【コレステロールが高い!】実は免疫力も高く感染症やガンに強いと判明

【コレステロールが高い!】実は免疫力も高く感染症やガンに強いと判明

そもそもコレステロールは、細胞膜を構成する主要成分です。コレステロールがへると、細胞の再生が阻害されたり、機能に重大な障害が発生したりして、免疫力が低下します。コレステロールは、私たちの体に必要不可欠なものなのです。【解説】浜崎智仁(富山大学名誉教授・医学博士)


浜崎 智仁
1947年、東京都生まれ。千葉大学医学部卒業。97年に富山医科薬科大学和漢薬研究所教授に就任。『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』

「悪玉」でさえ高いほうがいい!

コレステロールに対して悪い印象を持っている人が、いまだに多いようです。
「コレステロールが血管をつまらせ、脳卒中や心筋梗塞を起こす」という誤解が蔓延しているのは、非常に残念です。

医師でさえ、「コレステロールは低いほうがいい」という認識で、患者さんに薬を出す人が少なくありません。
皆さんのなかにも、コレステロール降下剤を飲んでいるかたがいるのではないでしょうか。

しかし、それは間違いです。

むしろ、年を取ったらコレステロールは高いほうが有利です。薬を飲んで下げる必要はありません。

理由を説明しましょう。

そもそもコレステロールは、細胞膜を構成する主要成分です。
コレステロールがへると、細胞の再生が阻害されたり、機能に重大な障害が発生したりして、免疫力が低下します。

コレステロールは、私たちの体に必要不可欠なものなのです。
特に、悪玉といわれるLDLコレステロールは、数値が高いほど、感染症にかかりにくいというデータがあります。

19世紀のオランダでは、感染症が死因の第1位でした。
そうした状況では、家族性高コレステロール血症(略称FH)の人のほうが長生きだったのです。

FHとは、遺伝的に若齢からコレステロール値が高くなる特異な体質を指します。
この人たちは、心筋梗塞を起こしやすく、心疾患死亡率はFHでない人の10〜50倍に上ります。

にもかかわらず長生きだったのですから、感染症に対する抵抗力が、いかに強いかわかるでしょう。

また、1987年から2006年に神奈川県伊勢原市で行った調査では、LDLコレステロールの高い人のほうが、肺炎での死亡率が明らかに少なく、総死亡率も低かったのです。

この二つのデータが示すのは、コレステロールが高いほうが、感染症に強いということです。
つまり、コレステロールが高いほうが病気になりにくい=免疫力が高いといえるでしょう。

なぜ、LDLコレステロールが高いと感染症を予防できるのでしょうか。
細菌やウイルスは、体内に入っただけでは、「悪さ」ができません。

細菌の場合、時間を経て毒素を出したり、破片になってから炎症を起こしたりします。
ウイルスも、宿主の細胞に入ってから、悪さをします。

血液中にLDLコレステロールが多ければ、細菌やウイルスが体内に入ってきたとたんに、取り囲むようにくっつきます。
毒素なども取り囲み、細胞に接しないようにするのです。

このしくみは、試験管レベルの研究で確認されています。
さらに、ネズミを使った実験でも「高コレステロールのほうが感染症に8倍も強い」という実験結果も出ています。

厚生労働省の発表している死因順位によると、65歳以上になると肺炎が上位に入ってきます。
高齢になると、感染症が命取りになるということです。

私が冒頭で、「年を取ったらコレステロールは高いほうが有利」といった理由は、ここにあります。

降下剤を飲んだ患者は死亡率が上がった!

また、肝炎での死亡率も、コレステロールの高いほうが低いという研究結果があります。
特にC型肝炎ウイルスは、LDLコレステロールと同じ受容体(細胞に付着するための鍵のような組織)を利用しています。

ウイルスの周りにコレステロールが多ければ、ウイルスが細胞に入りにくくなり、肝炎の発症が予防できるのです。
ご存じのように、C型肝炎は、肝硬変→肝臓ガンと進行することの多い病気です。

そう考えると、コレステロールを高く保ち、感染症から体を守ることは、ガン予防にもつながるといえるでしょう。
そのほか、子宮ガンはヒトパピローマウイルス(HPV)が原因と判明しています。
ピロリ菌が、胃ガンの原因になるともいわれています。

以前、外来で診察していたとき、隣りのリウマチ科の医師から「浜崎先生の診察室からは、いつも患者さんの元気な声が聞こえてきますねえ」といわれたものです。

当時の私は、コレステロール値が高い患者さんに、薬で数値を下げる治療をしていました。
コレステロール値の高い患者さんは、よく食べ、よく笑い、エネルギーがあふれています。

そんな患者さんの状態を見ず、数値だけを見て、薬を出していました。今となっては、実に情けないことです。

さらに、恐ろしい話ですが、コレステロールを下げる薬を飲むと、免疫力が低下するというデータもあります。

「コレステロール降下剤を飲むと炎症が治まり、死亡率が下がる」という薬学界の定説を強化するため、集中治療室に入院中の患者さんを対象に、実験が行われました。

ところが、結果は逆でした。薬を飲んだ患者さんから感染症が続出し、肝臓や腎臓の機能が低下することがわかったのです。
死亡率も上がったため、この実験は中止になりました。

LDLコレステロールは、俗に「悪玉」といわれますが、とんでもないことです。
高くても気にする必要はないし、薬で下げるのは全く意味がありません。
それどころか、感染症やガンを呼び込むことになります。

コレステロールの高い人は、「免疫力が高い」と自信を持ってください。
そのうえで、禁煙、適度な運動、肉や魚など良質のたんぱく質をとる、ストレスをためないなど、生活改善に努めましょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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