【頚椎体操(3)】首の痛み、腕のしびれを取る「首伸ばし」

【頚椎体操(3)】首の痛み、腕のしびれを取る「首伸ばし」

首伸ばしは、頭を下げて首に力を入れなくてよい体勢で行います。頭の重さを取り去って行うので、効果が得やすくなります。そして、自分の頭の重さを利用して頸椎の間を自然に広げたあと、自分の手で無理のない範囲にそっと頭を押して、さらに広げます。【解説】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)


「首伸ばし」は、詰まった頚椎の間をやさしく広げる

 肩こり・首こりに始まり、首や腕の痛み・しびれなどを起こす頸椎症。その根本的な原因となっている神経の圧迫を取り除く体操です。頸椎症でつまりやすい頸椎同士の間、とくに神経の通り道である椎間孔を無理なく広げます。

 首のこりや痛みのある頸椎症全般に効果的ですが、なかでも腕や手のしびれ・痛みが出る頸椎症性神経根症や、頸椎椎間板ヘルニアの神経根症タイプのケアとしておすすめです。

 頸椎の間を広げるという目的は、整形外科などでも行われることがある牽引療法と同じですが、牽引療法より首伸ばしのほうが無理なく効果的に行えます。とくに、首伸ばしは、頸椎を前に曲げて伸ばすことで、高い効果を発揮します。

 通常、牽引療法は、座った姿勢で機械的に首を持ち上げます。牽引療法は頸椎を伸ばして真っすぐにするので、頸椎を前に曲げる首伸ばしとは作用が異なります。また、座った姿勢をとっている限り、首には頭の重さがのしかかっているので、負荷をかけながら持ち上げることになります。しかも、機械的に持ち上げるので、その人に必要な牽引の程度とピッタリ合っていればよいのですが、強すぎれば負担になり、弱すぎれば効果が弱いということになりがちです。

 ここで紹介する首伸ばしは、頭を下げて首に力を入れなくてよい体勢で行います。頭の重さを取り去って行うので、効果が得やすくなります。そして、自分の頭の重さを利用して頸椎の間を自然に広げたあと、自分の手で無理のない範囲にそっと頭を押して、さらに広げます。自分にとって気持ちのいい範囲で行うことで、適切な力が加えられます。

 首や肩のこりを感じている人が、首の痛みの予防法として行うのもよいでしょう。とくに、頸椎のあたりが重だるく、つまったような感じがする人が行うと、そうした症状の改善と首の痛みの予防に役立ちます。

 ただし、この体操は頭を下に向けるので、首にはやさしいのですが、高血圧や脳血管になんらかの障害や心配がある人には負担になる場合があります。そのような場合は、事前に医師に相談してください。また、めまいがしたり、痛みやしびれ、違和感が生じたりしたら中止しましょう。

 首伸ばしには数種類のバリエーションがありますが、ここではまず、最もシンプルで効果が高く、どこでもできる、立って行う首伸ばしを紹介します。
 立って行う首伸ばしは、どこでも行えるので便利です。ただし、慣れるまでは、イスなどに一方の手をついて行うとよいでしょう。とくに、頭を下げるときに少しでも不安定さや不安感のある人はそうしてください。

「首伸ばし」のやり方

❶足を肩幅に開いて立つ

❷ゆっくり前屈して上体を下げ、さらに頭を少しずつ下げていく。このとき、片方の手を腰の後ろにのせておく

❸頭頂部が真下に向くところまで下げ、首の力を抜く。頭の重みで首が自然に引っぱられて伸びる感じにする

❹もう一方の手を後頭部に当てる。手のひら全体を使って、後頭部を包み込むように当てるとよい。その手で、さらに首が伸びるようにジンワリと押さえる。とくに症状が出たり、悪化したりしなければ、首が曲がるように押す

❺10〜30秒保ったあと、手を後頭部から離し、ゆっくり徐々に上体を上げて①の姿勢に戻る。以上を三回くり返すことを一セットとし、一日に数セット行う

★注意!
 一方の腕にしびれや痛みのある頸椎症性神経根症や頸椎椎間板ヘルニアの神経根症タイプの人は、②で腰の後ろにのせる手は症状のあるほうにし、④の動作は症状がないほうの腕で行ってください。

竹谷内康修
 竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長。整形外科医・カイロプラクター。東京都生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局。3年間整形外科診療を行う。その後、米国ナショナル健康科学大学へ留学し、カイロプラクティックを学ぶ。同大学を首席で卒業後、都内にカイロプラクティックを主体とした手技療法専門のクリニックを開設。腰痛、腰部脊柱管狭窄症、肩こり、頭痛、首の痛み、関節痛などの治療に取り組む。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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