【股関節の名医】長時間歩くと疲れる、痛みが出るを解決!30代40代から身につけたい「正しい歩き方」

【股関節の名医】長時間歩くと疲れる、痛みが出るを解決!30代40代から身につけたい「正しい歩き方」

ここで紹介する、「グッド歩行」という歩き方は、私のクリニックで人工股関節の手術を受けた患者さんのリハビリ用として取り入れたものです。もともと術後の患者さんを対象としたものですから、ほとんどのかたにとって負担は少ないと思います。【解説】石部基実(石部基実クリニック院長)


オールマイティーの薬に匹敵する効果がある

 私は、人工股関節の手術を多く手がけている整形外科医です。
 年齢とともに、股関節の痛みが現れ、長時間歩いたり、速く歩いたりすることが困難になってくる人は少なくありません。

 股関節の痛みが重症化して歩けなくなった患者さんが、手術をした結果、趣味の山登りやゴルフ、テニスといったスポーツを楽しめるまでに回復したと聞くと、このうえない喜びを感じます。
 私が行っているMISという人工股関節の手術法は、切開する部位が小さいので患者さんの負担も少なく、入院期間も短くて済みます。しかしながら、一定のリハビリテーション(術後などの機能回復訓練)は必要です。

 ここで紹介する、「グッド歩行」という歩き方は、私のクリニックで人工股関節の手術を受けた患者さんのリハビリ用として取り入れたものです。もともと術後の患者さんを対象としたものですから、ほとんどのかたにとって負担は少ないと思います。ですからもちろん、手術を受けていないかたにもお勧めです。
 グッド歩行に限らず、正しい歩き方には、オールマイティーの薬に匹敵する効果があると私は思います。

正しい歩き方をすれば関節に負担がかからない

 患者さんを診察していて思うのは、「姿勢さえよくなれば、もっと魅力的なのになあ」という人が多いことです。背すじがピンと伸びている人は、実年齢よりも若く見えるものです。逆に、姿勢がよくないと老けて見えがちです。このように、若く見える鍵は「いい姿勢」ですが、そのためには、歩き方をひと工夫することがとても有効なのです。

 グッド歩行のメリットは、股関節はもちろん、腰、ひざ、足首など、全身に余計な負担がかからないということです。負担が少ないので、長時間歩いても疲れにくい歩き方なのです。
 少し歩いただけでも疲れてしまう、痛みが出るという人は、体に負担のかかる無理な歩き方をしている可能性が高いと思います。この機会に、ぜひご自分の歩き方を見直して、正しい歩き方を身につけていただきたいと思います。
 歩行に支障のない初期の股関節痛や腰痛なら、グッド歩行を続けるうちに痛みが軽くなったり、消えたりしてしまうこともあるでしょう。

 なお、グッド歩行を始めて、万が一、痛みがひどくなったなどの自覚症状があれば、一度整形外科を受診することをお勧めします。

股関節・腰・ひざ・足首に負担をかけずに歩く技術

 グッド歩行のポイントは、「背すじがピンと伸びた姿勢」で歩き、両足とも「かかとから着地する」ことです。
 まず、歩く姿勢を作りましょう。頭のてっぺんから釣り糸で釣られているイメージで、進む方向に向かってまっすぐに立ちます。目線は、足元ではなく、少し先を見るようにします。

 最初の1歩目を踏み出し、かかとから着地したら、前方に向かって、自然に足の重心を移動させていきます。
 そして、後ろに残った反対側の足が地面から離れたとき、一瞬、自分の体重が前足の指先の親指側に乗っていることを意識してください。
 この足の運びをリズミカルに繰り返すのがグッド歩行です。

 腕は、前方に振ったときは自分の体に対して約30度、後ろ側に振ったときは約10度の振り幅を目安にするといいでしょう。

 最初のうちは、正しくできているかをチェックしながら、ゆっくりと歩きましょう。自宅近くの散歩など、短い距離を時間をかけてゆっくり歩きながら、動作を1つずつ確認します。買い物などの際に、ショーウインドーに映る自分の姿勢を見て、背すじがピンと伸びているか、こまめに確認するといいでしょう。

 慣れてきて、正しい歩き方ができてくると、自然に背すじがピンと伸びたいい姿勢になります。

股関節痛に効く「グッド歩行」

頭から糸で釣り上げられているイメージで、まっすぐ前を見て立つ。このとき、背すじがピンと伸びていることを意識する。足の間を7~8cm幅に広げて立ち、力を抜いてリラックスする

左足を1歩踏み出し、かかとから着地する。手の振り幅は、前方に30度、後方に10度を目安に、自然に振る。左足の指先で地面を蹴るようにして前に進み、今度は、右足をかかとから着地させる。この歩行周期をリズミカルに繰り返す

いしべ もとみ
1957年生まれ。北海道大学医学部卒業後、同大学整形外科学教室入局。94年からNTT東日本札幌病院整形外科部長、人工関節センター長を経て、2008年に石部基実クリニックを開設。4000件以上の手術を手がけた人工股関節の第1人者である。著書に『股関節を整えると、みるみる体が若返る!』(三笠書房)など。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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