【首が痛い!】は頸椎症の入り口 対策は超簡単「首伸ばし」体操 医師が解説

【首が痛い!】は頸椎症の入り口 対策は超簡単「首伸ばし」体操 医師が解説

ほとんどの人が病気とは思っていないようですが、私は、首や肩のこりは、れっきとした病気と捉えています。というのも、首の骨の代表的な病気である頸椎症の入り口だからです。【解説】竹谷内康修(竹谷内医院院長)


重い頸椎症は、頸椎症性神経根症、頸椎症性脊髄症、頸椎椎間板ヘルニア

 肩や首のこりは、多くの人が悩まされている症状です。
 ほとんどの人が病気とは思っていないようですが、私は首や肩のこりは、れっきとした病気と捉えています。というのも、首の骨の代表的な病気である頸椎症の入り口だからです。

 頸椎症とは、狭い意味では、加齢に伴う首の骨(頸椎)の変化(退行変性)から起こる病気をいいます。広い意味では、首の骨とその周囲の異常全般を指すこともあります。

 頸椎症にはさまざまな段階がありますが、進行すると、首の痛みに加えて腕のしびれが起こる「頸椎症性神経根症」や、手がうまく動かせなくなったり、正常に歩けなくなったりする「頸椎症性脊髄症」、タイプによってこれらと同じ症状が出る「頸椎椎間板ヘルニア」などが起きてきます。
 こうした重い頸椎症も、始まりは首や肩のこりです。つまり、首や肩のこりを放置しておくと、やがては重い頸椎症になる危険性が高いのです。

 重い頸椎症になると、医学的な治療が必要になってきます。しかし、そこに至る前の首や肩こり、あるいは首の軽い痛みや腕の軽いしびれを感じ始めたくらいの段階であれば、セルフケアでも改善が可能です。

 そこで、今回ご紹介するのが、「首らく伸ばし」です。
 首らく伸ばしとは、詰まりやすい首の骨と骨の間を、無理なく広げる体操のことです。

頸椎症の進行を防ぎ、症状を改善するセルフケア

 背中や腰の骨も同じですが、首の骨は、短い椎骨という骨がつながってできています。首の場合は、それを頸椎と呼びます。頸椎同士の間は、健全なときは適度な隙間があります。

 ところが、悪い姿勢や生活習慣で、首に大きい重力が長くかかると、骨同士の間にあるクッション役の椎間板がすり減り、骨の間が詰まってきます。すると、神経が圧迫されて、頸椎症が悪化するのです。
 この過程では、寝違えも起こりやすくなります。寝違えというのは、首への負担が続いたときに起こるもので、頸椎症の一種なのです。

 そこで、詰まった骨の間をリセットし、頸椎症の進行を止めたり、改善したりするのに有効なのが、私の考案した「首らく伸ばし」です。

 私は、整形外科医であるとともに、アメリカでカイロプラクティックを専門的に学び、治療にも有効に使用しています。
 当院で施術を受けて、首の痛みが和らいだり、取れたりした患者さんも、もとの日常生活に戻って何も対策をしなければ、たいていは再び悪化します。それを防ぐために、家庭でのセルフケアを私はお勧めしています。中でも簡単で効果的なのが、首らく伸ばしなのです。
 当院の患者さんは、治療と併行して行っていますが、首こり・肩こりや軽い頸椎症対策としてなら、首らく伸ばしを行うだけでも大きな効果があります。

 首らく伸ばしは、頭頂部をできるだけ真下に向け、自分の頭の重さを利用して首の骨を伸ばすのがコツです。無理のない程度に、後頭部をゆっくり押して、さらに首の骨の間を広げましょう。

 立って頭を真下に向けると、頭がクラクラする人や、フラフラする人は、イスを使うやり方を行いましょう。また、高血圧の人や脳血管障害などのある人は、主治医に相談の上で行ってください。

頸椎症を予防、改善する「首伸ばし」のやり方

寝違えのような首の痛み、痛みやしびれが改善

 首らく伸ばしを習慣づけて行っていると、首こりや肩こり、首の痛み、腕のしびれなどがらくになってきます。

 首らく伸ばしを取り入れて、頸椎症が改善できた人は大勢います。Kさん(40歳・男性)もその一人です。

 Kさんの場合は、初めは寝違えのような首の痛みが起こり、2週間後に、右の肩から腕、親指にかけて、痛みとしびれが出始めました。物を握る力が弱くなり、体を横たえて寝ることができなくなりました。横になると首と腕の痛みが増すので、ソファなどで座って寝るしかなくなったのです。それで困って、当院を受診しました。

 仕事でパソコンを長時間使うKさんは、ネコ背になっていました。首周りの筋肉の緊張が強かったので、家では首らく伸ばしを行うよう勧めました。
 すると、3日の間に2回治療したところで、横になって寝られるようになりました。その後、どんどん痛みとしびれが軽減して、握力もよみがえってきました。
 今でも、首らく伸ばしを行いながら治療を続けていますが、「とてもらくになった」と喜んでいます。

 首や肩のこりが気になるとき、首の痛みや腕のしびれが起き始めたときには、ぜひ早めに、首らく伸ばしをやってみるとよいでしょう。
 詳しくは、拙著『「首の痛み」は自分で治せる』をご覧ください。

 竹谷内医院院長。整形外科医。カイロプラクター。東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科に入局。2003年、米国ナショナル健康科学大学に留学。06年、同大学を主席で卒業。著書に『「首の痛み」は自分で治せる』(マキノ出版)など多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【タオル枕】ストレートネックは自分で治せる 首こり、めまいの症状は改善する

【タオル枕】ストレートネックは自分で治せる 首こり、めまいの症状は改善する

腰が痛い!首が痛い!そう訴える患者さんを見ると、首のS字曲線がなくなるストレートネックだったというケースが増加中です。頭の重みを背骨で支えられず、体が前傾。体を安定させようと、腰椎に負荷がかかり腰痛が起こるケースが多いのです。対策はストレートネックを改善する「枕」です。【解説】田中宏(天竺整骨院院長)


【ストレートネックの治し方】治らないと嘆く前に タオル枕で対策 作り方と使い方

【ストレートネックの治し方】治らないと嘆く前に タオル枕で対策 作り方と使い方

現代人に多い体のゆがみが、首のカーブが失われる「ストレートネック」です。このストレートネックが原因で、腰痛が起こってしまうのです。無理なく矯正し、背骨のS字カーブを取り戻し、腰痛を改善する方法が、タオルで簡単に作れる「首枕」です。その作り方と使い方をご紹介しましょう。【解説】田中宏(天竺整骨院院長)


【体験談】腰の痛みは「ストレートネック」が原因 片頭痛、椎間板ヘルニアが改善

【体験談】腰の痛みは「ストレートネック」が原因 片頭痛、椎間板ヘルニアが改善

妊娠中に足腰の症状に悩み、産後2ヵ月で整形外科に行くと、椎間板ヘルニアと診断されました。症状を根本から改善したいと思い、田中宏先生の整骨院に行きました。そこでストレートネックになっていると言われたのです。【体験談】島田紗江(仮名・会社員・46歳)


首のこりをほぐして耳鳴り、めまい、難聴を改善する「あごの円回し」

首のこりをほぐして耳鳴り、めまい、難聴を改善する「あごの円回し」

耳の症状に見舞われた場合、内耳に問題があると考え耳鼻科に通う人がほとんどでしょう。しかしいくら薬を飲んでも、治療を受け続けても、よくならないケースは珍しくありません。それもそのはず。そうしたケースに悩んでいる人は、根本的な原因が、首に潜んでいる可能性が高いといえます。【解説】劉 莉亜(劉先生鍼灸院院長・医学博士)


【逆流性食道炎】に効果的な対策は「口を10秒だけ」開けること 耳鳴りにも効果

【逆流性食道炎】に効果的な対策は「口を10秒だけ」開けること 耳鳴りにも効果

逆流性食道炎、頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧──。こうした症状に悩む患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。【解説】吉野敏明(誠敬会クリニック銀座院長)


最新の投稿


【糖尿病予防の極意】「糖質制限」を医師が解説! ― ケトン体とは何か?数値が高いと危険?

【糖尿病予防の極意】「糖質制限」を医師が解説! ― ケトン体とは何か?数値が高いと危険?

これまで糖質制限の危険な面として糖質制限をした際に「ケトン体」が上昇する点が挙げられてきました。ケトン体が増えてケトアシドーシスになると、嘔吐、疲労感、脱力感など、さらに悪化すると死に至るとされてきました。しかし、それは誤解であり、数値を気にする必要はないのです。【解説】宗田哲男(宗田マタニティクリニック院長)


【やり方】注射もリハビリも効かないひざ痛が改善!5カ所の「筋肉はがし」

【やり方】注射もリハビリも効かないひざ痛が改善!5カ所の「筋肉はがし」

ひざ痛を解決するには、炎症を抑えるのではなく、かたくなった筋肉をほぐし、軟骨にかかる圧力を軽減することが重要になります。この理論に納得した私は、すぐに天城流の「筋肉はがし」を治療に取り入れました。すると、患者さんのひざ痛がどんどん改善していったのです。【解説】平野薫(ひらの整形外科クリニック院長)


【医師解説】ストレスの原因はパンツ!?下着を脱いで眠ればよく眠れる、血圧が下がる!

【医師解説】ストレスの原因はパンツ!?下着を脱いで眠ればよく眠れる、血圧が下がる!

昼から夜へ移行するとき、交感神経から副交感神経へと自然にスイッチが切り替わります。しかし、その切り替えを妨げるものがあります。有力な原因の一つが、社会的なストレスです。そして、もう一つ。それが、「パンツストレス」です。【解説】丸山淳士(五輪橋産婦人科小児科病院名誉理事長・医学博士)


【股関節痛の改善】名鍼灸師が太鼓判「腰ひも療法」は骨盤が整い痛みが取れる理にかなった方法!

【股関節痛の改善】名鍼灸師が太鼓判「腰ひも療法」は骨盤が整い痛みが取れる理にかなった方法!

これまで私は30年以上にもわたり、5万人を超える人を施術してきました。そのなかで、特に多い悩みが、腰や股関節、ひざなどの慢性的な痛みです。そして、慢性痛を抱える多くのかたに共通しているのが、「骨盤が整っていない」ということです。【解説】福辻鋭記(アスカ鍼灸治療院院長)


【作り方&やり方】47歳の超美肌モデルが毎日実践する「米クリームパック」

【作り方&やり方】47歳の超美肌モデルが毎日実践する「米クリームパック」

47歳とはとても思えない、色白美肌の持ち主としても知られる、モデルの水谷雅子さん。そんな水谷さんの美の秘訣が、今回ご紹介する「米クリームパック」です。【解説】水谷雅子(美容研究家・主婦モデル)


ランキング


>>総合人気ランキング