【高血圧を改善】動脈をほぐして血圧を下げる「手の血管マッサージ」被災地の健康管理にも貢献!

【高血圧を改善】動脈をほぐして血圧を下げる「手の血管マッサージ」被災地の健康管理にも貢献!

血管マッサージとは、皮膚の上から自分の手で動脈をもみほぐし、直接刺激することで血流を促す健康法です。私は毎日、起床時と就寝前に15分ほど、ベッドの中で頭のてっぺんから、手、つま先まで全身の血管マッサージを行い、心身の健康を維持しています。【解説】井上正康(大阪市立大学名誉教授・健康科学研究所所長)


東北の被災地でもボランティアが指導

 東日本大震災の3週間後、私は宮城大学へ赴き、同大の教授や学生らとともに、石巻市や南三陸町などの被災地を訪れました。

 東北の春はまだ遠く、助かった人々の中には、低体温症になる人や、寒さで血流が悪くなって持病が悪化したり体調を崩して亡くなられる高齢者が少なくありませんでした。
 また、狭い避難所や仮設住宅では不自由な生活を強いられ、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)や生活不活病(※1)の発症も大いに心配されました。

 そこで私は、自分が長年実践し、かねてから推奨している血管マッサージを、被災地の皆さんの健康管理に役立ててもらおうと考えました。
 血管マッサージとは、皮膚の上から自分の手で動脈をもみほぐし、直接刺激することで血流を促す健康法です。私は毎日、起床時と就寝前に15分ほど、ベッドの中で頭のてっぺんから、手、つま先まで全身の血管マッサージを行い、心身の健康を維持しています。
 血管マッサージは、冷え症の特効薬です。試したかたからは、冷え症や肩こりが楽になったという声を多数いただいています。
 私は、早速宮城大学の学生たちに血管マッサージ法を講義し、被災地へボランティアに出向く際には、マッサージのやり方をわかりやすく書いた紙を持って行き、被災者に直接伝えてもらうようにしました。

 血管マッサージを行うときのコツは、皮膚の表面をなでるのではなく、骨に皮膚を押しつけるようにして、痛気持ちいい強さで血管を上下左右にもみしごいていくことです。こうすることによって、静脈、動脈、リンパ管、自律神経(※2)が同時に刺激され、血流がグンとよくなるのです。

※1生活不活病 災害などをきっかけに、外出が減り座りっぱなしになるなど生活が不活発になって、全身の機能が低下する。
※2自律神経 自分の意志ではコントロールできない神経で、交感神経と副交感神経がある。体を緊張状態にするのが交感神経、リラックス状態にするのが副交感神経。

血圧が下がることを実験でも確認

 また、血管マッサージは高血圧の特効薬でもあります。
 ここに興味深い実験結果があります。2年ほど前、NHK番組に出演した際、血管マッサージによる高血圧の改善効果を調べたものです。
 実験では、被験者を2つのグループに分け、1つのグループには毎日15分間の血管マッサージを行ってもらい、もう1つのグループには15分間安静にしてもらいました。これを2週間続けてもらったところ、血管マッサージを行ったグループのみ、血圧が顕著に下がったのです。

 では、血管マッサージで血圧が下がるメカニズムを説明しましょう。
 血管の中でも健康維持に最もたいせつな部分は動脈です。その動脈の内側の壁では、常に一酸化窒素(NO)や活性酸素がつくられています。
 NOの主な働きは、血管の筋肉を柔らかくして広げ、血流をスムーズにすることや、血管内で血栓の発生を抑えることです。NOが増えると血圧が下がり、活性酸素が増えると高血圧になります。

 私は「活性酸素と病気の関係」をテーマに研究を行う中、硬くなった血管をほぐすことで、NOと活性酸素のバランスが整えられることを発見しました。両者のバランスが整うと、血圧が正常に保たれるというわけです。

手の血管マッサージは短時間でやれ効果も高い

 全身をマッサージするのは大変だというかたは、手と顔だけでも大きな効果が得られます。手や顔の動脈は、ほかの部位と比べて比較的浅いところを走っているため、マッサージの刺激が効果的に伝わるからです。

 手や顔は神経の分布密度が高く、マッサージすると脳や全身の血流も促進されます。試しに2〜3分、手の血管をもんでみてください。体がポカポカと温まってくるはずです。
 手をコントロールしている神経は、脳の3分の1を占めており、手や顔をマッサージすれば、たくさんの神経細胞が活性化されて脳の血流も増え、認知症予防にもなります。世界的に有名なピアニストや指揮者に長命な人が多いのは、仕事柄、毎日手や顔を動かすことで、無意識のうちに血管マッサージを行っているからといえるでしょう。
 1日数分でもかまいません。皆さんもぜひ血管マッサージを健康維持や老化防止にお役立てください。

全身の血流がよくなる「手の血管マッサージ」のやり方

指の血管ほぐし1
❶両手の指をつけ指で組み合せる
❷片方の手で指を締めつけながら、もう片方の指を抜いていく
❸両手とも行う

指の血管ほぐし2
❶指のつけ根を反対の手で持つ
❷指先を回転させながら、指先までしっかりしごいて引き抜く
❸両手とも行う

手の甲の血管ほぐし
❶片手を胸に当てる
❷手の甲の上に反対の手のひらを添える
❸手のひらを骨に押しつけるような感じでずらしながらゴシゴシと強くしごく
❹反対の手も同様に行う

いのうえ まさやす 1974年、岡山大学大学院修了、1992年に大阪市立大学医学部教授に就任、2011~2013年に宮城大学理事&副学長(震災復興担当)を務める。現在も被災地の復興支援活動に尽力。著書は『いつでもどこでも血管ほぐし健康法』(角川SSC)、『血管マッサージ健康法』(永岡書店)など多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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