【やり方】注射もリハビリも効かないひざ痛が改善!5カ所の「筋肉はがし」

【やり方】注射もリハビリも効かないひざ痛が改善!5カ所の「筋肉はがし」

ひざ痛を解決するには、炎症を抑えるのではなく、かたくなった筋肉をほぐし、軟骨にかかる圧力を軽減することが重要になります。この理論に納得した私は、すぐに天城流の「筋肉はがし」を治療に取り入れました。すると、患者さんのひざ痛がどんどん改善していったのです。【解説】平野薫(ひらの整形外科クリニック院長)


ひざ軟骨にかかる圧力を軽減することが重要

ひざ痛に対する一般的な治療は、鎮痛剤やヒアルロン酸の注射、それに、ひざを支える筋肉を鍛えるための運動療法です。
ひざに水がたまれば水を抜き、場合によっては炎症を抑えるステロイドを注射することもあります。

しかし、そのときは症状が軽くなったように思えても、少し経つと痛みがぶり返すことが多いようです。
同じ治療を延々続ける人も少なくありません。

なぜ、治療をしても、ひざ痛はよくならないのでしょうか。
私は「ひざ痛の原因=炎症」とする現代医学が、病態を正確にとらえていないからだと、考えています。

2015年までは、私も一般的な治療を行っていました。
でも、炎症を抑えるはずのステロイドを投与しても、また水がたまってきます。

運動療法も、思うような効果は上がりませんでした。
「なぜだろう?おかしいな」と思いながら、よりよい治療法を模索していたのです。

2016年に「天城流湯治法」と出合って、疑問が解けました。
天城流湯治法とは、健康プロデューサーの杉本錬堂氏が考案した独自のメソッドです。

天城流では、外傷などによる急性の炎症を除く痛みのほとんどは、血流などの滞りによって起こると考えます。
高齢者のひざ痛の多くは、ひざ関節の軟骨がすり減ることが原因とされています。

しかし、天城流の考え方は違います。
血流の滞りなどにより、筋肉がかたくなって骨に貼りつき、ひざ上の筋肉がひざ下の骨を引っ張り上げ、ひざ下の筋肉がひざ上の骨を引っ張り下げることで、その間にあるひざ関節の軟骨に圧力がかかるのです。

つまり、ひざ痛を解決するには、炎症を抑えるのではなく、かたくなった筋肉をほぐし、軟骨にかかる圧力を軽減することが重要になります。
この理論に納得した私は、すぐに天城流の「筋肉はがし」を治療に取り入れました。

すると、患者さんのひざ痛がどんどん改善していったのです。

軟骨がすり減っていてもひざの痛みが消えた!

実際に、筋肉はがしのセルフケアで、ひざ痛が改善した例をご紹介しましょう。
Aさん(80代・女性)は2015年9月から、動くたびに左ひざが痛んだり、ひざ折れ(ひざに力が入らない状態)を起こしたりしていました。

病院で検査を受けると、内側の軟骨がすり減り、骨壊死(骨の内部にある細胞が死ぬこと)もありました。
一度、ステロイドを注射し、その後はヒアルロン酸注射と運動療法を続けましたが、痛みは取れません。

相談を受けた私が、Aさんに筋肉はがしを教えたのは、2016年2月でした。
すると、なんと10分後には、ひざを深く曲げ、しゃがむことができたのです。

Aさんは、その後、自宅でも筋肉はがしを続け、約1ヵ月で痛みは消えました。
Bさん(60代・男性)は、左ひざの内側に痛みがあり、2014年5月に当院を受診。

ヒアルロン酸注射とリハビリを行っていましたが、痛みが取れず、3年近く通院していたのです。
ところが、昨年3月から筋肉はがしを始めると、徐々に痛みが軽減。

今年1月には全く痛みがなくなり、ヒアルロン酸注射も終了しました。
Cさん(60代・女性)は、昨年11月に右ひざが痛くなりました。

急に立ち上がるとガクッとひざが落ちたり、痛みが走ったりするということでした。
すぐに筋肉はがしを指導し、自宅でも行ってもらいました。

すると、10日後にはほぼ痛みが消え、ひざ折れもなくなって、ひざを深く曲げることができるようになりました。
寒い時期に一度、痛みがぶり返したときも、筋肉はがしを行ったら改善し、痛みは再発しなかったそうです。

胸の筋肉はがしを行うとひざが深く曲がる!

筋肉はがしは、5ヵ所に行います。
痛みがある側の足に行いますが、余裕があれば両足に行いましょう。

詳しくは、上の写真図解をご覧ください。
一つめは、足の裏の筋肉はがしです。

ひざ痛の人は、ひざの内側に脂肪がたまって腫れていることがよくあります。
これは血流などの循環が悪いからです。

足の裏の筋肉はがしは、その循環の改善に役立ちます。
二つめは、アキレス腱はがしです。

立ち上がるときや階段を下りるときなど、動くときにひざが痛む人に効果的です。
三つめは、ふくらはぎの筋肉はがし。

歩くとき関節が痛む人に有効です。
四つめは、太ももの筋肉はがしです。

長く立っていると痛むタイプのひざ痛は、ここを重点的にほぐします。
五つめは、胸の筋肉はがしです。

ひざとは少し離れていますが、ここをほぐすことで、ひざを深く曲げやすくなります。
足の裏→アキレス腱→ふくらはぎ→太もも→胸と、下から順にやっていけば覚えやすいので、できれば五つの筋肉はがしを、ひと通りやってください。

すべての部位を両足行っても、10分程度で済むでしょう。
全部やるのが難しければ、自分の症状に合うものを選んでやってもかまいません。

最も効果的なのは、筋肉がやわらかくなっている入浴時です。
それ以外にも、気がついたときに1日数回行いましょう。

指の力がなくても、触るだけで体は反応します。
大切なことは、自分でケアする姿勢です。がんばりましょう。

平野薫
1987年、九州大学医学部卒業、同整形外科教室、新日鐵八幡記念病院整形外科主任医長・リハビリテーション科部長などを経て、2010年より現職。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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