【アレルギー性鼻炎】原因と症状 対策とコツ「布団の干し方・鼻うがい」のやり方

【アレルギー性鼻炎】原因と症状 対策とコツ「布団の干し方・鼻うがい」のやり方

アレルギー性鼻炎の患者数が増えている理由は、アレルギーの原因物質「アレルゲン」の増加です。アレルゲンにはスギ・ヒノキなどの花粉といった季節性のものと、ハウスダストのような通年性のものがあります。【解説】石井正則(JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長)


アレルギー性鼻炎はもはや「国民病」

年々、アレルギー性鼻炎の患者数が増えています。
『鼻アレルギー診療ガイドライン2013年版』によると、有病率が1998年には29.8%でしたが、2008年は39.4%になっています。
日本人の10人に4人がアレルギー性鼻炎に悩まされているわけで、もはや「国民病」と言ってよいでしょう。

アレルギー性鼻炎の患者数が増えている理由は、アレルギーの原因物質「アレルゲン」の増加です。
アレルゲンにはスギ・ヒノキなどの花粉といった季節性のものと、ハウスダストのような通年性のものがあります。
スギがたくさん植林され、機密性の高い住宅で暮らす現代の日本人は、アレルゲンに囲まれて生活しているような状態です。

アレルギー性鼻炎の患者が増えるのは、当然のことでしょう。

通年性のアレルギー性鼻炎のほとんどが、ダニが原因です。
生きているダニだけでなく、ダニのフンや死骸もアレルゲンになります。
そして、ダニそのものよりも、フンや死骸のほうが飛散するので、アレルギーを起こしやすいのです。

テレビの裏側や冷蔵庫の下にホコリが落ちていませんか。
ただのホコリに見えるでしょうが、ダニのフンや死骸の塊と考えてください。

アレルギー性鼻炎を治す最も効果的な方法は、掃除と片づけです。

近年「断捨離」「ミニマリスト」などと、必要最小限の物で生活をすることが話題になっているそうですが、こうした生活だとホコリがあまり出ないので、アレルギー性鼻炎が起こりにくくなります。

古い書類の束や使っていない小物など、家にある不要な物は捨ててしまいましょう。
家の中をスッキリさせると、鼻もスッキリと通るようになるはずです。

実は健康を害する自己流ケアもある

患者数の増加と関係しているのでしょうか、アレルギー性鼻炎の自己流のケアが世の中には広まっているようです。
間違った対処法は、鼻の重い病気を引き起こす危険もあるので、注意してください。

【やってはいけない対処法】
×布団を干したときにパンパンとたたく

布団を干して日光に当てるのは、ダニ対策になります。しかし、ダニを追い出すつもりで、布団をパンパンとたたくとアレルゲンを増やしてしまいます。

布団はダニにとって絶好のすみかで、フンや死骸もたくさん存在します。
そんな布団をたたくとフンや死骸が砕けてバラバラになり、アレルゲンの数を増やすことにつながります。
さらに、細かくなったフンや死骸は飛散しやすくなるので、鼻炎を悪化させるのです。

ですから、布団は決してたたいてはいけません。

そっと掃除機をかけるか、ブラシで表面のホコリを払い落としてください。
最近では布団クリーナーが人気ですが、布団をたたく機能がついていると、ダニのフンや死骸を砕いて、飛散させます。
ですから、吸引だけを行うタイプを使いましょう。

【やってはいけない対処法】
×鼻の下にメントール入りのリップクリームを塗る

メントールという物質を皮膚に塗ると、スーッとした冷感があります。
この「スーッとした」感じから、鼻の通りがよくなると思われたのでしょうか、鼻の下や中にメントール入りのリップクリームを塗る方法が広まっているそうです。

しかし、これは逆効果です。

メントールが鼻の粘膜を強く刺激するので、炎症を悪化させる可能性があります。
メントールで鼻をスーッとさせたければ、胸に塗って皮膚から揮発した空気を吸い込むタイプのメントール入り軟膏を使うといいでしょう。

【やってはいけない対処法】
×洗面器を使って鼻うがいを行う

体内にアレルゲンを取り込まないためには、鼻うがい(鼻洗浄)で鼻の粘膜についたアレルゲンを洗い流すのも効果的です。
ただし、鼻うがいをする際には、必ず清潔な器具で、専用の洗浄液か生理食塩水(濃度が0・9%の食塩水)を用いて行います。
いずれも薬局で購入することができます。

洗面器に張った水に顔を入れて鼻うがいを行う人もいますが、洗面器についている雑菌が鼻に入ってしまうので、お勧めしません。
雑菌が原因で、鼻の中の副鼻腔という空洞にカビが生えることがあるからです。
鼻の中はいつも適度に温かく、湿り気があるので、カビをほうっておくとあっという間に繁殖してしまいます。

鼻の中のカビは、悪臭がする鼻汁などといった鼻の症状を引き起こすだけではありません。

私が鼻の中のカビを除去する手術をした患者さんは、受診したきっかけが「急激な視力の低下で物が見えにくくなった」とか「歯の具合が悪いのに、虫歯の治療をしても治らなかった」など、鼻以外の部位で症状が現れていました。
また、鼻の中のカビを放置した結果、カビが原因の炎症が脳に進行して死亡してしまった例も、今までに全国の医療施設でいくつも報告されています。

鼻うがいは、古くからヨガでも行われてきた手法で、鼻の症状に対してとても効果があるものです。
きちんと殺菌した器具を使って、安全に行ってください。

石井正則
東京都生まれ。1980年、東京慈恵会医科大学卒業。84年、同大学院修了後、米国ヒューストン・ベイラー医科大学耳鼻咽喉科へ留学。87年に帰国後、90年に東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科講師、2000年より同大学准教授。日本耳鼻咽喉科学会評議員、宇宙航空研究開発機構・宇宙医学審査会委員。近著に『耳鳴りがスッキリする呼吸がわかった』(マキノ出版)がある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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