【動脈硬化のサイン】耳たぶに "しわ" がある人は心筋梗塞・脳梗塞に注意(写真あり)

【動脈硬化のサイン】耳たぶに "しわ" がある人は心筋梗塞・脳梗塞に注意(写真あり)

鏡で、耳たぶを見てみてください。耳たぶには、体の貴重な健康情報が隠されています。その情報を示すのは、耳たぶの大きさや形ではなく「耳たぶのシワ」です。チェックして、シワがあったら要注意。それは「動脈硬化」の進行を示す兆候(フランク兆候)と考えられるからです。【解説】重松宏(山王メディカルセンター・血管外科統括部長)


重松宏
山王メディカルセンター血管外科統括部長。都庁前血管外科・循環器内科理事長。日本血管外科学会理事長。国際医療福祉大学教授。血管疾患に対する外科的治療のエキスパートで、経皮的血管形成術や大動脈瘤に対するステントグラフト治療、静脈瘤に対するレーザー治療など低侵襲的血管内治療の先駆者でもある。「未病に勝る治療はない」と考え、心・血管検診の重要性を啓発している。

鏡を見るときは耳たぶをチェック

 朝や夜の洗顔のときなどに、誰でも鏡を見るでしょう。そのとき、「耳たぶ」まで見る人は少ないと思います。

 しかし、ご自分の健康を大切に思うなら、ぜひ耳たぶも見てください。耳たぶには、体の貴重な健康情報が隠されているからです。

 その情報を示すのは、耳たぶの大きさや形ではなく「耳たぶのシワ」です。
 試しに、あなたの耳たぶを鏡で見てみましょう。チェックして、シワがあったら要注意。それは、「動脈硬化」の進行を示す兆候と考えられるからです。

 
 これについては、実は、医学論文があります。1973年に、米国の呼吸器内科医、フランク・STが、耳たぶのシワと「冠動脈疾患」の相関性が深いことを報告しているのです。

 冠動脈疾患とは、動脈硬化によって起こる心筋梗塞や狭心症などの心臓病のことです。つまり、「耳たぶのシワは、動脈硬化による心臓病のリスクを示す兆候」だと、この論文は述べているのです。
 耳たぶのシワは、この提唱者の名前から、医学会では「フランク兆候(Frank sign)」と呼ばれています。

心不全で死亡したローマ皇帝像の耳にもシワが!

【写真】顔のシミやシワが多い人も要注意

 ちなみに、これに関する面白い話題もあります。古代ローマの皇帝、ハドリアヌスの像は、耳たぶにシワが刻まれているのです。
 ハドリアヌスは、近年のヒット映画『テルマエロマエ』に登場した皇帝として記憶している人も多いかもしれません。

 その死因は、うっ血性心不全です。冠動脈疾患が進むと、最後はうっ血性心不全を起こすことが多いのです。その皇帝像の耳たぶにシワがあるとは、非常に興味深いと思いませんか?
 フランク医師やその後の研究では、耳たぶのシワと冠動脈疾患の関係を中心に調べていますが、そのベースには動脈硬化があります。

 また、冠動脈疾患と、動脈硬化によるそのほかの病気、例えば脳血管障害(脳卒中)や、足の動脈硬化によってスムーズに歩けなくなる下肢閉塞性動脈硬化症などは、併発しやすいことが知られています。

 したがって、耳たぶのシワは、動脈硬化全体のリスクを示すと考えられます。
 耳たぶのシワがあれば、必ず動脈硬化が進んでいるとまではいえませんが、体に注意するための一つの警鐘として役立てるとよいでしょう。

動脈硬化は全身症状として起こる

【対策】動脈硬化の予防法「かかとの上下体操」

 動脈硬化が進むと、血流が悪くなりますが、なかでも早期には、微小循環と呼ばれる毛細血管の流れが悪くなります。

 もともと耳たぶは、指がヤケドしかけたときにパッと耳たぶをつまむことからもわかるように、微小循環が悪くなりやすい(冷えやすい)ところと考えられます。そのために、動脈硬化の兆候がいち早く現れやすいとも考えられます。
 さて、耳たぶのシワをきっかけに、ご自分の動脈硬化の進み方が気になったら、表の項目もチェックしてください。

 これらも、動脈硬化によって血流障害が起こった場合に見られる現象です。耳たぶのシワとともに、多くの項目が見られるほど、動脈硬化の進行を疑う必要があるでしょう。

 動脈硬化の危険性を調べる医学的な検査もあります。
 それは、足の動脈が狭くなったり、詰まったりしていないかを調べるABI検査(足関節上腕血圧比検査)です。

 上腕と足首の最大血圧を測り、後者を前者で割った比を出す検査法で、正常範囲は1・0〜1・4です。
 1・0を切ると足の血流障害(動脈硬化)が、0・9を切ると明らかな下肢閉塞性動脈硬化症が疑われます。

 動脈硬化は全身に起こるので、足の血管が狭くなったり、詰まったりしているということは、動脈硬化による心臓病や脳卒中の危険性も高まっていると考えられます。
 ABI検査は、健康保険が適用されており、1500円ほどで受けられます。

 これらのチェックや検査で、動脈硬化の進行が疑われたら、受診して詳しい検査を受けるとともに、血圧や血糖値のコントロール、喫煙者は禁煙、肥満者は減量などに努めることも、とても大切です。

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※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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