【骨粗鬆症】原因は加齢・女性ホルモンの2タイプ 「あずきの煮汁」で折れにくい骨になる!

【骨粗鬆症】原因は加齢・女性ホルモンの2タイプ 「あずきの煮汁」で折れにくい骨になる!

加齢によって「骨芽細胞と破骨細胞」二つの細胞のバランスがくずれていきます。骨芽細胞の働きが低下すると骨の形成が滞り老人性骨粗鬆症になります。これは男女同比率で起こります。「女性は骨粗鬆症になりやすい」といわれるのは女性ホルモンに関係する骨粗鬆症があるからです。【解説者】伊藤智広(三重大学大学院生物資源学研究科准教授)


骨折を防ぎ健康寿命を延ばす食品として着目

超高齢化社会を迎えた、現代の日本。
日本人は長寿だと思われていますが、実は「平均寿命」と「健康寿命」との間には、かなりの時間差があります。

健康寿命とは、心身ともに自立し、介護が不要で、健康的に生活できる期間です。
つまり、健康寿命から平均寿命までの間は、「不健康な期間」ということになります。

2013年に厚生労働省が発表した「平均寿命と健康寿命の差」は、男性が9.02年、女性は12.40年です。
女性のほうが長生きですが、不健康に過ごす期間も長いということになります。

高齢女性の健康を妨げる大きな原因の一つが、転倒による骨折です。
女性は、ホルモンの関係で、高齢になると骨粗鬆症になる危険性が高まり、骨折するケースが増えます。

転倒→骨折→寝たきりで、寿命を迎えることになりやすいのです。
そこで私は、骨折を防ぐことで日本人女性の健康寿命を延ばすことが可能ではないか、と考えました。

着目したのが、あずきの煮汁です。
あずきを加工する過程で、大量に廃棄されるあずきの煮汁には、カテキンやアントシアニンなど、有効な成分がたくさん含まれています。

私の研究グループは、あずきの煮汁が骨粗鬆症に及ぼす効果について実験を行い、検証することにしました。
骨は、さまざまな衝撃を吸収するために、適度な「弾力」と「かたさ」を兼ね備える必要があります。

そのために、骨は1年から1年半を周期として生まれ変わります。
生まれ変わることで、その年齢に合った骨格形成としなやかな強さを維持しているのです。

新しく骨が形成される際に、大きな役割を果たしているのが、骨を作る「骨芽細胞」と、骨を壊す「破骨細胞」です。
この二つの細胞がバランスを保ちながら、毎日少しずつ骨を作り変えています。

ところが、加齢にしたがい、二つの細胞のバランスがくずれていきます。
骨芽細胞の働きが低下すると、骨の形成が滞り、老人性骨粗鬆症になります。

これは、男性も女性も、同比率で起こります。
「女性は骨粗鬆症になりやすい」といわれるのは、女性ホルモンに関係する骨粗鬆症があるからです。

閉経後、女性ホルモンの分泌が低下することで、破骨細胞の機能が異常に向上することがあります。
その結果、骨の形成が骨の破壊に追いつかなくなり、骨粗鬆症になるのです。

骨を作る成分が増え骨を壊す細胞が減少!

私たちは、両方のタイプの骨粗鬆症に対する、あずきの煮汁の作用を調べました。
実験には、マウスの細胞を用いました。

煮汁は、あずきポリフェノールの濃度を10~20倍に高めたものです。
まず、マウスの骨を作る骨芽細胞に、あずきの煮汁を少しずつ加えていきました。

すると、ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)という骨を作る成分が、多くなっていきました。
つまり、あずきの煮汁は、骨芽細胞の働きを活性化し、老人性の骨粗鬆症を予防する可能性を持つことがわかったのです。

では、閉経後の女性がなりやすい骨粗鬆症に対しては、どうだったでしょう。
骨を壊す破骨細胞は、小さな前駆細胞がもとになっています。

この前駆細胞が集まって融合して、巨核細胞になると、強い酸性物質を出して骨を溶かしていくという仕組みです。
閉経後、女性ホルモンが減少すると、前駆細胞が融合されやすくなるので、骨の破壊が進むのです。

それならば、前駆細胞の融合を阻止することで、骨粗鬆症が予防できると考えました。
実験では、マウスの破骨細胞に、あずきの煮汁を加えていきました。

すると、明らかに融合細胞の数が減っていったのです。
このことから、あずきの煮汁は、閉経後の女性がなりやすい骨粗鬆症の予防に対しても、効果を期待できることがわかりました。

このように、あずきの煮汁は、骨を健康に保つ一助になると考えられます。
高齢者のかたには、特に積極的にとっていただきたいものです。

一般のかたが飲む場合には、市販のあずき茶を利用するか、自宅であずきを煮た際の煮汁を飲むことになるでしょう。
あずきの煮汁は、そのままでは飲みにくいかもしれません。

コンソメやだしなどで味つけをしてスープとして飲んだり、好みのお茶と混ぜたりするといいでしょう。
赤飯も、あずきの煮汁で炊いてあるので、お勧めです。

もちろん、煮たあとのあずき自体にも、有効成分は残っています。
健康寿命を延ばすために、あずきを食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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