【鍼灸師が教える】シミ、そばかす、たるみ…お肌の悩みに「手もみ美容」がオススメ

【鍼灸師が教える】シミ、そばかす、たるみ…お肌の悩みに「手もみ美容」がオススメ

年齢を重ねていくほど、深刻な問題になっていくお肌のトラブル。シミ、そばかす、ほおのたるみといった美容の悩みをお持ちの女性は少なくありません。年齢のせいにして美肌をあきらめているかたはいませんか。そんなかたはぜひ一度、手をもんだり押したりしてみてください。【解説】森田真理(Mari鍼灸Salon代表)


森田真理
「Mari鍼灸Salon」オーナー。19歳でエステティシャンになり多くの顧客をもつようになるが、激務がたたり30代で寝たきり生活になる。闘病中に鍼灸治療に出合い早稲田医療専門学校に入学。後に渡米し解剖学を習得。さらに東洋医学を徹底的に学び36歳で鍼灸国家資格を取得。現在に至る。著書に『手から体を癒す』(ブルーロータスパブリッシング株式会社)がある

手のひらと甲が全身の臓器や骨に対応

 年齢を重ねていくほど、深刻な問題になっていくお肌のトラブル。シミ、そばかす、ほおのたるみといった美容の悩みをお持ちの女性は少なくありません。しかし、なかには年齢のせいにして、美肌をあきらめているかたもいるのではないでしょうか。そんなかたはぜひ一度、手をもんだり押したりしてみてください。

 私が日々サロンで実践している「手もみ美容」は、韓国の民間療法である高麗手指鍼や東洋医学を基にした美容・健康法です。

 顔のむくみやたるみには即効性がありますし、シミ、そばかす、下腹部のポッコリ感などは毎日続けることで改善が期待できます。

 東洋医学への興味と高麗手指鍼を実践するようになったのは、私自身の治療体験がきっかけです。
 私は10代でエステティシャンとなり、日々お客さまの心身のケアに努めていました。エステティシャンという仕事は、一見華やかな仕事のように思われがちですが、実は大変な肉体労働です。長年、施術に携わっているうちに、私は、ひどい腰痛に悩まされるようになりました。そこへ過労によるストレスも加わり、30代にして、ほぼ寝たきりの状態に陥ってしまったのです。

 多くの病院や整体に通ったものの、症状はまったく改善しませんでした。しかし、鍼灸の治療を受けたところ、みるみる腰痛がよくなったのです。

 これを機に私は東洋医学に関心を持ち、鍼灸治療を勉強。その後、美容に特化した鍼灸治療を行うサロンをオープンし、現在に至っています。
 この鍼灸治療の勉強中に出合ったのが、高麗手指鍼でした。

高麗手指鍼は、韓国の伝統医療を基に、1970年代に理論がまとめられた民間療法です。高麗手指鍼では、手のひらと指に全身の各部位を反映する反射区があると考えます。 

 手のひら側は体の前面、つまり、おなか側を反映しています。顔を反映する反射区は中指の腹に、内臓を反映する反射区は、中指下の手のひらを中心に心臓、胃、おへそ、子宮、生殖器とあり、そこから横に各臓器の反射区があります。

 手の甲側には、体の背面・背中側を反映する反射区があります。これらの反射区を温める、もむ、押すなどすることで、その部位の不調が改善します。

 もともと私の左目はひどい弱視で、眼鏡やコンタクトレンズを使っても視界はぼんやりとしか見えませんでした。

 しかし、あるセミナーで高麗手指鍼の先生と知り合い、左目に対応する中指の腹に鍼を打ってもらったところ、その場で視界がクリアになったのです。

 数日後、私のサロンに、目を開けるのも辛そうなほど大きなものもらいのできたお客さまがお見えになりました。先日の実体験が記憶に残っていた私は、試しに、そのお客さまの中指の腹にお灸をすえてみました。すると、期待どおりにその場でものもらいがしぼみ、赤みが引いていったのです。

 このときの経験が基になり、私は今でも患者さんに施術をするさいは、てい鍼(刺さない鍼)とお灸を使っています。

ヘアピン、つまようじがあれば自宅でもできる

 サロンにいらっしゃるかたは美容や健康面でさまざまな悩みをお持ちです。そこで自宅でも簡単にできて、即効性がある施術として、高麗手指鍼をベースとした「手もみ美容療法」をお勧めしています。

 体に不調のある人は、手のひらや指にある不調箇所の反射区を指でもんだり、押したりしてみてください。強い痛みやゴリゴリ、ゴツゴツといったしこりのようなものを感じるなど、なんらかの反応があるはずです。
 こうした反応のある箇所を中心にもんだり、押したりすれば、反映された体の部位の不調の多くは改善していきます。

 各反射区をピンポイントで刺激したい場合、てい鍼の代わりに、ヘアピンやつまようじ(先端が尖っていない側)、ボールペンのお尻など、棒状のものを利用するといいでしょう。

 東洋医学では、病気の多くは血液が汚れて滞ることが原因と考えられています。血液の汚れや滞りは内臓の働きも低下させます。実は、顔のむくみやたるみ、シミ、そばかす、下腹部のぽっこり感、抜け毛といった悩みの多くは、加齢の影響だけでなく、内臓の働きの低下も関係しているのです。

 例えば、東洋医学では腎臓の働きが低下すると、目の下にクマが生じたり、シミやそばかすができたりするといわれています。また、女性は男性よりも筋肉が少なく、子宮や卵巣など腹部に臓器が多いため、もともと下腹部がポッコリと出やすくなっています。それに加えて胃の働きが低下すると、胃が下がったり胃腸にガスがたまったりして下腹部のポッコリ感が増すのです。

ヘアピンやつまようじなどの先端が尖っていない部分で押す

手のひらの血流をよくすると内臓の働きも向上

 手や指を押したり、もんだりしたときに強い痛みやゴリゴリとしたしこりなどの反応を感じるときは、その位置が反映する体の各部位で血液が滞っていると思われます。この反応をつぶすようなつもりで約30秒から1分ほど強めにもんだり、押したりすれば、各部位の血液の流れがよくなり、内臓の働きも向上するはずです。

 現代医学でも、手には1万7000本もの神経が通っているといわれています。これは、体のほかの部位と比べてもはるかに多い数です。手の反射区を押しもみすれば、その刺激が神経を通って脳へと伝わり、さらに、脳から体の各部位へ伝わって不調が改善するのです。

 ピアノの奏者など、ふだん手指を多く動かす人は、心身の若々しい人が多いように思います。彼らは手指を動かすことで、全身の反射区が自然と刺激されているのでしょう。

 手もみ療法は、いつでもどこでも、気づいたときに行えるのも魅力です。1日に何回行ってもかまいません。入浴時やテレビを見ながら、信号待ちの時間などに行うといったルールを決めてしまえば、習慣として身につけやすいはずです。

 ただし、発熱時、お酒を飲んだ後、ケガなどで出血をしているときは避けてください。
 45~55歳の更年期の女性は、女性ホルモンのバランスが乱れるため体調が変動しやすくなります。美容の面でも、それまでの状態を維持するのが大変なはずです。
 以前は睡眠時に回復できていたはずの疲労が残り、それが積み重なることによって、肌や髪、体形などが変わりやすくなるのです。

 こうした更年期から始まる美容の悩みにも、手もみ美容はお勧めです。手をもむことで血液の流れがよくなり、内臓の働きが向上すれば、女性ホルモンのバランスの乱れからくる不調も改善しやすくなるからです。

 更年期以降の女性もあきらめることはありません。食を含む生活習慣を変えて、まだまだきれいになれると思えば、心身は必ず若返ります。その手始めに、ぜひ手もみ美容をお試しください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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