【慢性腰痛】共通点は“太もも裏の固さ”痛みを改善する「波止場のポーズ」のやり方

【慢性腰痛】共通点は“太もも裏の固さ”痛みを改善する「波止場のポーズ」のやり方

慢性腰痛の人には共通する症状が、一つあります。太ももの裏側の筋肉群であるハムストリングスがかたいのです。これが腰痛の引き金となります。ハムストリングスを柔軟にすると、腰への負担が格段に減るので、腰痛の予防や改善につながるのです。【解説者】出沢明(出沢明PEDクリニック院長)


太ももの裏側がかたいと腰に大きな負担がかかる

椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のように、痛みやしびれを引き起こす原因がはっきりしている腰痛を「特異性腰痛」といいます。
一方、原因が特定できない腰痛を「非特異性腰痛」といい、いわゆるギックリ腰や慢性腰痛がこれに当たります。

ただ、慢性腰痛の人には共通する症状が、一つあります。
太ももの裏側の筋肉群であるハムストリングスがかたいのです。
 
ハムストリングスとは、半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋の総称で、骨盤の下端にある座骨結節から、ひざまでつながっています。
ハムストリングスがやわらかく、十分に伸縮すれば、前屈するときに、骨盤はスムーズに大きく前方に回転し、関節を使って体を前に倒すことができます。

しかし、ハムストリングスがかたいと、前屈しても骨盤が引っ張られて動けず、股関節を使うことができません。
そのかわりに、腰椎を曲げて前屈するので、腰に大きな負担がかかるのです。

これが腰痛の引き金となります。 
ハムストリングスを柔軟にすると、腰への負担が格段に減るので、腰痛の予防や改善につながるのです。

体の深部で腰を支える重要な筋肉も鍛えられる

そこで、私は3年ほど前に、ハムストリングスをやわらかくするエクササイズを考案しました。
それが、「波止場のポーズ」です。
やり方は、下の図解をご覧ください。

7秒キープする動きを左右10回ずつ、これを1セットとします。
このエクササイズは、波止場(埠頭)にある杭に足をのせる船乗りのポーズに似ていることから、「波止場のポーズ」と名づけました。

波止場のポーズを行うと、ハムストリングスが伸展と収縮をくり返すので、柔軟性が回復します。
波止場のポーズは、朝昼晩、1日3セット行うのがお勧めです。

継続的に行うことで、よりいっそうハムストリングスがやわらかくなり、腰への負担が減って、腰痛の予防や改善につながります。
もちろん、1日3セット以上行ってもかまいません。

波止場のポーズの優れている点は、深部筋群である腸腰筋も動かせるところです。
腸腰筋は、腰を支えている重要な筋肉ですが、鍛えないとすぐに衰えてしまいます。

その腸腰筋にも収縮や伸展の動きを与えて、鍛えることができるのです。
波止場のポーズは、慢性腰痛のかたにお勧めのエクササイズです。

腰に激痛や熱がある人や、下肢にしびれが出ている人はほかに原因が考えられるので、行わないでください。
整形外科を受診し、医師の指示に従いましょう。

私自身も波止場のポーズを、行っています。
私は毎日、何人もの患者さんの手術をするので、立ちっぱなしの前傾姿勢を取っている時間が長く、腰に大きな負担がかかっています。
 
そこで、腰痛予防のために、時間を見つけては、波止場のポーズを実践しているのです。
手術中も、足もとに小さな台を置き、左右の足を交互にのせるようにしています。

こうした習慣のおかげで、今のところ、腰痛には見舞われていません。
さらに、波止場のポーズを始めてから、便秘が改善しました。

股関節を曲げて足を上げる体勢は、直腸と肛門の角度を変えて、排便しやすい状態になるようです。
大切なのは、ハムストリングスを柔軟にすることです。

ちょうどいい高さのイスがなくても、階段などで行うことができるので、外出先でもこまめに行ってください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【腰が痛い】病院で「異常なし」といわれたら、腰痛は自分で治すことができる!

【腰が痛い】病院で「異常なし」といわれたら、腰痛は自分で治すことができる!

ギックリ腰などの非特異的腰痛は、重い病気や障害が原因ではないので、焦って病院に行く必要はありません。生活習慣の改善などで、自分で治せる腰痛と考えていいでしょう。私は、非特異的腰痛の患者さんに、「運動で腰痛を治すこと」をお勧めしています。【解説】矢吹省司(福島県立医科大学整形外科教授)


【やり方】足の指を動かせば不眠症が改善して熟睡できる 性力も復活した

【やり方】足の指を動かせば不眠症が改善して熟睡できる 性力も復活した

現代人は、イスに座ってパソコンばかり、使うのは目と頭だけ……。こういうと、「ジムに通って体を鍛えている」「よく歩くようにしているから大丈夫」という人がいます。しかし、たとえ運動を心がけている人でも、血流の鍵を握る「足指」は、意外に使っていないものです。【解説】留目昌明(和楽堂治療院院長)


【立ち仕事】足が痛い 痺れる 間欠性跛行の症状 脊柱管狭窄症の対策を専門医が解説

【立ち仕事】足が痛い 痺れる 間欠性跛行の症状 脊柱管狭窄症の対策を専門医が解説

脊柱管狭窄症も、慢性痛の一つです。原因は、脊柱管が狭くなって神経を圧迫するためだといわれていますが、それだけではありません。痛みに対する不安やストレスなど、心理的な要因も、慢性痛に深く関係しているのです。【解説】井上真輔(愛知医科大学学際的痛みセンター准教授)


【腰椎圧迫骨折が改善】ぎっくり腰、膝痛にも効果を発揮した「アザラシポーズ」Before&After

【腰椎圧迫骨折が改善】ぎっくり腰、膝痛にも効果を発揮した「アザラシポーズ」Before&After

高齢者でも簡単にでき、効果の高い動作を厳選した「アザラシポーズ」と「上体起こし運動」を採用し、さまざまな症例の患者さんにこの二つの体操を行ってもらったところ、想像以上の効果が得られました。しっかりと実践したすべての例で、腰痛が改善し、姿勢がよくなったのです。【解説】太田邦昭(太田整形外科院長)


【慢性腰痛の改善】頬をほぐすマッサージで痛みが即効和らぐ!脊柱管狭窄症にも効果

【慢性腰痛の改善】頬をほぐすマッサージで痛みが即効和らぐ!脊柱管狭窄症にも効果

腰痛を治療するうえでは、患者さんをリラックスさせ、ストレスや緊張、不安を減らすことが重要なポイントだとわかります。私はこれを踏まえ、皆さんに「笑い筋ほぐし」という方法をお勧めしています。【解説】佐藤源彦(CLSマッサージスクール名古屋校代表)


最新の投稿


【沖ヨガの効果】“足”への刺激は自分で「治る力」を高める 「足裏たたき」を医師が推奨

【沖ヨガの効果】“足”への刺激は自分で「治る力」を高める 「足裏たたき」を医師が推奨

人間は、よほどのことがない限り、自分で自分の体を治す力を持っています。足の刺激法などのほうが、薬よりはるかに上であって、まず試すべきものです。足を刺激することによって、その人が本来持っている、治る力を活性化させることができるからです。【解説】樋田和彦(ヒダ耳鼻咽喉科院長)


【沖ヨガの特徴とは】心身をケアするヨガ "足裏たたき" で心も体もリラックス

【沖ヨガの特徴とは】心身をケアするヨガ "足裏たたき" で心も体もリラックス

足裏たたきを続けていると、胃腸や肝臓や膵臓の不調、肺をはじめとした呼吸器の不調、心臓の不調、血管の問題、腎臓や泌尿器の不調、腰痛や首の痛み・こりなどが、次々によくなっていきます。同時に、肌もきれいになり、姿勢もよくなって若々しく生まれ変われるのです。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


不調の5大原因を取り除く【沖ヨガ】「足裏たたき」の効果 腰痛が改善、ストレスが解消した

不調の5大原因を取り除く【沖ヨガ】「足裏たたき」の効果 腰痛が改善、ストレスが解消した

病気になる前に、その原因を遠ざける。もし病気になったとしても、自然の回復を促す。それが足裏たたきのすぐれた効能です。やり方を身につければ、あなたにとって、必ず一生の宝になります。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【沖ヨガ】詰まりが取れて全身に血が巡る「足裏たたき」のやり方

【沖ヨガ】詰まりが取れて全身に血が巡る「足裏たたき」のやり方

刺激して痛みを感じる部位があれば、そこは体の巡りが悪く詰まっている証拠です。重点的にたたいたり、もんだりしてください。詰まりが取れて全身の血の巡りが一気によくなり、目も頭もスカッとします。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

生野菜は、胃の粘膜を荒らすため、胃が疲れているときにサラダを食べるのはよくありません。しかし、同じ野菜でも、発酵させた水キムチなら、胃に優しく作用するので安心です。【解説】丁宗鐵(日本薬科大学学長)