【医師の体験談】自ら20kgやせ脂肪肝を克服 医師が勧める「長生きスープ」とは?

【医師の体験談】自ら20kgやせ脂肪肝を克服 医師が勧める「長生きスープ」とは?

近年、注目されているのが、お酒をそれほど飲まない人にも見られる、非アルコール性の脂肪肝です。脂肪肝から肝炎、ひいては肝硬変、肝がんにならないようにするためには、できるだけ早く食生活を見直し、肥満を改善することが重要です。とはいえ、肥満の改善はなかなか簡単にはいきません。【解説】川西輝明(肝臓クリニック札幌院長)


生活習慣による脂肪肝が年々増えている

 肝臓の病気としてよくイメージされるのは、お酒の飲みすぎによるアルコール性脂肪肝や肝炎、またはA、B、C型などのウイルス性の肝炎から進行した、肝硬変や肝がんだと思います。しかし、ウイルス性肝炎はここ数年、新薬の開発が進んだおかげで、かなり治療ができるようになってきています。

 一方で近年、注目されているのが、お酒をそれほど飲まない人にも見られる、非アルコール性の脂肪肝炎です。
 脂肪肝とは、肝臓の細胞に脂肪の粒がたまった状態のこと。 世界3大珍味の一つに挙げられる「フォアグラ」は、カモやガチョウを人工的に太らせ、脂肪肝にさせて作った食材です。

 非アルコール性脂肪肝は、成人の約3割に見られ、推定1000万人といわれる患者数は、年々増加傾向にあります。
 糖尿病や高血圧、動脈硬化などと同じく、肥満(内臓脂肪)を下地とする生活習慣病だといってよいでしょう。
 これまで非アルコール性の脂肪肝は、アルコール性肝炎やウイルス性肝炎と比べて、肝硬変や肝臓がんのリスクが低いと考えられてきました。しかし、実際には非アルコール性脂肪肝のうち、約1~2割は非アルコール性脂肪肝炎を起こし、そのうちの約2割が、10年ほどで肝硬変や肝臓がんに進行することがわかってきたのです。 

 脂肪肝から肝炎、ひいては肝硬変、肝がんにならないようにするためには、できるだけ早く食生活を見直し、肥満を改善することが重要です。

我慢するダイエットは続けられない

 とはいえ、肥満の改善はなかなか簡単にはいきません。

 実は、私自身、ピーク時には128kgの体重がありました。身長も188cmと大柄で、長年、柔道とバレーボールをしていたため、もともとがっちりした体形でしたが、128kgはさすがに太りすぎです。

 たびたび不整脈(心房細動)が起こったり、尿酸値が高くて痛風発作に悩まされたりしていました。そして、患者さんには内緒にしていましたが、脂肪肝でもあったのです。

 脂肪肝の患者さんには栄養指導をしていましたが、自分自身が太っているのですから説得力がありません。患者さんにも「川西先生に言われたくないよ」と言われていました。

 そこで一念発起し、ダイエットに取り組みました。2013年7月から始め、4ヵ月で8kg、1年で12kg、現在は20kg減の107kg程度で安定しています。 行ったのは、野菜、魚、肉、卵、キノコや海藻、乳製品、飽和脂肪酸の油(肉の脂、バター、ココナッツ油など)、果物を中心に食べ、ご飯やパン、めん類を控えめにするという、崎谷博征先生の「原始人食ダイエット」を参考にした方法です。

 そうした食生活を実践する中で、野菜をたっぷり食べる方法として、髙橋弘先生の「ハーバード大学式長生きスープ」がとてもいいと思いました。これも取り入れ、患者さんにも勧めています。

 私自身は週に1~2回、基本のスープに肉やコンソメを加えて、ポトフのようにして食べることが多いです。
 野菜400g、水1Lで作ったスープを、だいたい娘と2人で1回で食べきってしまいますから、毎日少しずつ食べるというよりも、野菜をたっぷり食べるおかずの一つとして、長生きスープを活用している感じです。
 
 自分自身でダイエットを行い、強く実感したのは、「我慢は無理」ということです。
 私が最初に試したのは、肉断ちでしたが、好物を我慢するストレスでみごとに性格が狂暴化するのを自覚しました。家族の食卓に肉料理が出ようものなら、「なぜ肉なんか出すんだ!」と妻に怒鳴る始末で、これはダメだとあきらめました。
「○○を食べてはいけない」と思えば思うほど、食べたくなります。ですから、「ご飯を控えめにする」と覚えるのではなく、「野菜や魚、肉を食べるといい」と覚えてください。
 たっぷり食べていい、カロリー計算などしなくていいと思うと、自然に食べる量が減ってきて、やせてきます。

 やせてくると、体重計に乗るのが楽しみになり、変化を記録したくなってきます。運動もしてみたくなってきます。最初から体重を量らなきゃ、運動しなくちゃと思うと嫌になりますから、やせ始めて、その気になってから行うのがコツです。

 私も現在は、不整脈や痛風、脂肪肝もなくなり、体調がとてもよいです。肝がんを予防し、健康でイキイキとした人生を送るために、長生きスープはとても役立つと思います。

太っていた頃(写真右)と比べて、胸やおなか周りがすっきりし、
ほおからあごのラインもシャープになった現在の川西先生(写真左)

川西輝明
1992年、北海道大学医学部卒業。勤医協中央病院などを経て、1995年、全国初の肝臓専門病院、稲積公園病院設立に参加。2007年、札幌緑愛病院肝臓センター所長。 2017年5月に肝臓クリニック札幌を開院。医療講演も積極的に行っていて、「笑えてためになる」と好評を博している。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【肩こり・腰痛】原因不明の体調不良が改善!病院の調査で確認「指ヨガ」の効果

【肩こり・腰痛】原因不明の体調不良が改善!病院の調査で確認「指ヨガ」の効果

看護師として約10年、病院に勤務し、多くの患者さんと接する中で、私は西洋医学だけでできることには限界があるのではないかと感じていました。【解説】宮本よしか(龍村式指ヨガマスターインストラクター・看護師)


【野菜スープの効果】シミ(老人斑)が薄くなった!老眼もなく、白内障も進行しない

【野菜スープの効果】シミ(老人斑)が薄くなった!老眼もなく、白内障も進行しない

野菜スープをとり始めてしばらくたったころ、妻が私の顔をまじまじと見て、こう言いました。「あなた、シミが薄くなったわねえ」私は現在79歳で、10年ほど前から老人斑と呼ばれるシミが増えていました。ところが、野菜スープを飲むうちに、そのシミが非常に薄くなっていたのです。【解説】富永祐民(愛知県がんセンター名誉総長)


【ファイトケミカル】1日分のビタミンA・C・Eをまかなえる「野菜スープ」作り方と食べ方

【ファイトケミカル】1日分のビタミンA・C・Eをまかなえる「野菜スープ」作り方と食べ方

基本の野菜スープを全部食べれば、400gの野菜と、ビタミンやファイトケミカルをたっぷりとることができるのです。その健康効果は、計り知れません。【解説】髙橋弘(麻布医院院長・ハーバード大学医学部元准教授)


【ブロッコリーの栄養】茹ですぎに注意!便秘解消・シワ対策に効果のある食べ方・使い方

【ブロッコリーの栄養】茹ですぎに注意!便秘解消・シワ対策に効果のある食べ方・使い方

ブロッコリーは、野菜の中でも栄養が飛び抜けて豊富で、多くの健康効果や美容、ダイエットにも効果を期待できる、まさに「野菜の王様」です。体にいい成分の宝庫であるブロッコリーを、積極的に食生活に取り入れない理由はありません。【解説】木村至信(秋山眼科医院耳鼻咽喉科部長、木村至信BANDリーダー)


【がんを予防する野菜のとり方】ファイトケミカルは“加熱”が必須 抗がん剤の副作用減

【がんを予防する野菜のとり方】ファイトケミカルは“加熱”が必須 抗がん剤の副作用減

生の野菜をそのまま食べても、わずかしかファイトケミカルを吸収することができません。野菜を煮込むことで、ファイトケミカルがスープに抽出され、生食とは比較にならない強力な抗酸化パワーを得ることができます。【解説】前田浩(崇城大学栄誉教授・熊本大学名誉教授)


最新の投稿


【沖ヨガの効果】“足”への刺激は自分で「治る力」を高める 「足裏たたき」を医師が推奨

【沖ヨガの効果】“足”への刺激は自分で「治る力」を高める 「足裏たたき」を医師が推奨

人間は、よほどのことがない限り、自分で自分の体を治す力を持っています。足の刺激法などのほうが、薬よりはるかに上であって、まず試すべきものです。足を刺激することによって、その人が本来持っている、治る力を活性化させることができるからです。【解説】樋田和彦(ヒダ耳鼻咽喉科院長)


【沖ヨガの特徴とは】心身をケアするヨガ "足裏たたき" で心も体もリラックス

【沖ヨガの特徴とは】心身をケアするヨガ "足裏たたき" で心も体もリラックス

足裏たたきを続けていると、胃腸や肝臓や膵臓の不調、肺をはじめとした呼吸器の不調、心臓の不調、血管の問題、腎臓や泌尿器の不調、腰痛や首の痛み・こりなどが、次々によくなっていきます。同時に、肌もきれいになり、姿勢もよくなって若々しく生まれ変われるのです。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


不調の5大原因を取り除く【沖ヨガ】「足裏たたき」の効果 腰痛が改善、ストレスが解消した

不調の5大原因を取り除く【沖ヨガ】「足裏たたき」の効果 腰痛が改善、ストレスが解消した

病気になる前に、その原因を遠ざける。もし病気になったとしても、自然の回復を促す。それが足裏たたきのすぐれた効能です。やり方を身につければ、あなたにとって、必ず一生の宝になります。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【沖ヨガ】詰まりが取れて全身に血が巡る「足裏たたき」のやり方

【沖ヨガ】詰まりが取れて全身に血が巡る「足裏たたき」のやり方

刺激して痛みを感じる部位があれば、そこは体の巡りが悪く詰まっている証拠です。重点的にたたいたり、もんだりしてください。詰まりが取れて全身の血の巡りが一気によくなり、目も頭もスカッとします。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

生野菜は、胃の粘膜を荒らすため、胃が疲れているときにサラダを食べるのはよくありません。しかし、同じ野菜でも、発酵させた水キムチなら、胃に優しく作用するので安心です。【解説】丁宗鐵(日本薬科大学学長)