【顎関節症の治療法】原因は"噛みしめ" 顎のマッサージで過緊張とストレスを解消

【顎関節症の治療法】原因は"噛みしめ" 顎のマッサージで過緊張とストレスを解消

「安静位」を取れずに起こる代表的な症状の一つが顎関節症です。顎関節症の人のあごを見ると、あごが黒ずんでいたり、首にシワが多かったりします。これは、噛みしめによる過度の緊張によって、あごの血行不良が生じた結果なのです。ごの緊張をほぐすセルフケアをご紹介します。【解説】小倉左羅(銀座漢方 天クリニック院長)


小倉左羅
銀座漢方 天クリニック院長。「気診の学校」校長。東京歯科大学卒業後、歯科医師となる。噛みしめが全身に悪影響を及ぼしていることに気づき、あごをゆるめる養生法「あごゆるマッサージ」を考案。著書に『首がきれいになる!顎ゆるマッサージ』(Jパブリッシング)など。

あごの緊張をほぐすことが健康への近道

私のクリニックには、さまざまな不調にお悩みの患者さんが訪れます。
訴える症状は、全身のコリや痛み、しびれ、耳鳴りやめまいなど、多岐に渡ります。

専門の病院に行ったにもかかわらず、原因不明と診断されたり、治療してもよくならなかったりしたかたも少なくありません。
皆さん、困り果てて私のクリニックに来るのです。

私は、原因不明の不調の多くは、歯の噛みしめが原因だと考えています。
皆さんは、「口を閉じる=上の歯と下の歯を当てる(噛みしめる)」と思ってはいないでしょうか。

しかし本来は、口を閉じたときに、上下の歯が2〜3mm離れている状態が正しいのです。
これを、歯科用語で「下顎安静位」といいます。
ところが近年、この安静位ができていないかたが非常に増え、皆さん、必要以上に歯を噛みしめています。

噛みしめといっても、歯ぎしりのようにすごい力で噛むわけではありません。
上の歯と下の歯とがわずかにふれているだけで、体は必要以上に緊張してしまうのです。

その緊張は口の中だけにとどまりません。
首や肩、そして全身へと及びます。
その結果、筋肉は一日中こわばってかたくなり、痛みやコリなどを引き起こすのです。

安静位を取れずに起こる、代表的な症状の一つが顎関節症です。
顎関節症の人のあごを見ると、あごが黒ずんでいたり、首にシワが多かったりします。

これは、噛みしめによる過度の緊張によって、あごの血行不良が生じた結果なのです。
よって、まずはあごの緊張をほぐすことが、健康への近道。

そのセルフケア法として、私が患者さんに指導しているのが、「あごゆるマッサージ」です。

全身を襲う原因不明の痛みも完治した

あごゆるマッサージを毎日続ければ、あごの緊張はしだいにほぐれていき、自然に安静位が取れるようになります。
すると、全身のこわばりもなくなり、血流が改善して、不調も解消するのです。

あごゆるマッサージのやり方は、とても簡単なので、誰でも無理なく続けることができるでしょう。

まず、親指と人差し指の側面(第2関節辺り)であごの中央をはさみ、30秒もみほぐします。
片手でも両手でもかまいません。

次に、あごの中心から外に向かって、顎関節のところまで両手でマッサージします。
これも30秒行います。
あごの骨をもみほぐすつもりで、少し痛いくらいの強さがいいでしょう。

あごゆるマッサージは、少なくとも毎日1回は行ってください。
入浴中や就寝前など、リラックスしているときに行えば、より高い効果が期待できます。

それでは実際に、あごゆるマッサージによって、症状が改善した例をご紹介しましょう。


40代女性のAさんは、10年にわたり、ひどい頭痛に悩まされてきました。
毎朝、頭の痛みで目が覚め、頭痛薬が常に手放せない状態だったのです。
Aさんのあごも、黒ずんでいました。

そこで、あごゆるマッサージを毎日行ったところ、2〜3ヵ月後には10年来の頭痛が解消したのです。
また、首や肩の緊張が取れ、首のコリも改善しました。


40代の男性Bさんは、全身を襲う原因不明の痛みに悩まされ、来院されました。
整形外科や鍼灸院に行ったものの、症状は改善しなかったそうです。

Bさんは一日中強く噛みしめていたので、全身の筋肉の過緊張により、痛みが生じていると考えられました。
そこで、あごゆるマッサージを毎日行ってもらったところ、半年で症状が完治したのです。

あごゆるマッサージの効果は、このような不調の改善だけではありません。
高い美容効果も期待できます。
あごのラインがスッキリと細くなり、黒ずみやシワも消えていきます。

80代の女性Cさんは、あごゆるマッサージを続けていくうちに首のシワが減り、皮膚がつややかになったと喜んでいました。


私自身、今年で54歳になりますが、毎日あごゆるマッサージを行っているおかげで、首にシワやシミは一つもありません。
皆さんもぜひ一度、お試しください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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