【管理栄養士】美容健康の有効成分たっぷり「人参」 食べるときの注意点とは?

【管理栄養士】美容健康の有効成分たっぷり「人参」 食べるときの注意点とは?

ニンジンのβカロテンには、強力な抗酸化作用があります。老化と病気の原因物質である活性酸素によって体がサビつくのを、防いでくれるのです。また、βカロテンは、体内でビタミンAに変化します。ビタミンAは、粘膜や皮膚の新陳代謝に欠かせない栄養素です。【解説】足立香代子(臨床栄養実践協会理事長・管理栄養士)


今年69歳にして肌に目立つシミはない!

ニンジンには、多くの有効成分が含まれています。
なかでも注目なのは、色素成分の一つである、βカロテンです。

ニンジンのβカロテンには、強力な抗酸化作用があります。
老化と病気の原因物質である活性酸素によって体がサビつくのを、防いでくれるのです。

また、βカロテンは、体内でビタミンAに変化します。
ビタミンAは、粘膜や皮膚の新陳代謝に欠かせない栄養素です。

私自身、ニンジンを積極的に食事に取り入れることで、肌のシミを消した経験があります。
40年以上も前になりますが、顔に濃いシミができ、悩みの種でした。

皮膚科で処方してもらったビタミンC製剤を服用しても、効果なし。
そんな折に、職場の医師から「肌にいいらしい」と勧められたのが、βカロテンでした。

βカロテンといえば、ニンジンです。
そこで、意識してニンジンを多くとるようにしたのです。

すると、早くも3ヵ月ほどでシミが薄くなり、1年後には、あんなに目立っていたシミが消失しました。
βカロテンを勧めた医師は、私の症例を学会で発表。

それほど劇的なシミ消し効果だったのです。
それ以降、ニンジンはもちろん、色の濃い野菜を多くとるよう心がけています。

私は今年、69歳になりますが、今なお目立つシミもなく、この年齢にしては肌のハリを保っています。
私は仕事柄、栄養に気を配った食事が習慣となっていますが、一般のかたは、なかなかそうもいかないでしょう。

現代人は忙しく、外食に頼りがちで、食生活が乱れています。
そこでお勧めなのが、ニンジンを酢に漬けた常備菜、「酢ニンジン」です。

最初からせん切りにしてあるので、いつでも手軽に調理に加えて、ニンジンをとることができます。
また、酢のおかげで保存がきくので、作りおきできるのも便利。

ニンジンといっしょに酢の栄養をとれるのも、利点です。

香辛料や薬味と好相性!食欲増進につながる

栄養学的にいうと、ニンジンを食べる際には、二つの注意点があります。
一つめは、アスコルビナーゼというビタミンC破壊酵素の存在です。

ニンジンに含まれるこの酵素は、ほかの食材のビタミンCを壊してしまいます。
しかし、この酵素は熱や酸に弱いので、加熱するか、酢やレモン汁などを加えることで、問題は解決できます。

こうした面から見ても、酢ニンジンは優れた食べ方です。
二つめは、ビタミンAが脂溶性であるということ。

つまり、油といっしょにとることで、ビタミンAの体内での吸収率が、ぐんとアップするのです。
そこで今回、酢ニンジンと3種の油を組み合わせた料理を提案しました。

→酢人参「オリーブオイル」レシピ
→酢人参「ごま油」レシピ
→酢人参「えごま油」レシピ

別記事のレシピを参照してください。
各レシピで使った油は、オリーブオイル、ゴマ油、エゴマ油の3種類。分子構造の違いから、それぞれ、オメガ9系、オメガ6系、オメガ3系と分類され、性質も異なります。

油を組み合わせる、というだけでも健康度がアップする酢ニンジンですが、レシピを考案するに当たり、工夫したポイントがいくつかあります。
まず第1に、それぞれの油の特長を生かすこと。

例えば、オメガ3系は酸化しやすいので、エゴマ油は加熱せずに使うのが正解。
ドレッシングとして使用するか、食べる直前に料理に回しかけることで、栄養価を損なわずに摂取できます。

第2に、酢ニンジンに加えて、野菜をたっぷりと食べられるメニューにすること。
厚生労働省は、野菜の摂取目標量を1日に350gとしていますが、私はそれでも足りないと考えています。

ふだんから野菜を多くとるよう意識し、さらに、酢ニンジンもプラスする。
それくらいでやっと、ちょうどいいバランスになると思います。

第3に、抗酸化作用の高い三つのビタミン、A・C・Eがとれるように配慮したこと。
ビタミンAは酢ニンジンに含まれているのでOK。

ビタミンCの含有量が高いのは、シュンギクやキウイ、ゴーヤ、かんきつ類など。
Eはそもそも植物油に多く含まれるうえ、アボカドやパプリカにも豊富です。

これらの食材を組み合わせれば、酢ニンジン単独よりも抗酸化力がパワーアップするというわけです。
第4に、高齢者に不足しがちなたんぱく質を重視したこと。

筋肉量の維持にたんぱく質は重要ですが、高齢になると、肉や魚が脂っこく感じられ、摂取量が減る傾向にあります。
しかし、酢ニンジンをプラスすると酸味が加わり、肉や魚料理も、あっさり、さっぱりとして食べやすくなります。

酢ニンジンは香辛料や薬味とも相性がよく、これらを活用すれば、食欲の増進にもつながります。
手軽にできる酢ニンジンは、乱れた食生活を健康的に改善する第一歩として、最適な常備菜といえるでしょう。

→基本の「酢ニンジン」の作り方

足立香代子
一般社団法人臨床栄養実践協会理事長。医療法人病院を経て、1985年からせんぽ東京高輪病院( 現・東京高輪病院) に勤務。2013年に名誉栄養管理室長となり、14年、臨床栄養実践協会を発足。豊富な臨床経験により病院食を改善。管理栄養士界の立役者として知られる。著書に『油はすごい。』(毎日新聞出版)がある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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