【坐骨神経痛の症状】痛みやしびれに「この運動療法」脊柱管狭窄症の間欠性跛行にも効果

【坐骨神経痛の症状】痛みやしびれに「この運動療法」脊柱管狭窄症の間欠性跛行にも効果

脊柱管狭窄症はセルフケアで改善が可能です。続けて長く歩けない「間欠性跛行」や、お尻から下肢にかけてしびれや痛みが出る「座骨神経痛」が現れたら、脊柱管を通る神経が弱っているサイン。簡単な体操を紹介しましょう。【解説】松平浩(東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任教授)


→【腰痛】の種類がわかるチェックリスト

弱っている神経を解放し患部の血流をアップする

脊柱管狭窄症は、安静にしているときには症状が出ないことも多く、「どうも長く歩けない」「たまに足がしびれる」という訴えから始まることがほとんどです。
しかし、背骨の中を通る神経が圧迫を受けた状態が長く続くと、神経が疲弊し、重症化する危険性があります。

肛門や性器周辺が熱くなったり、尿が出にくくなったりした場合は、かなり症状が進んでいると考えられ、すぐに治療が必要です。
手術や投薬、通院などは、できれば避けたいものでしょう。

脊柱管狭窄症は、重症化する前ならば、自力で症状を改善することができます。
症状が出始めたら、もしくは、診断を受けたら、日ごろから簡単なセルフケアを行いましょう。

今回は、私が多くの患者さんに勧め、成果を上げている方法をご紹介します。
続けて長く歩けない「間欠性跛行」や、お尻から下肢にかけてしびれや痛みが出る「座骨神経痛」が現れたら、脊柱管を通る神経が弱っているサインです。

できるだけ神経を解放する時間を取り、回復を図りましょう。
症状が出たら、必ず行ってほしいのが、イスに両足をのせる「足上げリラックス」です(下図参照)。

最低30分を1日2回、2週間続けましょう。
神経の圧迫を取るのが目的なので、これ以上長く、多く行ってもけっこうです。

飽きないように、音楽やラジオを聴きながら行うといいでしょう。
あおむけになってイスに両足をのせることで、腰部の脊柱管が少し広がり、神経の圧迫が緩みます。

神経の血流はアップして酸素の循環がよくなり、痛みの改善が期待できます。
なるべく高い枕を使用すると、より前かがみになるので、狭窄部分が広がりやすくなり、さらに効果的です。

ときどき足首を動かすことで、足のむくみを解消する効果も得られます。
夜寝るときも、クッションや座布団をふくらはぎの下に置き、ひざから下の部分を高くすることをお勧めします。

できるだけ長い時間、腰部の神経を解放したほうがいいからです。

鎮痛効果のある脳内物質が分泌される

次に、脊柱管狭窄症の症状を和らげる簡単な運動をご紹介します。
下肢のしびれや痛み、間欠性跛行が出ているときは、なかなか運動する気になれないかもしれません。

しかし、症状の緩和や悪化防止に、ぜひ行ってほしい運動があります。
意外かもしれませんが、「自転車こぎ」です。

自転車をこぐときは、前かがみの姿勢になるでしょう。
この姿勢で足を動かすと、腰の神経への圧迫を減らした状態で、有酸素運動をすることができるのです。

少し汗ばむくらいの負荷をかけ、有酸素運動を20分以上継続すると、鎮痛効果のある脳内物質がほどよく分泌されることがわかっています。
この点からも、自転車こぎは、脊柱管狭窄症の痛みを軽減する方法として有効なのです。

とはいえ、足腰に不安を抱えながら、自転車で外を走るのは心配でしょう。
いちばんお勧めなのは、スポーツジムなどにある、自転車エルゴメーター(自転車型の運動器具)です。

専用の器具なので、転倒の心配もなく、安全です。
近隣にそうした施設がない場合は、自宅で自転車のスタンドを立てたまま、こいでもいいでしょう。

ただし、安全には十分留意してください。

骨盤を少し前傾させれば腰への負担が軽くなる!

「足上げリラックス」と「自転車こぎ」で、症状がよくなってきたら、インナーマッスル(深層筋)を鍛えながら、背骨の並び(姿勢)を正すことも大切です。
前かがみの姿勢ばかり取っていると、ネコ背になり、腰痛を起こすおそれがあります。

正常な背骨は、首(頸椎)から腰(腰椎)まで、緩やかなS字カーブを描いています。
この形をキープできていれば、腰への負担は最小限になります。

ところが、ネコ背や前かがみの姿勢が続くと、背中の筋肉が必要以上に緊張・収縮して、腰への負担が大きくなり、S字カーブがくずれてしまうのです。
背骨の美しいS字カーブを作るには、骨盤がほんの少しだけ前傾した状態が理想的です。

私は、この姿勢を「美ポジ」(ビューティフル・ポジションの略)と名づけました。
美ポジを保つために大切なのは、背骨を支え、体幹を構成している腹横筋や多裂筋などのインナーマッスルです。

これらの筋肉を日常的に刺激し、強化することで、脊柱管狭窄症の予防・改善に役立ちます。
今回は、「アームレッグレイズ」という筋トレをご紹介しましょう(上図参照)。

アームレッグレイズは、その名のとおり、腕(アーム)と足(レッグ)を持ち上げた(レイズ)姿勢を取る筋力トレーニングです。
背骨を安定させる筋肉を、効率的に鍛えることができます。

やり方は簡単です。
床によつんばいになり、背すじを伸ばします。

次に、右手を床と水平に自然に伸ばし、左足も腰の高さで伸ばして、10秒間キープしましょう。
いったん手足を下ろし、今度は反対側の手足で同様に行います。左右交互に3回ずつ行うのを1セットとし、1日3セットを目標にしましょう。

慣れてきたら、左右30秒間キープを目指してください。
この筋トレを行うのは、3日に1度程度でもかまいませんが、多少「きつい」と感じるくらい行うと、高い効果を得られます。

がんばりましょう。
以上に紹介した姿勢や簡単な運動を実行し、脊柱管狭窄症による痛みやしびれの改善に役立ててください。

→【関連記事】3秒反らすだけ「腰痛体操」の解説はコチラ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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