【口腔がんのリハビリ】お勧めは入浴中の「口笛」と「爪もみ」人口唾液も不要に!

【口腔がんのリハビリ】お勧めは入浴中の「口笛」と「爪もみ」人口唾液も不要に!

おふろで口笛を吹きながら爪もみをする方法は、ガンだけではなく、多くの健康効果が期待できるものです。ですから最近は、私は多くの患者さんに、この方法を勧めています。【解説】小川優(アスティ歯科クリニック院長)


2度のガン手術で悟った自助努力の大切さ

私が、舌ガンと頸部ガンで二度の手術を経験したのは、今から16年以上前のことです。
当時も今も、ガンの治療法は、手術・放射線・抗ガン剤の3大療法が主流です。

私は、歯科・口腔外科の専門医ですから、自分がガンであることがわかったときも、3大療法は正しいものと思い、手術を決断することに迷いはありませんでした。

しかし、2度の手術の経験後は、再発の不安と恐怖から、しばしば落ち込むようになりました。
1度めの舌ガンは早期発見でしたし、専門家である私の目から見ても、手術は完璧でした。

ところが、翌年には、頸部ガンがあっさり判明してしまったのです。
2度めの切除手術後には、3ヵ月にわたり放射線治療を受けています。

これらの治療を済ませたのちも、自分のガンが必ず治るという保証はどこにもない、と考えるようになりました。
体調不良も続いていました。放射線治療の影響で、顎と歯がボロボロになり、歯は欠けてしまうのです。

唾液が分泌されなくなり、味覚もマヒしました。
しかたなく人工唾液で口を湿らせ、味のわからない食事をとるのですが、その食事のまずいこと!

そんな私の悩む姿を見かねたのでしょう。
「このまま続けていると、3大療法に殺されるぞ」といって、ある知人が教えてくれたのが、福田稔医師と、当時新潟大学教授だった安保徹先生が説いていた「福田─安保理論」でした。

それは、3大療法とは全く異なるものでした。
私はその理論に惹かれ、早速、お二人のもとに出向き、直接、指導を仰ぎました。

そのとき、セルフケア法として、爪もみを教えてもらったのです。
爪もみは、手の指の爪の生え際にある井穴というツボをもみ、刺激する方法です。

もちろん、今でも、3大療法の有効性を否定するつもりはありません。
しかし、3大療法も、早期発見・治療も、決して万能ではありません。

やはり、ガンを克服するためには、自助努力で自己治癒力を高めることが必要です。
その力になるのが、福田─安保理論において、最も実践的な方法である爪もみです。

爪もみを毎日続けながら、食生活にも気を遣うようにしました。
栄養バランスを考え、3食しっかり食べるようにして、お酒は控えめに。

また、体の冷えは免疫力を下げるので、いつも体を温めるように努めました。
今ふり返ってみると、特に体の回復に役立ったと思われるものが、爪もみだったのです。

ガンを退治する環境を整えられる!

私は、爪もみを入浴中に行うようにしていますが、その際、一つ工夫を加えることにしています。
それは、好きな曲を口笛で吹きながら、爪もみを行うというものです。

なぜ、この方法がいいのか、唾液を例にとり、考えてみましょう。
そもそも唾液は、自律神経によってコントロールされています。

自律神経とは、私たちの意志とは無関係に働き、内臓や血管をコントロールしている神経です。
自律神経には、主に昼間に優位となり、昼のアクティブな行動をつかさどる交感神経と、主に夜に優位となり、体をリラックスさせる休息の神経である副交感神経の二つがあります。

両者は、バランスを取り合うように働いています。
唾液は、副交感神経が優位になったときに、よく分泌されます。

入浴して好きな曲を口笛で吹くと、心身をよりリラックスした状態にすることができます。
それが、副交感神経優位へと導くスイッチとなるのです。

唾液は、口の中にある大唾液腺から分泌されますが、放射線治療を行うと、この大唾液腺が放射線によってダメージを受け、機能しなくなります。
ですから、人工唾液も必要になるのです。

ただ、口の中には、大唾液腺ばかりではなく、小さい小唾液腺が多数存在しています。
爪もみによって、副交感神経をよく働かせるようにしておくと、この小唾液腺が、大唾液腺の代わりに唾液を分泌してくれるのです。

さらに、口笛を吹く際には、口に空気をためこみ、頬ほおを緊張させる必要があります。
つまり、口笛を吹くことで、顔や口腔内の筋肉の血流を促す効果もあるのです。

これも、手術でメスを入れた顔や口腔内のリハビリの一助となっている、と考えられます。
こうして、毎日口笛を吹きながら爪もみを続けていたところ、唾液の分泌がかなりよくなり、今では、健康時に近い状態まで唾液が出るようになりました。

おかげで、人工唾液の世話にならずに、食事ができるようになったのです。
体調もしだいに回復しました。

現在に至るまで、ガンが再発することはなく、後遺症もなく、元気に仕事を続けることができています。
安保先生は、「低体温」「低酸素」「高血糖」の過酷な環境からガンが生まれるとおっしゃっています。

その理論に従えば、ガンを改善・予防するには、それらと反対の「高体温」「高酸素」「低血糖」の環境を作ればいいわけです。
「高体温」「低血糖」のためには、体を温め、バランスよく食べることが大切です。

また、「高酸素」のためには、酸素をたっぷり取り入れる腹式呼吸が重要ですが、そのためにも口笛が役に立ちます。
きちんと口笛を吹くためには、腹式呼吸をしなければならないからです。

この点からも、爪もみの際の口笛は、とても有効といえるでしょう。

闘病中の読者から感謝の手紙が届いた!

ところで、2016年1月号の『壮快』に掲載された私の爪もみの記事には、思いがけない反響がありました。
ガン切除後の私の体験記を読み、感銘を受けたというかたから、お手紙をいただいたのです。

60代後半の女性のかたでした。
このかたは咽頭ガンで、現在も、ガン治療の後遺症に悩んでいるとのこと。

しかし、私の体験記を読んで、「こんな壮絶な思いをしながら、ガンを克服されたかたがいらっしゃるんだ!」と勇気をもらったそうです。
お手紙には、感謝の言葉が寄せられていました。

私は、そのお手紙を読んで、とても感激したものです。
そこで私は、返事を書き、爪もみや食事法などのアドバイスを書き添えました。

先日アドバイスをしたばかりですから、ハッキリした成果が出るほどの時間がたっていません。
しかし、爪もみなどをはじめとしたセルフケア法が、この女性の場合にも、ガンを克服する助けとなることを心から願っています。

おふろで口笛を吹きながら爪もみをする方法は、ガンだけではなく、多くの健康効果が期待できるものです。
ですから最近は、私は多くの患者さんに、この方法を勧めています。

ちなみに、私の入浴中の口笛の愛唱曲は、かぐや姫の『神田川』。
好きなメロディを奏でながら、爪もみをしていると、あっという間に時間がたってしまいます。

皆さんも、ご自分のお好きな曲で、ぜひ試してみてください。

小川優
日本歯科大学大学院生理学修了。歯学博士。アスティ歯科クリニック院長。北海道大学客員臨床教授。北海道医療大学臨床教授。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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