【太極拳メダリスト】腰痛を改善する「かかとの上げ下げ」のやり方を紹介!疲労回復にも

【太極拳メダリスト】腰痛を改善する「かかとの上げ下げ」のやり方を紹介!疲労回復にも

腎は西洋医学でいう腎臓を指すだけでなく、東洋医学的には免疫や生殖機能の働きを支える生命エネルギーが宿るところとされています。その腎に気がスムーズに巡ると、腎機能が高まって不要物の排出が促されたり血行がよくなることで、冷え症やむくみが改善したりします。【解説】市来崎大祐(2015年世界武術大会銀メダリスト)


市来崎大祐
1987年生まれ。大阪府出身。大阪体育大学卒業。6歳から武術を始め、17歳で全日本選手権優勝。2010年の広州アジア大会で銀メダルを獲得し、名実ともに日本の武術太極拳界のエースに成長する。2015年には、世界武術選手権大会で銀メダルを獲得。今夏で現役引退を表明した。現在は太極拳の普及活動のため、学校やイベントで演武活動を行うほか、インストラクターとしても活動中。

かかとからの振動が全身をほぐしリラックス

私は、幼いころから太極拳を学び、トレーニングを重ねてきました。
先日、選手活動の引退を表明しましたが、太極拳の健康効果をもっと多くの皆さんに知っていただくべく、現在はインストラクターなどの活動を行っています。

中国では600年以上前から、健康のためにさまざまな養生体操が行われ、今に残ってきました。その一つである太極拳は、武術と古い東洋医学の思想が融合したもので、「哲学拳」とも呼ばれています。

古くから健康法としても親しまれてきた太極拳ですが、その動作で重要となる部位が、かかとです。
太極拳は、おなかを軽く締め、肩、股関節、腰、ひざ、足首など、すべての関節を緩めて立つのが、基本姿勢です。

こうして、おなかへと意識を集中させながら、おなか以外の力を抜くと、重心がかかとに乗ります。
そして、その姿勢のまま、かかとからゆっくり前に、足を踏み出します。

このように、太極拳の動きは、常にかかとを刺激しますが、太極拳を行う前後でも、かかとに着目した運動があります。
それが、今回ご紹介する「かかとの上げ下げ」です。かかとの上げ下げは、「八段錦」という養生体操の一つです。

八段錦は、太極拳において、準備体操や整理体操のような位置づけです。
では、やり方です。

❶足を肩幅に広げ、体重を足の親指(母趾)側にかけながら立ちます。

❷息を深く吸いながらかかとをグッと上げます。

❸かかとを半分まで下ろしたら、ふっと体の力を抜き、息を吐きながらかかとを一気に床に下ろします。
下ろす際に、しっかりと息を吐き切るのがポイントです。

これを7回くり返します。そして、1日に2〜3セット行ってください。
かかとから全身に振動を与えることで体がほぐれ、リラックス効果が高まります。

そして、足元の血液が心臓に多く戻るので、血行促進にも役立ちます。
足腰が弱っているかたは、転倒すると危険ですので、壁やイス、机などにつかまりながら行いましょう。

眠りのツボを刺激して疲労回復にも役立つ!

人間の体には、目には見えない経絡という、気(生命エネルギー)の通り道が流れています。
気がスムーズに全身を巡れば、血行も促進され、心身ともに健康な状態を保つとされています。

そして、かかとには、腎につながる経絡が通っています。
腎は、西洋医学でいう腎臓を指すだけでなく、東洋医学的には、免疫や生殖機能の働きを支える、生命エネルギーが宿るところとされています。

その腎に気がスムーズに巡ると、腎機能が高まって不要物の排出が促されたり、血行がよくなることで、冷え症やむくみが改善したりします。
また、かかとのふくらみ部分の中央には、失眠というツボがあります(別記事参照)。

かかとの上げ下げでこのツボを刺激すると、寝つきがよくなり、疲労回復の効果が高まります。
ですから、寝る少し前に行うと、より効果的です。

さらに、かかとの上げ下げを行うと、かかとへの振動が腰周りや肩の筋肉に伝わり、体がほぐれやすくなります。
体がほぐれると背骨のゆがみが取れて、腰痛改善にも役立ちます。

八段錦のような養生体操は、やってすぐに効果が出るものではありません。
しかし、毎日続ければ内臓が活性化し、体の根本から不調が改善して、健康になっていくのです。

かかとの上げ下げは、とても簡単な動作ですので、リラックスするつもりで、皆さんもぜひ試してみてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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