【痛み止め薬】鎮痛剤「リリカ」の副作用とは? 整形外科医が解説

【痛み止め薬】鎮痛剤「リリカ」の副作用とは? 整形外科医が解説

痛みに対して処方される薬で、特に注意してほしいのが、プレガバリン(商品名=リリカ)です。この薬は、神経障害性疼痛や線維筋痛症(全身や体の広範囲に激痛が起こる症状)の治療薬として、なかなか取れない痛みに対し、整形外科でよく使います。【解説者】平野薫(ひらの整形外科クリニック院長)


線維筋痛症患者の82%強に副作用が出ている!

「薬などの化学合成物質で、人は元気になれない。
人を元気にするのは、自然のものだけ」私は常々、患者さんにそう訴えています。

現代人は、薬、食品添加物、農薬などによって、血液がどんどん汚れて不健康になっているのです。
整形外科の現場でも、薬は多用されています。

代表的な鎮痛薬のロキソプロフェン(商品名=ロキソニン)は、胃腸障害(胃痛、嘔吐、下痢、胸やけなど)、肝障害、腎障害などの副作用が頻繁に起こります。
日本では市販もされているので、簡単に手に入ります。

しかし、アメリカでは副作用が多いので、処方する医師は少ないといわれています。
痛みを訴える患者さんに対して、睡眠導入や筋弛緩を目的に、ベンゾジアゼピン系の薬(商品名=デパス、ハルシオン、レンドルミンなど)を出す整形外科医もいます。
これは向精神薬の一種です。

依存性が強く、急にやめると、せん妄やけいれん発作などの禁断症状が出ることがあり、減薬も注意を要します。
飲み続けると脳の機能が落ち、認知症の原因にもなる怖い薬です。

そして、痛みに対して処方される薬で、特に注意してほしいのが、プレガバリン(商品名=リリカ)です。
この薬は、神経障害性疼痛や線維筋痛症(全身や体の広範囲に激痛が起こる症状)の治療薬として、なかなか取れない痛みに対し、整形外科でよく使います。

ひざ痛や腰痛でも、経過が長引く場合や、ほかの鎮痛薬が効かない場合に、処方されるケースがあります。
リリカは、末梢から脳の中枢への伝達経路をブロックして、痛みの感じ方を鈍くする薬です。

つまり、根本的な痛みの原因を取り除くものではありません。
しかも、中枢に作用するため、多くの副作用を伴います。

添付文書によると、線維筋痛症の患者さんの82・9%に副作用が出ています。
めまいは27・5%、傾眠は39・6%です。

そのほか、意識消失、心不全、肺水腫、腎不全、低血糖、間質性肺炎(肺の間質組織の線維化を起こす病気)、劇症肝炎(症状が現れて8週以内に意識障害が現れる重症肝炎)といった重じゆう篤とくな副作用もあります。
私は開業当初、数人にリリカを処方したことがあります。

そのときは全員に、ふらつき、めまい、頭痛、悪心といった副作用が現れました。
それ以来、リリカはいっさい使用していません。

新たに来られた患者さんがリリカを服用していた場合でも、断薬をお勧めしています。
リリカには、ベンゾジアゼピン系の薬と同様の麻薬性もあります。

服薬をやめると、極度の疲労感、意識障害、不安感などの離脱症状が現れることも少なくありません。
やめるときは医師の指示のもと、少しずつ減らすなど、慎重に行うことです。

骨粗鬆症薬は骨の質を悪化させ骨の腫瘍を招く

もう一つ、整形外科で出される薬で注意すべきは、骨粗鬆症です。
そのうえ、10年以上飲み続けると、骨の腫瘍ができることもわかっています。

女性の骨粗鬆症に対しては、女性ホルモンに似た働きをするエストロゲン製剤(商品名=ビビアント、エビスタなど)が出されることもあります。
これらは天然の女性ホルモンではなく、人為的に操作されたものなので、子宮や乳房への副作用が懸念されます。

薬は表面上よくなったように見えるだけで、決して病気を治したり、体を健康にしたりするものではありません。
健康になるには、血液をきれいにすることがいちばん。

それには、食生活の改善、よく噛か むこと、ゆったりとした呼吸を行うことなどを意識して行うほうが、薬を飲むより断然有効で安全です(下図参照)。

また、痛みはすべて、体の滞りが原因です。
急性期以外なら、局所を温めたり、滞っている部分をほぐしたりすることが、根本的な改善策になります。

私は健康プロデューサーの杉本錬堂氏が考案された、「天城流湯治法」という手当て法を学び、各症状に合わせた手技を患者さんに指導しています。

脊柱管狭窄症で足に痛みとしびれがあった80代の女性は、リリカなど5種類の薬を数年間飲み続けていました。
しかし、薬を少しずつやめてもらい、天城流の手技を行ってもらったところ、約2週間で10年来の痛みとしびれが改善しました。

骨粗鬆症の患者さんには、薬をやめてもらい、玄米を中心に、野菜、海藻、小魚などをバランスよくとる食生活と、よく噛むことを行ってもらいます。
その結果、半年後には多くの人の骨量が1~3%上がり、骨の質もよくなっています。

薬に頼るより、根本的に治す方法があることを、ぜひ知ってください。

平野 薫
1987年、九州大学医学部卒業、同整形外科教室入局。新日鐵八幡記念病院などを経て、2010年、ひらの整形外科クリニックを開院。東洋医学や天城流湯治法などを加えた独自の治療で成果を上げている。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【血栓を溶かす効果】納豆で「網膜血管閉塞症」が改善し眼底出血が止まった!0.01から1.5に視力回復

【血栓を溶かす効果】納豆で「網膜血管閉塞症」が改善し眼底出血が止まった!0.01から1.5に視力回復

目の血流が悪化すると、疲れ目・モヤモヤ感・チラつきなどの症状が現れやすくなります。特に、網膜の近くで血流のトラブルが起これば、突然ものが見えなくなるなど、重い症状が生じることもあります。網膜の血管が詰まる病気を、「網膜血管閉塞症」といいます。【解説】玉井嗣彦(鳥取大学名誉教授・日野病院名誉病院長)


【医師解説】コレステロールを下げる薬は本当に必要?知ってほしい副作用

【医師解説】コレステロールを下げる薬は本当に必要?知ってほしい副作用

コレステロール値の高い脂質異常症(高脂血症)は、高血圧と同様で、基準値を低く設定することによって作られた病気です。安易に薬を飲む必要はありません。最近では、コレステロール値が高い人のほうが長生きだというデータが発表されています。【解説者】松田史彦(松田医院和漢堂院長)


【医師解説】認知症は医師選びが重要!抗認知症薬の多剤投与の危険とは

【医師解説】認知症は医師選びが重要!抗認知症薬の多剤投与の危険とは

日本で認知症の患者さんが急増している理由として、世界一の長寿化や、糖尿病患者の増加などが指摘されていますが、私は、多剤投与や抗認知症薬の副作用も、大きく関与していると考えます。【解説者】長尾和宏(長尾クリニック院長)


【医師解説】慢性疲労症候群が改善!免疫力向上には「肛門」を温めるとよい!

【医師解説】慢性疲労症候群が改善!免疫力向上には「肛門」を温めるとよい!

体が冷えると、血管が収縮し、交感神経が優勢になります。この状態が続くと、血流が悪くなり、免疫細胞である白血球の中のリンパ球が減少。免疫機能が低下します。つまり、自律神経の乱れが血流の悪化、免疫機能の低下を招くのです。【解説】班目健夫(青山・まだらめクリニック院長)


市販のカゼ薬や便秘薬で「尿の出」が悪くなることも 特に前立腺肥大の男性は要注意

市販のカゼ薬や便秘薬で「尿の出」が悪くなることも 特に前立腺肥大の男性は要注意

排尿のトラブルは、思わぬ原因から起こることもあります。特に男性の場合、気を付けたいのが「カゼ薬」と「便秘」です。それぞれ、どのように排尿トラブルにつながるかをお話ししましょう。【解説】石井泰憲(石井クリニック院長)


最新の投稿


【セラピーキャットとは】認知症や精神疾患の患者さんに変化!「猫」は五感を刺激し心を癒す存在

【セラピーキャットとは】認知症や精神疾患の患者さんに変化!「猫」は五感を刺激し心を癒す存在

私たちにとって、猫は五感を心地よく刺激する存在です。見れば愛らしく、触ってなでれば快く、鳴けば美しい旋律となって、えもいわれぬ刺激となります。それは、病気のあるなしに関係なく、すばらしい経験だといえるでしょう。【解説】小田切敬子(NPO法人アニマルセラピー協会理事長・生物科学博士)


首こり・肩凝り 症状別【チェックリスト】あなたの頚椎症は軽症?重症?

首こり・肩凝り 症状別【チェックリスト】あなたの頚椎症は軽症?重症?

頸椎症スペクトラムの全体像がわかったところで、あなたの首がいま、どんな状態にあるかチェックしてみましょう。チャートの「スタート」から始め、イエスかノーか答えながら進んでください。ゴールは1~5のどれになりましたか。それが、あなたの現在の首の状態の目安です。【解説】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)


【美白・美肌を作る】アンチエイジングには「はと麦酒」がお勧め!その効果は化粧品同等 ダイエット効果も

【美白・美肌を作る】アンチエイジングには「はと麦酒」がお勧め!その効果は化粧品同等 ダイエット効果も

ハトムギは、昔から「肌にいい」といわれ、ヨクイニンという生薬として使われています。そこで、私たちはまず、ハトムギの肌への効果に着目しました。その結果、ハトムギには紫外線ダメージによる肌の乾燥や、シミを防ぐ働きのあることが明らかになったのです。【解説】清水邦義(九州大学農学部研究院森林圏環境資源科学研究分野准教授)


【血管強化食材】動脈硬化を撃退する絶品「ローストピーナッツ」レシピ

【血管強化食材】動脈硬化を撃退する絶品「ローストピーナッツ」レシピ

ピーナッツといえば、「太る」「ニキビができる」など、健康とは縁遠い食材だと思われがち。しかし、最近、その豊富な栄養素が、巷で大きな話題を集めています。便秘が解消して、やせやすくなる、血管も肌も若返ると、まさにピーナッツは優良健康食材なのです。【料理・栄養計算・スタイリング】五十嵐ゆかり(料理研究家・管理栄養士)


血糖値が正常値に下がった!「玉ねぎのオイル漬け」は親子三代に伝わる健康常備食!

血糖値が正常値に下がった!「玉ねぎのオイル漬け」は親子三代に伝わる健康常備食!

タマネギのオイル漬けを口にしているおかげか、我が家は皆、いつも元気に過ごせています。今年はインフルエンザが猛威を振るっていましたが、長男はカゼひとつ引かず、無事に受験を乗り切ることができました。【解説】奥津純子(フードデザイナー・「タラゴンの挿し木」主宰)


ランキング


>>総合人気ランキング