【腕を下ろした時の「ひじ」の向き】は外側?後ろ側?脊柱管狭窄症の痛みしびれを改善する「よつんばいポーズ」とは

【腕を下ろした時の「ひじ」の向き】は外側?後ろ側?脊柱管狭窄症の痛みしびれを改善する「よつんばいポーズ」とは

ご自身のひじの向きを見てみてください。ひじが外を向き、わきが空いていませんか?そして、肩が前に出ているのではないでしょうか。脊柱管狭窄症の患者さんは、この傾向が非常に強くなっています。脊柱管狭窄症の症状を根本的に改善するには姿勢を本来の形に戻し、腰への負担を減らすことが必要なのです。【解説】中村考宏(えにし治療院院長)


背骨をS字型に戻し腰への負担を軽減する

私の治療院やセミナーには、脊柱管狭窄症に悩む人が多くいらっしゃいます。
そんなかたがたに私は、「おなかをやわらかくすること」と「体の各部位の位置や向きを整えること」を指導します。

なかでも、自宅で簡単にできる方法として、患者さんに勧めているのが、「よつんばいポーズ」です。
これは、脊柱管狭窄症の患者さんの「姿勢」と関係があります。

私たちの体は本来、腕を自然に下ろすと、ひじが後ろを向く構造になっています。
ところが、現代人の多くは、ひじが外側を向いているのです。

皆さんも、ご自身のひじの向きを見てみてください。
ひじが外を向き、わきが空いていませんか?

そして、肩が前に出ているのではないでしょうか。
この状態だと、背中側の筋肉が引っ張られ、伸びた状態になります。

反対側の腹筋は、かたく縮みます。
脊柱管狭窄症の患者さんは、この傾向が非常に強くなっています。

ひじを横に張り、背筋が引っ張られて伸びているため、背中が丸くなります。
腹筋は収縮しているので、おなかを触るとかたくなっているのです。

どこかの筋肉が伸びると、反対側の筋肉が縮むのは自然なことです。
ただし、これは、体を動かすことで、頻繁に入れ替わるのが普通です。

しかし、背中側が常に引っ張られて伸び、おなか側が縮んだ体勢でいると、どうなるでしょうか。
背骨の本来の形である緩やかなS字型がくずれ、背骨の中を通る脊柱管も、常に圧迫された状態になります。

ですから、脊柱管狭窄症の症状を根本的に改善するには、姿勢を本来の形に戻し、腰への負担を減らすことが必要になります。
それに最適なのが、よつんばいポーズなのです。

よつんばいポーズを行うことで、まず、縮んでかたくなったおなかが緩み、やわらかくなります。
それにより、背中の筋肉とのバランスが取れ、背骨への圧迫が軽減するのです。

また、毎日行うことで、手足の向きと位置を正しくする習慣づけにもなります。

「小さく前へならえ」を習慣にすると姿勢が整う

よつんばいポーズのやり方は、下図解をご覧ください。
よつんばいになる前に、立った姿勢で「小さく前へならえ」をすると、ひじを後ろに向ける感覚がよくわかります。

その状態で、かけ足のときのように、左右の腕を前後に振ってください。
わきを締め、腕の内側と胸の横をこすり合わせましょう。

このウォーミングアップで、ひじが自然と後ろを向きます。
よつんばいになるときは、腕と太ももを、床に対して垂直にすることが重要です。

最も安定した体勢だからです。ポイントは、手のひらのつけ根と、ひざのお皿の下を、床につけること。
これを意識すると、体が安定します。

よつんばいになったら、重心を右に乗せてください。ふらつきませんか?
ふらついたら、手足の位置を調整しましょう。

同様に、左にも重心を乗せて、安定感を確認してください。
体勢が整ったら、おなかを凹ませたり、膨らませたりを5回ずつ行います。

かたく縮んだ腹筋が緩み、背筋とのバランスが整います。
よつんばいポーズは、朝起きたときと、夜寝る前の1日2回を目安に行いましょう。

何回行ってもいいので、そのほかの時間にやってもかまいません。
日常生活でも、手足の向きや姿勢に気をつけてください。

仕事や食事をしているときも、ひじが後ろを向き、外を向いていないか、注意しましょう。
こまめに「小さく前へならえ」をする習慣をつけるといいと思います。

脊柱管狭窄症による痛みやしびれで、生活に支障を来している人は、ぜひ、よつんばいポーズを試してください。
全身のバランスが整い、痛みやしびれが軽減して、心身が楽になるでしょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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