やすくするためのホルモン剤や、病気を予防するための抗生剤なども投与されています。私たちが飲む牛乳にも、当然、これらが含まれているということです。

 また、牛乳を生産する際には、衛生上の理由から加熱殺菌が行われます。それによって起こってくる問題もあります。
 一つは、たんぱく質を分解する酵素の活性が失われることです。乳たんぱく質の約80%を占めるカゼインは、もともと人体では消化されにくい成分です。加熱して酵素の活性が失われると、消化できないカゼインが未消化物となって腸の中にたまります。すると、腸に炎症が起こり、便秘・下痢をはじめとする腸のトラブルが起こってくるのです。

 カゼインはアレルゲンとなりやすいため、アレルギー症状も引き起こします。特に牛乳を飲むと、鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻茸(ポリープ)などになりやすいという報告があります。私がふだん診療しているなかでも、鼻炎の人が牛乳・乳製品をやめると治りやすいという印象が確かにあります。

 加えて、カゼインは胃酸と反応すると乳餅(乳中のたんぱく質が酸で凝固したもの)をつくり、胃の中に膜を張ります。そのため、たんぱく質やビタミン・ミネラルなどの吸収が阻害されます。若い女性は特に、不足しがちな鉄の吸収が阻害されると、貧血(鉄欠乏性貧血)の増加に拍車がかかります。

 加熱によって起こるもう一つの問題は、カルシウムが変性することです。牛乳には確かに、カルシウムが多く含まれています。しかし、加熱することでカルシウムはリン酸カルシウムという物質に変化します。すると、体はそれを有効に使うことができなくなるのです。

 さらに、牛乳を飲むことにより未消化のたんぱく質が腸の中にたまると、窒素の残留物が増えます。その窒素残留物が吸収されて血液中に増加すると、血液が酸性に傾いていきます。

 すると体は、本来の弱アルカリ性に戻すために、カルシウムを、骨から溶かし出します。体内のカルシウムは血液を弱アルカリ性に保つ働きも持つからです。

 つまり、骨を強くしようと思って飲んでいる牛乳が、逆に骨を弱くしてしまうのです。
 2014年、スウェーデンで行われた大規模調査に、牛乳を多く飲んだ人のほうが寿命が短く、女性では骨折が増えるというデータがあります。

日本でも、少人数のデータですが、上のグラフのように、ほぼ毎日、牛乳・乳製品をとる人に比べ、ほとんどとらない人のほうが体内のカルシウム量が高いという研究結果も出ています。

 また、牛乳に含まれる乳糖を分解するには、ラクターゼという酵素が必要です。ところが、日本人には体内でラクターゼをつくることができない「乳糖不耐症」と呼ばれる体質の人が多いのです。乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと、下痢をしたり、おなかにガスがたまったりします。

 近年、乳ガンの患者さんには乳製品やパンを好む人が多いということが知られるようになり、国内の大学病院や総合病院の医師らが、乳ガンと乳製品との関係についての論文を発表しています。乳ガンの前ガン病変(ガンになる可能性のある異常細胞)を、乳製品などをカットした食事で治療するという研究も行われています。

 そもそも牛のおっぱいである牛乳には、牛の赤ちゃんが体重を1日に1㎏増やすために必要な成長ホルモンが含まれています。これが前立腺ガンや乳ガンに関連していることは、医学的に証明されています。

 これまで日本人が信じてきた「牛乳は健康にいい」という概念は、実は間違いだったということが、どんどん明らかになってきているのです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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