【糖尿病を改善】トマトの「リコピン」でインスリンの効きがよくなる!コレステロールも下がる「ホットトマト」

【糖尿病を改善】トマトの「リコピン」でインスリンの効きがよくなる!コレステロールも下がる「ホットトマト」

私は糖尿病の専門医として、患者さんたちに食事や運動の指導をしています。なかでも食事指導は最も重要です。私のクリニックで柱となるのは1日に摂取する糖質の量を150g以内に抑える糖質制限食です。この食事療法を実践する際に、補助手段として私がお勧めしているのが、トマトです。【解説】泰江慎太郎(銀座泰江内科クリニック院長)


泰江慎太郎
医療法人光史会銀座泰江内科クリニック院長・理事長。京都大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。日本糖尿病学会専門医、日本循環器学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。社団法人メディカルヘルスケア協会代表理事。これまでに1万人以上の糖尿病患者を診療。海外のVIPからも多数診察依頼があり、担当している。

糖尿病患者はリコピンが不足している

 私は糖尿病の専門医として、患者さんたちに食事や運動の指導をしています。
 なかでも食事指導は、最も重要です。私のクリニックで柱となるのは、1日に摂取する糖質の量を150g以内に抑える、糖質制限食です。この食事療法を実践する際に、補助手段として私がお勧めしているのが、トマトです。

 なぜ、糖尿病にトマトがいいのでしょうか。

 糖尿病は、血中に含まれる糖の量が増え、血管などを障害する病気です。血中の糖を細胞内に取り込む働きをしているのが、血糖値を調節するインスリンというホルモンです。糖尿病の患者さんは、このインスリンの効きが悪くなっています。
 インスリンの働きと関連するのが、活性酸素です。活性酸素は、老化や病気の原因物質とされていますが、これが増えると、インスリンの効きが悪くなります。それが、糖尿病を発症させ、悪化させる要因となっているのです。

 つまり、インスリンの効きをよくし、糖尿病を改善するためには、活性酸素を減らす必要があります。そのために有効なのが、トマトです。

 トマトには、多くの有効成分が含まれていますが、なかでも重要なのが「リコピン」です。
 リコピンには、強力な抗酸化作用があり、その効力は、ビタミンEの100倍以上ともいわれています。
 糖尿病のかたの血液を調べると、血中のリコピン濃度が低い傾向があります。ですから、リコピンをたくさん摂取して活性酸素を消去し、インスリンの効きをよくすることが、病状の改善につながるのです。

 また、リコピンは、アディポネクチンという「超善玉ホルモン」を増やすことが動物実験でわかっています。アディポネクチンが増えると、血糖値や血圧が下がったり、内臓脂肪が減ったりする効果があるのです。

 リコピンを効率よく摂取するには、生のトマトより、トマトジュースのほうがお勧めです。
 トマトジュースには、完熟した赤いトマトがふんだんに使われています。そのリコピン含有量は、市販の生トマトの約3倍にもなるのです。
 また、リコピンは脂溶性で油に溶けやすい性質があります。オリーブオイルを加えて摂取すると、リコピンの吸収率が4.5倍にアップした、という研究もあります(コチラの記事を参照してください)。

 さらに、リコピンは加熱に強く、熱すると体内への吸収率が高まるのも、大きな特長です。

オリーブオイルとの相乗効果は実証済み!

 ここで、スペインのバルセロナ大学医学部で行われた実験を紹介しましょう。

 臨床研究に参加したのは、40人の男女(平均年齢28歳)。

 40人を3つのグループに分け、
1つめのグループには体重1kg当たり7gの生トマトを、
2つめのグループには、体重1kg当たり3.5gのトマトソースを摂取してもらいました。
そして、3つめのグループには、オリーブオイルで調理したトマトソースを、体重1kg当たり3.5g摂取してもらいました。

 そして、食前と食後で各グループの血液を採取し、動脈硬化に対する影響を調べました。すると、オリーブオイルで調理したトマトを食べたグループの総コレステロール値が、最も低下したとわかったのです。

 オリーブオイルとトマトを同時にとると、総コレステロール値が平均で9.03mg/dl低下し、LDL(悪玉)コレステロール値が2.00mg/dl減り、HDL(善玉)コレステロール値は2.36mg/dl増加していました。
 この実験から、生のトマトや普通のトマトソースよりも、オリーブオイルで加熱・調理されたトマトのほうが、より高い健康効果があることが確認できたのです。

 オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸には、コレステロール値を下げる効果があります。このオレイン酸と、オリーブオイルによって吸収率が上がったリコピンとの相乗効果で、数値が改善したのでしょう。

 地中海地方では、トマトとオリーブオイルを使った料理が定番です。そして、心筋梗塞などの心血管疾患を発症する人が少ない地域としても知られています。その背景には、この二つの食材を加熱・調理するという食習慣があったのです。

 なお、リコピンの1日当たりの摂取目安は、15mg程度です。生のトマトなら3~4個程度、トマトジュースならコップ1杯分になります。トマトジュースが苦手というかたは、トマトとオリーブオイルを使ったスープや煮込み料理を食べるとよいでしょう。毎日、継続してとり続けることが大切です。

 皆さんもぜひ、ホットトマトとオリーブオイルを、大いに活用しましょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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