【体のねじれを取る】ひざ痛・股関節痛の原因に効き、症状が改善「足の中指回し」

【体のねじれを取る】ひざ痛・股関節痛の原因に効き、症状が改善「足の中指回し」

腰、ひざ、股関節などの痛みに悩む人は後を絶ちません。そもそも、痛みはなぜ起こるのでしょうか。ひと言でいうと、体がねじれた状態のままで過ごしているからです。【解説】内田泰文(豊中愛整骨院・鍼灸院院長)


体の痛みを改善するには足底の感覚を取り戻せ!

腰、ひざ、股関節などの痛みに悩む人は後を絶ちません。
そもそも、痛みはなぜ起こるのでしょうか。
ひと言でいうと、体がねじれた状態のままで過ごしているからです。

野生動物は、関節に故障を起こすことは、まずありません。
なぜなら、体の不具合を察知し、正しい状態へと修正する機能が、絶えず働いているからです。

人間も動物なので、本来は同様の機能が備わっているはずです。
ところが、便利な生活に慣れた現代人は、不具合を察知する感覚が薄れてきています。
その最たるものが、足底の感覚です。

健康な足には、三つのアーチ(上部が半円形になった構造)が形成されています。
土踏まずと呼ばれる内側アーチ、小指からかかとにかけての外がい側そくアーチ、そして、足指の根もとをカーブさせる横アーチです。

内側アーチと横アーチは、着地時の衝撃を吸収して、ほかの関節への負担を軽減しています。
外側アーチは、小指を働かせることで、体が外側に傾くのを防ぐ役割を担っています。

三つのアーチがしっかりあれば、5本の足指の腹が床につき、地面の凹凸や傾き、異物の有無などを、足底が察知できるのです。
体が傾いたり、足が異物に当たったりしたとき、足底の感覚がそれを察知して脳に伝え、体を曲げたり上半身でバランスを取ったりして、体をまっすぐに保っています。

ところが、靴をはいて舗装された道路を歩いている現代人は、足底で地面をつかんで立つ機能が衰え、足底の感覚が鈍くなっています。
さらに、足底を使わなくなると、アーチもくずれてきます。

そのため、体に偏りがあっても気づくことができません。
偏りに気づかなければ、調整する機能が働かないので、体はどんどんねじれていきます。

最近は、まっすぐ立つことすらできない人が増えています。
まっすぐ立つというのは、「重力に従って地球の中心に向かって立つ」ことです。

これは、足底の感覚が鈍ると、できません。
まっすぐに立てないのに、転ばないようにバランスを取ると、体がグラついたり、特定の筋肉や関節に負荷がかかることで、こわばりが生じたりします。

それが、腰やひざ、股関節の痛みとして現れるのです。
ですから、体の痛みを改善するには、足底の感覚を取り戻すことが基本となります。

そうすれば、自己調整力が働いて、まっすぐに立つことができ、こわばりは自然に取れていきます。
自己調整力が働いていない状態でいくら治療をしても、すぐに症状がぶり返します。

また、体がねじれたまま運動を行うと、こわばった筋肉にさらに負荷をかけることになり、症状を悪化させることもあるのです。

足裏のアーチが復活し体のこわばりが取れる

腰痛やひざ痛、股関節痛の患者さんに、私がお勧めしているのが、「足の中指回し」です。
セルフケアとして行うことで、痛みから解放される人が続出しています。

足の中指(第3趾し)は、三つのアーチのちょうど中心に位置します。
体に偏りができると、中指を基点にねじれが起こり、アーチがくずれていくのです。

ですから、中指を回してねじれを取れば、アーチが復活し、足底で地面の情報をつかむことができるようになります。
もちろん、ねじれが起こるのは中指だけではないので、すべての指を回せばさらに効果的です。

しかし、セルフケアは継続することが大切です。
中指を回すだけなら誰でも簡単にできて、時間もかからず、無理なく続けられるでしょう。

やり方は簡単です。

足の中指を反対側の手の指で上下(爪側と腹側)からはさみ、10回程度回します。
ペットボトルのふたを開閉するように、中指を左右にグリグリとひねる感じです。
ねじれて固まった指のゆがみを戻すメージで行いましょう。

次に、中指を側面からはさみ、同じように10回程度回します。
反対の足も、同様に行ってください。

最初は痛いかもしれませんが、毎日行うことで、痛みは軽減していきます。
できれば朝昼晩、1日3回行いましょう。

体は、睡眠中に骨格のゆがみや細胞の損傷を修復するので、就寝前に行うのは特にお勧めです。
足の中指回しをやったあと、床の上に立ってください。

足底が指先までしっかり床につき、体が安定していることに気づくはずです。
中指を回すだけで、効果は十分得られます。

足底の感覚を高めるには、重心移動も行うといいでしょう。
足の裏をしっかり床につけて立ち、足底の感覚を意識しながら、まず、ゆっくり左に重心をかけます。

右、前、後ろにも、順に重心をかけていきましょう。
かかとや指先が浮かないように注意しながら、左右前後の重心移動を、2回くり返します。

「ああ、体はこうなっているんだ」と感じ、気づくことから、自己調整力が発動します。
アーチが復活し、足底の感覚がよみがえれば、体は自然に負担のない状態に調整されます。

その結果、こわばりが取れ、腰やひざ、股関節などの痛みが改善するのです。
また、体にこわばりがあると、血管や内臓を調整する自律神経のうち、体を活動モードにする交感神経が優位になります。

交感神経が優位なときは、血流が滞り、気持ちが高ぶります。
こわばりが取れると、体を休息モードにする副交感神経が優位になるため、血管が拡張して血流がよくなり、睡眠の質も上がります。

その結果、肩こりや疲労が軽減したり、不眠が解消したりするといった健康効果が得られるのです。
まっすぐ立てるようになってから運動を行えば、上手に筋肉を鍛えることもできます。

腰、ひざ、股関節が痛む人は、足の中指回しをやったあと、下半身を鍛える「片足立ち」も、ぜひ行ってください。

正しい筋肉をつけることは、痛みの改善・再発予防に最適です。

片足立ちは、片方の足を床から5~10cm上げるだけで十分です(左の写真参照)。
時間は1分が目標ですが、最初はできる範囲でOK。

転倒防止のために、すぐに手をつけるテーブルやイスの近くで行いましょう。

足の中指回しは、本来、私たちの体に備わっている機能を復活させるセルフケアです。
毎日実行し、痛みや不調を遠ざける体を自分で作りましょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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