こむら返りは【病気のサイン】脳梗塞や糖尿病の前兆かも マグネシウム食品で治せる

こむら返りは【病気のサイン】脳梗塞や糖尿病の前兆かも マグネシウム食品で治せる

こむら返りは、2〜3秒から数分間、ふくらはぎの筋肉が収縮して起こります。運動中に起こることもあれば、就寝中に起こることもあり、時に激烈な痛みを伴います。まず、どうしてこむら返りが起こるのでしょうか。その原因は、実は7〜8割以上はマグネシウム不足です。【解説】横田邦信(東京慈恵会医科大学教授)


根本の原因はマグネシウム不足!

 こむら返りは、2〜3秒から数分間、ふくらはぎの筋肉が収縮して起こります。運動中に起こることもあれば、就寝中に起こることもあり、時に激烈な痛みを伴います。
 筋肉を酷使するとけいれんしやすくなるのですが、特に運動したわけでもないのに、最近よくこむら返りを起こす人は、隠れた体内の異常が現れていると考え、注意しましょう。

 まず、どうしてこむら返りが起こるのでしょうか。その原因は、実は7〜8割以上はマグネシウム不足です。
 本来、筋肉はスムーズに収縮と弛緩をくり返していますが、その働きにはカルシウム(正確にはカルシウムイオン)が大きく関係しています。
 筋肉細胞に筋小胞体という小器官があり、ここにカルシウムが蓄えられています。筋小胞体からカルシウムが放出されて筋肉のたんぱく質にくっつくと筋肉が収縮します。逆にカルシウムポンプという働きで、筋肉のたんぱく質からカルシウムが離れると筋肉が弛緩します。これを必要に応じ、瞬時に行っているのです。
 このときカルシウムは、ミトコンドリアという細胞内の器官で作られるアデノシン三リン酸(ATP)からエネルギーを得ています。ところが、筋肉を酷使すると、このATPが消費されて不足し、筋肉がつってしまうというわけです。

 さて、この重要なATPの産生に必要なのが、マグネシウムです。マグネシウムが不足するとATPが不足し、カルシウムの筋小胞体への取り込みが困難になるため、筋肉は収縮したままになります。そのせいで、こむら返りが起こります。

 こむら返りは、体が冷えると起こるとか、脱水状態になると起こるとか、よくいわれています。
 しかし、冷えも脱水も、こむら返りの引き金にすぎず、根本の原因はマグネシウム不足にあるといえるでしょう。カルシウムは、大量に保存されている骨から自動的に補充されるので、不足することはあまり考えられません。

「そばのひ孫と孫は優しい子かい?納得!」

 マグネシウムは、人間に必要なミネラルの中で、特に重要な働きを担っています。

 例えば、エネルギーの産生や、体内で働く350種類以上もの酵素にも、大きく関係しているのです。
 マグネシウムが不足すると、まず、糖尿病を発症しやすくなります。マグネシウム不足により酵素の働きが悪くなると、すい臓からのインスリンというホルモンの分泌が悪くなり、糖が細胞の中にうまく取り込めなくなるからです。

 九州大学の研究グループは、最近16年間の久山町の住民調査で、1日当たりのマグネシウムの摂取量が多いと、糖尿病発症のリスクが37%も低くなり、インスリンに対する反応(インスリン抵抗性)も改善するという疫学調査の結果を報告しています。疫学とは、統計学的手法で病気と原因との関係などを調べる学問のことです。

 また、マグネシウムの摂取量が多い人は、メタボリックシンドロームになるリスクが、少ない人より31%も低いという研究報告があります。メタボリックシンドロームになると、その結果、脳梗塞や心筋梗塞などの、命にもかかわる病気が発症しやすくなるのです。
 ところが、現代の日本人は、マグネシウム不足に陥っているのが現状です。
 国が推奨しているマグネシウムの1日の摂取量は、30〜49歳の男性の場合、370mgです。しかし、厚生労働省が実施した「平成23年国民健康・栄養調査」によれば、平均摂取量は235mgで、はるかに下回っています。ほかの年代でも、推奨される1日の摂取量より、100〜130mgも不足していることが明らかになっています。

 もしも、こむら返りをくり返し起こすようなら、体内でマグネシウムが不足している可能性があります。さらに、糖尿病のほか、動脈硬化が進んでいるという危険性をはらんでいるのです。
 そういう人は、日ごろよりマグネシウムの摂取に努めることが、肝心になってくるでしょう。

 ちなみに、日本人にマグネシウムが不足するようになったのは、戦後、日本人の食生活が「欧米化」し、伝統的な和食の食習慣が徐々に失われていったのが原因と考えられます。したがって、マグネシウムの補給のためには、古きよき和食を中心とした食生活に変えるのがいちばんです。
 特にマグネシウムが豊富に含まれている食品を意識してとるために、私は「そばのひ孫と孫は優しい子かい?納得!」という標語を提唱しています。
 これは、特にマグネシウムが多い「ソバ」「バナナ」「ノリ」「ヒジキ」「豆」「五穀」「豆腐」「抹茶」「ゴマ」「ワカメ」「野菜」「魚」「シイタケ」「コンブ」「牡蠣」「イモ」「納豆」「トウモロコシ」「果物」の頭文字をつなげたものです。
 これらの食品を、積極的にとるのが望ましいのですが、食事だけからの補充が難しい場合は、栄養機能食品のマグネシウムなどを利用するのもいいでしょう。

横田邦信
昭和26年、東京生まれ。東京慈恵会医科大学・大学院卒業。現在、東京慈恵会医科大学教授・医学博士。日本マグネシウム学会理事、日本生活習慣病予防協会参事、日本糖尿病学会学術評議員など。著書に『メタボリックシンドローム対策の必須ミネラル「マグネシウム健康読本」』(現代書林)がある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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