【医師解説】血糖値を安定させ糖尿病に有効 ポイントは「バターコーヒー」

【医師解説】血糖値を安定させ糖尿病に有効 ポイントは「バターコーヒー」

食習慣を変えることなく、薬で無理に血糖値を下げたところで、本当の意味で体がよくなっているといえるでしょうか?私はそうは思いません。そこで、カロリー制限のようなつらい思いをせずに食習慣を変えていく一助として、私が提案するのが「バターコーヒー」です。【解説】片山成二(かたやま脳外科内科クリニック院長)


片山成二
かたやま脳外科内科クリニック院長。1959年福岡市生まれ。
1984年国立大分医科大学(現大分大学医学部)卒業。小脳の生理学的研究により博士号取得。脳神経外科専門医。2003年、北九州市小倉南区にてクリニック開設。専門性を生かした診療を行うとともに、自らも実践する糖質制限やファスティング(絶食療法)を取り入れた治療を行っている。 

つらい思いをしないで食習慣を変える

 患者さんに、「ふだん、何を食べていますか?」とたずねると、「朝はパンで、昼はめん類、夜はごはんです」と答えるかたが少なくありません。

 ごはんやパン、うどんやパスタなどのめん類は、炭水化物(糖質)です。
 お茶わん一杯のごはんの糖質量は約55gで、これはなんと角砂糖14個分に相当します!

 糖質を食べると、血糖値が急上昇します。すると、血糖値を下げるために、膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
 インスリンの過剰分泌をくり返すと、徐々にインスリンの効き方が悪くなり(インスリン抵抗性)、最終的には、膵臓からの分泌が悪くなり、空腹時でも血糖が高くなります。
 この状態が2型糖尿病です。

 現在、2型糖尿病の標準的な治療では、薬や注射を用いて、すでに分泌過剰のインスリンをさらに増やして、無理やり血糖値を下げることが行われています。
 インスリンは、別名「肥満ホルモン」とも呼ばれており、体に脂肪をため込むように働きます。そのため、糖尿病の薬によっては、むしろ体重が増える場合があります。
 残念ながら、このような薬物治療は、糖尿病の根本的な解決にはなりません。

 これまでの食習慣が体に合わなかったからこそ、糖尿病になっているのです。
 食習慣を変えることなく、薬で無理に血糖値を下げたところで、本当の意味で体がよくなっているといえるでしょうか?

  私はそうは思いません。
 そこで、カロリー制限のようなつらい思いをせずに食習慣を変えていく一助として、私が提案するのが「バターコーヒー」です。

脂質は体に悪くない!むしろとるべき!

「バターコーヒー」と聞くと、体に悪そうな飲み物だと思うかたもいるかもしれません。
 これは、私たちが、過去半世紀の間、「脂肪をとると、コレステロールが増えて動脈硬化に結びつく」という、科学的根拠に乏しい仮説を信じてきたからだと思います。

 実際は、バターなどの動物性脂肪をとっても、コレステロールが増えたり、動脈硬化の原因になったり、食べた脂質が直接脂肪になって体にたまったりすることはありません。

 脂質は、三大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質)の中で、もっとも重要な栄養素なのです。
 一方、コーヒー自体の健康効果を調査した研究も数多くあります。
 ドイツやフィンランドの疫学的研究では、1日7杯以上、コーヒーを飲むグループは、1日2杯以下のグループと比較して、糖尿病の発症率が50%以下だったという結果が報告されています。

 これらのことからも、糖尿病の人がバターコーヒーを飲む意義はあると思われます。

糖質を減らすことが血糖値安定の鍵!

 バターコーヒーの作り方は、上図を参考にしてください。飲み方ですが、基本的に、朝食の代わりとして、バターコーヒーを一杯飲むだけにします。

 最初の1~2週間は、空腹を感じると思いますが、徐々に空腹感は和らぎます。
 どうしても空腹を感じるときは、チーズなど糖質を含まない物を少量食べましょう。

 バターコーヒーには糖質が含まれないため、インスリンがほとんど分泌されません。しかも脂質をとることで、空腹感が抑えられます。

 昼食や夕食も、なるべく糖質を避けるようにしましょう。

 糖質の摂取が減って、エネルギーとして使えるブドウ糖が少なくなると、体は食事からの脂質や蓄えた脂肪を分解して、ケトン体という物質を作ります。このケトン体がエネルギー源として使われ始めます。つまり、体が脂肪を燃焼してエネルギー源にするのを促進することにつながります。
 すると、糖尿病だけでなく、がんや認知症、パーキンソン病など、さまざまな病気に有効と考えられています。

 コーヒーが嫌いな人は、コンブ茶にバターを入れてもいいでしょう。バターが嫌いなら、脂肪分が豊富な生クリームでもかまいません。ご自分のお好きなやり方でぜひお試しください。

 ただし、すでに血糖値を下げる薬を処方されている人や1型糖尿病の人は、低血糖の怖れがありますので、必ず主治医に相談してから行ってください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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