【腰痛・ひざ痛の予防改善】古武術から学ぶ体の動かし方鍛え方「骨ストレッチ」4選

【腰痛・ひざ痛の予防改善】古武術から学ぶ体の動かし方鍛え方「骨ストレッチ」4選

私が考案した「骨ストレッチ」は、古武術から学んだ体の動かし方を基礎とした、「筋力」よりも「骨」の動きを重視した体操です。一連の動作を行うことで、体の動きが見違えるようによくなります。骨ストレッチのコツを意識して動くことで、転ばない体を手に入れてください。【解説】松村卓(スポーツケア整体研究所代表)


無理な負荷をかけずに足腰を鍛えられる!

私が考案した「骨ストレッチ」は、古武術から学んだ体の動かし方を基礎とした、「筋力」よりも「骨」の動きを重視した体操です。
一連の動作を行うことで、体の動きが見違えるようによくなります。

この骨ストレッチは、2015年9月放送のTBSテレビ『中居正広の金曜日のスマたちへ』でも紹介されました。
番組では、タレントの三船美佳さんらに、骨ストレッチの基本的な体操の一つである、「手首スクワット」(やり方は下図参照)を行ってもらいました。

手首スクワット前後に、体のかたさや筋肉の血流状態を測定してもらいましたが、皆さんいずれの数値も顕著に改善していました。
さらに、腰痛持ちだった三船さんは、毎日コツコツと手首スクワットを続けて、腰痛がよくなったそうです。

番組放映後は、大きな反響がありました。
このように手首スクワットを行うことで、筋肉の緊張がほぐれて血流が促され、姿勢もよくなります。

それが、腰痛やひざ痛の予防・改善にも役立ち、歩きやすくもなります。
また、手首スクワットなら、いすから楽に立ち上がることができるので、お年寄りにもお勧めです。

足腰の筋力が衰えてくると、いすから立ち上がるのも一仕事。
バランスをくずして転倒する危険性もあるのです。

普通の立ち上がり方だと、「どっこいしょ」と太ももを使って、前方に体を起こします。
しかし、手首スクワットをすると、真上にスッと立ち上がれます。

加えて、ひざや太ももに無理な負荷をかけずに、足腰を鍛えられます。
では、手首スクワットのやり方をご紹介しましょう。

手首スクワットのやり方

❶ いすに座った状態で、片方の手の親指と小指の先を合わせます。
さらにもう片方の手の親指と小指で、手首の骨のグリグリした突起部分を押さえます。
これが、基本のポーズです。

❷ 押さえている側の手で、もう片方の手を持ち上げると同時に、立ち上がります。


ポイントは、手を上に向かって持ち上げるのに連動して、お尻もスッと上げることです。
これを7回行うことを1セットとして、1日に2〜3セット行うといいでしょう。

なぜ基本のポーズを取るのか、簡単に説明します。
まず、親指と小指の先を合わせると、体がリラックスした状態になります。

車に例えると、親指はブレーキ、小指はアクセルの役割をしています。
はしや笛を上手に使う人は、親指は添えているだけです。

力が入るとうまく使えません。
逆に、柔道で相手の襟をつかむときは、小指に力を入れないとうまくいきません。

親指と小指の先を合わせると、力のバランスが取れます。
そのため、体がリラックスした状態になるのです。

次に、手首(体の末端部)を押さえるのは、腕や肩に力が分散され、胴体部(体幹)に集中しやすくするため。
親指と小指で手首を押さえるのは、やはり、この押さえ方だとよけいな力が入らないからです。

体の力を抜くということは、実は非常に難しいことです。
指の末端部をこのようにして閉じると、バラバラになっていた体の各パーツが一つになり、全身で動けるようになります。

ですから、手首スクワット行うと、楽にいすから立ち上がることができるのです。

くるぶしの下をこすると足が楽に上がる!

手首スクワット以外にも、骨ストレッチにはさまざまなやり方があります。
いずれも体を動かしやすくなるので、高齢者の転倒防止にも役立ちます。

ここでは、骨ストレッチのなかから、①足を上げやすくする方法、②安定した立ち方、③疲れない歩き方をご紹介しましょう。

足を上げやすくする方法

骨ストレッチのなかでも、特に転倒防止に役立つのが「くるぶしこすり」です。

転倒に多いのは、足が上がらないでつまずくケース。
それは、大腰筋がかたくなったり、衰えたりしているからです。

大腰筋は、体幹部の深層筋の一つで、上半身と下半身をつなぐ、足を上げるのにとても重要な筋肉です。
この筋肉を直接ほぐすことはできませんが、左右のくるぶしの下をこすることで、間接的にほぐすことができます。

これは、帝京平成大学ヒューマンケア学部の竹内京子教授の研究でも、実証されています。
手の親指と小指の先を合わせた状態で、くるぶしの下を前後にこすりましょう。

実際、その刺激前後で、足を上げてみると、刺激後のほうが、足が楽に上がります。
つまずきやすい人は、朝起きたとき、すぐ歩きださないで、くるぶしこすりを10回行ってから歩きだすといいでしょう。

必要最小限の力で楽に立てるようになる

安定した立ち方

骨ストレッチで用いる安定のいい立ち方を、「ダブルTの立ち方」と呼んでいます。

❶ A4サイズの紙に「T」の字を書いた紙を2枚用意して、逆さまにして床に並べます。
❷ 肩幅に足を開き、逆Tの字の紙の上に立ちます。
その際、Tの縦のラインに足の中指、横のラインにくるぶしの両側を合わせます。

筋力で立つのではなく、骨組みで立つのが、この立ち方のポイントです。
中指の縦のラインを意識して、骨組みで体重を支えると、必要最小限の筋力で楽に立てるようになります。

ダブルTの立ち方では、足の親指に力が入りません。
自然体なので、押されても、「柳に風」と力を受け流せます。

慣れてくると、電車のなかで揺れたとしても、平気でいられるようになるでしょう。
「力に対して力で対抗しない」古武術の考え方が、この立ち方に反映されているのです。

疲れない歩き方

無駄な力の入った歩き方は、転倒の一因になります。

昔の日本人は、疲れない、楽な歩き方をしていました。
それが、中指を意識して歩く「中指歩き」です。

残念ながら、現代人の多くは足の親指でふんばる歩き方をしています。
これは、1歩ごとにブレーキをかけているようなものです。

ブレーキに逆らって進むためには、太ももをしっかりと上げ、腕を強く振る必要があります。
これはかなり無理のある歩き方なので、疲れやすく、着物姿なら、胸もとがはだけ、足もとが乱れてしまうでしょう。

中指歩きは、足よりも胴体が先に出る歩き方です。
親指のブレーキがかかりませんから、胴体の重心移動の力だけでスムーズに前へ前へと進みます。

江戸時代の飛脚が1日に長い距離をかけ抜けられたのも、このように省エネで疲れない歩き方だったからと考えられます。
中指歩きのコツとして、歩く前に、靴の上から足の中指を押すといいでしょう。

中指のつけ根、中間部、先端の3ヵ所を押します。
こうすると、予備的な刺激が入り、中指を意識しやすくなります。

こうして中指を意識して歩くと、楽に前へ進むことができます。
しかも、バランスがよく、転びにくくなるのです。

以上の骨ストレッチのコツを意識して動くことで、転ばない体を手に入れてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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