【やり方】転ぶ原因はあごのズレ?重心を整える「アウアウ体操」でひざ・腰の痛みも軽快

【やり方】転ぶ原因はあごのズレ?重心を整える「アウアウ体操」でひざ・腰の痛みも軽快

私はこれまで、1万6000人以上の患者さんのかみ合わせ(咬合)を治療してきました。そのなかからわかったことは、ほとんどの患者さんは、あごがズレているということです。【解説】丸山剛郎(大阪大学名誉教授・日本咬合臨床研究所所長・特定非営利活動法人日本咬合学会理事長)


ほとんどの患者さんはあごがズレている!

私は、61歳で登山を始め、71歳までに、日本の百名山をすべて踏破しました。
現在も75歳で元気に山登りをしています。

なぜ、私がこんなに元気かというと、ふだんからかみ合わせを調整し、あごがズレないように心がけているからです。
あごがズレると全身のバランスがくずれて、腰を痛めたり、転倒しやすくなったりします。

片足にスリッパ、もう片足にハイヒールをはいている状態を思い浮かべてください。
あごがズレているというのは、そんなアンバランスな状態です。
これでは、うまく歩いたり、走ったりすることができません。

そもそも人類の悲劇は、直立二足歩行をするようになったことです。
小さな二つの足に全体重をかけて立ち、片足ずつで歩いています。

これは、前にも後ろにも左右にも、倒れやすい不安定な姿勢です。
この不安定な姿勢のバランスを保つのに、重要な働きをしているのがあごです。

あごは、地上から遠い位置にあり、頭蓋骨にぶら下がり、全身のバランスを取る役目をしています。
これが、体の中心軸に対して正しくぶら下がっていれば問題ありません。

しかし、中心軸からズレていると、バランスをくずして問題が生じます。
まず、あごにつながっている頭蓋骨から背骨、骨盤まで、骨格がすべてズレます。

すると、骨格を支えている筋肉のバランスがくずれて、周辺の筋肉が緊張し、かたくなります。
それが、痛みやコリを引き起こします。

また、あごがズレると体の重心がズレて、本来持っている筋力を発揮できず、転倒しやすくなります。
こうしたことを防ぐには、ふだんからなるべくあごがズレないように、かみ合わせや日常生活に注意する必要があります。

私はこれまで、1万6000人以上の患者さんのかみ合わせ(咬合)を治療してきました。
そのなかからわかったことは、ほとんどの患者さんは、あごがズレているということです。

あごを正しい位置に戻す治療(MFA治療)を行うと、腰やひざの痛みが取れたり、転倒しにくくなったりします。
筋肉の硬直がほぐれ、体のバランスが整うからです。

そして、本来持っている筋力をじゅうぶんに発揮できるようになります。
しかし、あごのズレを正す治療をすぐに受けられないという人もいるでしょう。

そういう人に、ぜひ行ってほしいのが、「アウアウ体操」です。

あごを正しい位置にリセットする!

アウアウ体操は、よい姿勢で立って、「アウアウ」といいながらあごを上下に動かす、簡単な体操です(やり方は上の写真を参照)。

この体操を行うと、あごの周辺の筋肉が左右均等に動いて、あごが自然に正しい位置に戻ります。
それによって、かみ合わせ治療と同じような効果が、一時的に得られるのです。

この体操で大事なことは、正しい姿勢で行い、上下の歯をかみ合わせないことです。
上下の歯をカチカチさせると、ズレている歯の情報が脳に伝わり、ズレがよけいひどくなります。

正しい姿勢は、鏡の前に立って、自分で確認してください。
片方の肩が下がっていたり、首が傾いていたりしたら、それを直してから、アウアウ体操を行います。
目安は、1度に20回です。いすに腰かけて行う場合も、姿勢は正します。

私はアウアウ体操を、あごのズレのひどい人、姿勢の悪い人に勧めています。
アウアウ体操を行うと、疲れが取れると、患者さんからとても喜ばれます。
あごのズレが取れると、重心が定まって安定するので、体が楽になるのです。

また、腰やひざの痛みも軽くなります。腰やひざに痛みがあると、歩かなくなって転倒しやすくなります。
ですから、腰やひざに痛みのある人も、ぜひアウアウ体操を行ってください。

アウアウ体操は、朝起きてすぐに行うといいでしょう。
就寝中は、無意識のうちに歯をかみしめたり、横向きに寝たりしてあごがズレるからです。

あごがズレたまま体を動かすと、よけい体のバランスがくずれてしまいます。その状態は、転倒の危険性も高めます。
ですから、動きだす前にアウアウ体操をして、あごを正しい位置にリセットしてください。

また、食事をしたり、ほお杖をついたり、スマートフォンやパソコン作業で悪い姿勢を取ったりすると、あごは簡単にズレてしまいます。
そのため、食後や気がついた際にも、アウアウ体操を行うといいでしょう。

筋力が衰えることも、転倒につながります。
階段の上り下りや片足立ちなど、足腰を鍛える運動をすることも必要です。

そういう運動を始める前も、アウアウ体操を行っていると、運動効果が高まります。

なお、冒頭に私は登山の話をしましたが、山道を歩く際は、両手にストック(杖)を持ちます。
そのほうが、片杖より安定して、足腰の負担を軽減できるし、スムーズに歩けるからです。

この方法は、お年寄りのふだんの歩行時にも利用することをお勧めします。
体のバランスが保て、とても歩きやすくなるし、転倒防止にも役立ちます。

そして、何より、軽快に歩けるので、歩行が楽しくなります。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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