【整形外科】腰痛が改善!心の不調にも気づけた 症例からわかる「指ヨガ」の効果

【整形外科】腰痛が改善!心の不調にも気づけた 症例からわかる「指ヨガ」の効果

当院では、西洋医学的な治療に加えて、自分でできるさまざまなウェルネスプログラムを導入しています。プログラムでは専門知識を持つ担当者が指導します。プログラムの中でも患者さんに好評なのが、手指をもむ「指ヨガ」です。【解説】長田夏哉(田園調布長田整形外科院長)


全身で行うヨガと同じ効果が得られる

 当院では、西洋医学的な治療に加えて、自分でできるさまざまなウェルネスプログラムを導入しています。プログラムでは専門知識を持つ担当者が指導します。プログラムの中でも患者さんに好評なのが、手指をもむ「指ヨガ」です。指ヨガも、医療従事者である指ヨガインストラクターが指導を行っています。

 呼吸を意識しながら行う指ヨガは、全身でヨガをやっているのと同じような効果が得られます。指をもむことで、乱れた気の流れ(エネルギーの循環)をよくして心身のバランスを整え、また体が持っている自然治癒力(治ろうとする力)を高めることができるのです。その結果、病気は快方に向かいます。

 東洋医学では、「部分即全体」という考え方があります。
 手は単なる「部分」ではなく、そこには「全体」が反映されていて、全身の部位と密接な関係がある。体のどこかに不調があると、その反応が手に現れる。逆に、手を刺激することによって、体の不調を改善できるという考え方です。指ヨガも、この考え方を土台にしています。

心のあり方まで劇的に変わった

 指ヨガで、顕著な改善が見られた症例を一つご紹介しましょう。腰痛で来院した40代の男性Oさんの例です。
 なお当院では、指ヨガの効果を確認するために、患者さんの舌の状態を診る舌診と、血液検査を行っています。

 Oさんは、他医院でレントゲンと腰椎MRI(磁気共鳴画像)検査を受けたものの異常なしと出て、整体院の治療を継続しても改善がみられませんでした。

 当院で行った血液検査では、白血球の中のリンパ球が通常よりも多い数値でした。これは、自律神経のひとつである副交感神経が過剰優位になっている状態でした。
 顔色も土気色で表情も乏しく、舌診でも、舌にひび割れの文様が多く見られ、倦怠感が強く現れていました。舌先も、自律神経のバランスの乱れを表す赤色でした(写真①)。

 このOさんには、指ヨガを1日3回以上行っていただいたところ、早くも10日後の診察では、以前と打って変わってにこやかな表情で現れ、顔色もよくなっていました。「指ヨガをすると腰痛がほんとうに楽になります」と話され、舌のひび割れも改善されていました。

 私が驚いたのは、状態の改善もさることながら、「長年家族に対して言えなかった不満や怒りを伝えられた」ということです。指ヨガをすることで自分の心を見つめ直し、心の奥にため込んでいたものを出すことができたのでしょう。

 さらにそのおよそ1カ月半後、5回目の診察では、「今回の腰痛は、自分を見直すよいきっかけになりました。心にも体にもトゲがたくさん刺さっている状態でしたが、指ヨガを自分でしているうちに、そのトゲが1本ずつ抜けていった感じがします。今は、生きる欲のようなものが出てきて、将来のことなども考えられるようになりました」と話されたのです。わずか1カ月半で、心のあり方まで変わったのです。
 その顕著な変化は、舌を診ても明らかです(写真②)。

指ヨガをしながら心の声に耳を傾ける

 日々患者さんと接していていつも思うのですが、患者さんの自覚症状が腰痛や肩こり、首の痛み、ひざ痛であっても、その症状がすべてではないということです。
 実は、それは他の病気や未病のサインかもしれませんし、生活習慣の乱れ、家族関係や職場での人間関係などから受けるストレスの表現かもしれません。

 病気がほんとうに快方に向かうためには、自覚症状を治すだけでなく、その症状の根底にあるものに気づいて、そこにもアプローチしなければなりません。指ヨガは、その気づきをサポートしてくれます。
 指ヨガをするときには、自分の体と対話し、体の内なる声に耳を傾けるつもりでするとよいでしょう。

→「指ヨガ」のやり方はコチラ

田園調布長田整形外科で開催されるヨガフェスタはいつも大人気。看護師の宮本よしか先生と長田先生

おさだ なつや
1993年、日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科教室入局し整形外科専門医として研鑽を積む。主流医学に没頭するが、ごく自然な流れで全体性への視点を育み、ボディ・マインド・スピリット視点のトータルヘルスケアについても研鑽を深める。2005年、田園調布長田整形外科を開院。 クリニック診療に加えてトータルヘルスケア・氣づき・教育・啓蒙の講演、講座を国内各地で開催。著書に『体に語りかけると病気は治る』(サンマーク出版)など。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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