【円形脱毛症】で爪がボロボロ?頭皮と爪に栄養を与える「爪もみ」の効果とは

【円形脱毛症】で爪がボロボロ?頭皮と爪に栄養を与える「爪もみ」の効果とは

お勧めしたいのが爪もみです。爪もみは自分で簡単に、安全に自律神経の調整効果を引き出せる治療法です。患者さんにも全員にやらせていますが、早期に爪もみを開始し、積極的に体を温めながら血流の回復を図った人は、1ヵ月後くらいから髪も生えるようです。【解説】永野剛造(日本自律神経免疫治療研究会会長・永野医院院長)


→脱毛症・薄毛に効く「爪もみ」のやり方

ストレスへの対処が円形脱毛を治す鍵

 私は、麻酔科医としてペインクリニックをやっていたとき、皮膚科の先生から「円形脱毛症」の治療を依頼されて、その道にハマりました。
 以来、脱毛症一筋30年。当初は大学病院などを回り回ってダメだったという、数年以上経過した患者さんが大半でしたが、最近は発症直後から当院を受診される人もふえています。

 ここでは、円形脱毛症もほかの病気と同様、早期に適切な治療をすれば長引かせずに済むことをお伝えしましょう。
 円形脱毛症の病因として従来からいわれてきたのがストレス説、自律神経失調説、自己免疫説、内分泌説、遺伝説などです。
 一般には、円形脱毛症が心身症であることは、広く認知されています。

 ところが、現在の皮膚科学会の主流は自己免疫説に絞られています。ストレスは無関係とする意見も多いのですが、ストレスを切り離しては、円形脱毛症は治せません。円形脱毛症を治すには、「ストレスで引き起こされた心身症」という視点に立ち返る必要があります。

 心身症は自律神経の異常を介して生じます。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって、自動的に体調を調整している神経です。心身のストレスは交感神経を緊張させて、自律神経の調整力を乱します。
 こうして交感神経が緊張すると、血管(毛細血管)が収縮し、末梢の血流が悪くなります。そこでダメージを受けやすいのが、頭皮に生える髪です。
 というのも、髪は月に1cmも成長する組織だからです。それだけ多くの栄養とエネルギーを使い、10万本の髪は日々成長しているのです。

 ところが、交感神経の緊張で毛組織に栄養を送る頭皮の血管が収縮し、血流が不足すると、栄養障害が起こって不完全な細胞が多くなります。こうした不良細胞を排除するのが、白血球中のリンパ球です。すなわち、栄養不足による毛組織の不良細胞がふえると、リンパ球の過剰反応から毛根に炎症が起こり、髪が抜け落ちてしまうのです。
 こうして脱毛のしくみを見ると、治療のポイントはまずはストレスをへらすこと、そして、乱れた自律神経をいかに整え、血流を改善させるかにあるかがわかるでしょう。

ボロボロになった円形脱毛症患者の爪

頭皮と指先の血流をよくし栄養を与える

 そこで、お勧めしたいのが爪もみです。
 爪もみは自分で簡単に、安全に自律神経の調整効果を引き出せる治療法です。患者さんにも全員にやらせていますが、早期に爪もみを開始し、積極的に体を温めながら血流の回復を図った人は、1ヵ月後くらいから髪も生えるようです。ただし、髪は一ヵ月に1cmしか伸びませんから、結果が出るには最低でも2、3ヵ月はかかると理解して取り組むのが大切でしょう。

 また、難治の円形脱毛の患者さんには、爪にも異常が出ているケースが少なくありません。
 髪も爪も皮膚の付属品(=一部)なので、交感神経の緊張で頭皮の血流が不足している人は、指先の血流も不足した状態にあるといえます。その影響が爪に出るのは、爪も髪と同じ組織であり、成長に多くの栄養を要するためです。交感神経の緊張状態が続くと、栄養不足から爪も形成不全を起こし、ブツブツと窪みができたり(陥凹)、ひどい場合は爪ができずにボロボロになったりします。

 円形脱毛症に対し、皮膚科で行われる局所刺激療法では、髪しか生えません。しかし、自律神経に働きかける治療は全身治療です。交感神経の緊張が改善され、頭皮とともに爪を養う指先の血流もふえれば、髪と爪、両方の健康が回復します。

 その際、指先を直接刺激する爪もみなら、爪の回復効果もいっそう発揮しやすいといえるでしょう。爪の成長は月に3mm程度ですから、キレイになるまで根気よく続けてください。

 最後に、円形脱毛症の根本原因となるストレスについてもふれておきましょう。
 円形脱毛症の患者さんのストレスは総じてマイルドですが、3ヵ月くらい続いています。そして、そのマイルドな継続的ストレスがいくつか重なり、発症に至った例が多いようです。

 このように円形脱毛症のストレスは、複合汚染が体をむしばむようにジワジワとダメージを与えるため、本人がストレス状態を自覚しにくい点に問題があります。典型的ストレスの一つは睡眠不足(ほとんどが六時間以下)なので、まずはじゅうぶんな睡眠を取り、規則正しい生活を心がけましょう。

永野剛造
東京慈恵会医科大学卒業。慈恵医大病院勤務を経て、永野医院を開設。平成11年福田−安保理論に出会い、円形脱毛の発症機序と全く一致することに感銘し、刺絡療法を治療に取り入れる。日本自律神経免疫治療研究会会長。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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