【鼻づまりを改善】鼻が詰まるメカニズムと簡単に解消する3つの方法を医師が解説

【鼻づまりを改善】鼻が詰まるメカニズムと簡単に解消する3つの方法を医師が解説

鼻の通りをよくするために交感神経を刺激しても、それで不眠になることはありません。むしろ鼻づまりは睡眠の質を落とします。鼻づまりを我慢せず、安心して、今回紹介している3つの方法を行ってください。【解説】石井正則(JCHO(ジェイコー)東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長)


すぐにできる鼻づまり解消法

鼻づまりは、自律神経と大いに関係しています。
自律神経は血管や内臓の動きなどをコントロールし、自分の意志とは無関係に働いています。

心身が活動したり緊張したりする際に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経の2つから成り、両者が臨機応変にバランスを取ることで健康が保たれています。
まず、鼻がつまるメカニズムについて説明しましょう。

鼻の中にある下鼻甲介という粘膜のひだには、自律神経が絡んだ血管が張り巡らされています。
自律神経のうち、副交感神経が興奮すると、鬱血して血管が広がります。

そして、鼻の粘膜が腫れて空気が通りにくくなったり、鼻汁がたまったりします。
ですから、鼻づまりを解消するには、鬱血を解消するために交感神経を刺激すればよいのです。

その効果がある3つの方法を紹介します。

❶わきでペットボトルを挟む
雑誌やテレビ番組でご紹介するたびに、大きな反響をいただいている方法です。
右の鼻の穴がつまっている場合には、左のわきで、中身が入っている500mLのペットボトルを挟み、ぎゅっと締めつけます。

しばらくすると、鼻の通りがよくなってきます。
左の鼻の穴がつまっていたら、右のわきでペットボトルを挟みます。

わきには、鼻の穴の毛細血管を収縮させる交感神経が走っています。
わきを圧迫して交感神経に刺激を与えると、鬱血を解消し、粘膜の腫れが治まります。

「皮膚圧による半側発汗反射」といって、体の圧迫を受けた側では交感神経の働きが抑えられ、圧迫を受けていない側では交感神経が興奮するという反応を利用するのです。
鼻づまりを解消させる効果は、ペットボトルを挟んだ時間の5〜6倍ぐらい続きます。

ただ、わきを長時間圧迫すると手や腕がしびれてくるので、5分以内にしましょう。

❷横向きに寝る
「皮膚圧による半側発汗反射」を利用した方法が、もう一つあります。
鼻づまりが起こっている鼻の穴とは反対側を下にして、横向きにして寝るのです。

例えば、右の鼻の穴がつまっている場合は、体の左側を下にして、左のわきを圧迫しながら寝ます。
数分で鼻の通りがよくなってきます。

寝ているときに鼻がつまって息苦しくなったら、この方法を試すといいでしょう。

❸息を止めて我慢する
息を止め続けると交感神経が刺激されるので、鼻づまりが解消します。
やり方は、首を後ろへのけぞるようにしながら息を大きく吸った後、すぐには吐き出さずに、苦しくなる手前まで息を止め、弓なりに首を前に倒しながら一気に息を吐き出します。

5回くらい繰り返すと、鼻が通って楽になってくるでしょう。
ただし、この方法で、血圧と眼圧(眼球内の圧力)が上がります。

高血圧や緑内障(眼圧により視神経が圧迫されることで、視神経が障害される病気)の人は行わないでください。

交感神経を刺激しても健康に悪いわけではない

今回紹介している方法は、交感神経を刺激して鼻づまりを解消します。
交感神経を刺激すると聞いて、「鼻の通りはよくなっても、全身が緊張して健康に悪いのでは」「寝る前に行うと眠れなくなるかも」と思う人もいるようです。

こうした心配は、不要です。
例えば、マッサージを受けている最中や、温泉につかっている最中に、気持ちよくなってリラックスしませんか。

この状態は、実は交感神経が優位になっているのです。
それから、ため息をつくときに、ハーッと大きく息を吐き出しますが、だからと言って必ずしも副交感神経が優位になるわけではありません。

呼吸と自律神経との関係については、誤解が多いようです。
患者さんの自律神経を一昨年から500人以上も最新の精密な解析装置で計測してきた結果、息を吐くことと副交感神経が優位になることとは、直接の関連性がないとわかりました。

自律神経は全身に張り巡らされていますが、均一ではありません。
首から上の頸部・顔面・頭部は、自律神経が複雑なネットワークを形成しています。

「交感神経は悪者で、副交感神経を優位にさせればいい」と単純に考えないでください。
鼻の通りをよくするために交感神経を刺激しても、それで不眠になることはありません。

むしろ鼻づまりは睡眠の質を落とします。
鼻づまりを我慢せず、安心して、今回紹介している3つの方法を行ってください。

石井正則
東京都生まれ。1980年、東京慈恵会医科大学卒業。84年、同大学院修了後、米国ヒューストン・ベイラー医科大学耳鼻咽喉科へ留学。87年に帰国後、90年に東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科講師、2000年より同大学准教授。日本耳鼻咽喉科学会評議員、宇宙航空研究開発機構・宇宙医学審査会委員。近著に『耳鳴りがスッキリする呼吸がわかった』(マキノ出版)がある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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