【医師解説】カレーの健康効果がスゴイ!ストレスを取り「めまい」を改善する万能薬

【医師解説】カレーの健康効果がスゴイ!ストレスを取り「めまい」を改善する万能薬

「カレーは日本の国民食」と言われるほど、日本人はカレー好きです。私もカレーをよく食べますが、実はカレーはおいしいだけでなく、他に類を見ない健康食なのです。カレーがもたらす、さまざまな健康効果の一つに、「めまいの改善」があります。【解説】丁 宗鐵(日本薬科大学学長 百済診療所院長)


現代人に多いのはストレス性のめまい

「カレーは日本の国民食」と言われるほど、日本人はカレー好きです。私もカレーをよく食べますが、実はカレーはおいしいだけでなく、他に類を見ない健康食なのです。
 カレーがもたらす、さまざまな健康効果の一つに、「めまいの改善」があります。

 まず、めまいは、症状によって次の三つのタイプに分けられます。

①自分の体や周囲がグルグル回る「回転性めまい」

②足もとがフワフワする「浮動性めまい」

③急に立ち上がったときに、意識が遠のいてクラッとする「立ちくらみ」

 いずれのめまいも、原因は、過労、不眠、自律神経失調症、ストレス、貧血、更年期障害など、さまざまです。
 漢方では、めまいは水分代謝が悪くなる「水毒」の症状と考えますが、のぼせやイライラを伴うときは、頭や首などの上半身に、血の滞り(血)があると考えます。

 現代人に多いのは、ストレスが原因のめまいです。ストレスによって自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)のバランスがくずれると、血行が悪くなり、手足の先まで熱が届かなくなります。この状態が高じると、気分がイライラしやすくなり、めまいを起こすのです。

 これは、先ほど述べた血によるめまいで、治療には、血の巡りを促す漢方薬を使います。
 その漢方薬と同じような効果を期待できるのが、カレーなのです。

カレーには生薬となるスパイスがたっぷり!

ターメリックはウコンという生薬、クローブは丁子という生薬

「インドで生まれたカレーに、漢方薬と同じ効果がある」と聞いて、驚いた人も多いでしょう。
 確かに、カレーの発祥はインド文化圏ですが、カレーに使われているスパイスの多くは、漢方薬の生薬と重なります。
 生薬とは、植物、動物、鉱物などの天然物の中で、薬効を持つものをいいます。この生薬をいくつか組み合わせたものが、漢方薬です。
 一方、スパイスとは香辛料のこと。これが独特のスパイシーな風味をかもし出しますが、カレーに使われるスパイスの多くが、植物由来の生薬です。
 例えば、カレーに欠かせないスパイスに、ターメリックとクローブがあります。ターメリックはカレーの黄色い色のもとで、ウコンという生薬です。カレーの刺激的な香りをもたらす
クローブは、丁子という生薬です。
 カレーによく使用される、日本人になじみの深いニンニク、トウガラシ、ショウガなどもスパイスであり、生薬でもあります。
 カレーは、スパイスをブレンドして作ります。どのスパイスを使うかは好みによりますが、日本で市販されているカレールーには、15〜30種類ものスパイスがブレンドされています。
 漢方薬もカレーも、出来上がった形こそ違いますが、生薬をブレンドして作ったという点では同じです。ですからカレーは、「食べる漢方薬」でもあるのです。

朝カレーで自律神経のバランスが整い、ダイエットにも効果的

 では、カレーはなぜめまいに効くのでしょうか。

 私は、冷え症の女性10人に、カレーと、スパイス抜きの疑似カレーを食べてもらい、体温の変化を調べました。
 どちらを食べた後も、深部体温(腹部)は同じように上がりましたが、カレーを食べたときのほうがより高くなりました。

 さらに、末端(手と足の指)の表面温度には大きな違いがありました。疑似カレーを食べたときはほとんど上がりませんでしたが、カレーを食べたときは手の指で1・5℃以上、足の指で2・5℃以上も上がったのです。
 しかも、90分たっても、体温は上昇し続けました。ここまで体温を上げる薬は西洋薬にはありませんし、漢方薬でも少ないのです。

 このようにカレーには、血行をよくし、代謝を上げて、体を温める作用があるのです。血行がよくなれば、めまいを引き起こす血の症状を改善できます。
 また、自律神経に働きかけて、冷えやめまい、立ちくらみなどの症状を和らげる効果も期待できます。

 カレーは、できれば朝食べてください。朝は一般に体温が低く、代謝も落ちています。こういうときにカレーを食べると、体温も代謝も上がって活動しやすい体になるからです。
 自律神経のバランスが整えば、めまいや立ちくらみだけでなく、さまざまな自律神経の失調症状が改善に向かう可能性があります。
 ちなみに私も、15年以上前から、週に3~4回、朝にカレーを食べています。
 それを続けて、1年半ほどで体重が16㎏減りました。さらに、高めだった血圧も正常値内で安定しています。

丁 宗鐡
日本薬科大学学長・百済診療所院長。横浜市立医学部入学直後より、漢方の大家、石原明に師事。東京大学医学部助教授、東京女子医大特任教授などを歴任し現職。
本格的な漢方処方から最新の西洋医学を組み合わせた幅広い診療で定評がある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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