「自分に自信がない」のは幼少期が原因?今からでも自己肯定感は高めることができる

「自分に自信がない」のは幼少期が原因?今からでも自己肯定感は高めることができる

幼少期に安定した愛情によって育てられると、自己肯定感を自然と持てるようになります。一方で、「あなたはここがダメ」と親から否定されることが多いと、他人を批判的な目でみて、欠点を探してしまうようになり、自己肯定感も低くなります。【解説】水島広子(精神科医・対人関係療法専門クリニック院長)


自己肯定感が下がると病気になることも

 実は、自己肯定感が低い人は、世の中にたくさんいます。
 下の表の6つのタイプをチェックしたとき、最低でも2つくらいは当てはまる人が多いのではないでしょうか。

 幼少期に安定した愛情によって育てられると、自己肯定感を自然と持てるようになります。
 一方で、「あなたはここがダメ」と親から否定されることが多いと、他人を批判的な目でみて、欠点を探してしまうようになり、自己肯定感も低くなります。

 このように自己肯定感の高さは、幼少期の育てられ方が影響しますが、大人になってからも高められるので、安心してください。

 また、自己肯定感が低くない人でも、リストラや離婚、死別、震災といったことを経験したときに、大きく下がることがあります。
 もともと自己肯定感が高かった人は、元の状態に戻るのも早いですが、そうでない場合、うつ病やアルコール依存症などになることもあるので、注意が必要です。

 さらに、自己肯定感が低い人は、自分と関係ないことで病気になることもあります。
「かつての同級生が、すごいお金持ちと結婚した」と聞いて、「彼女と比べて、自分はダメだ」と過剰に反応し、うつになってしまう人もいるのです。

 パワーハラスメント(職場の権力を利用した嫌がらせ)を行う上司には、自己肯定感が高い部下は「無茶を言う失礼な人」と距離を置きますが、自己肯定感が低い部下は「自分が悪い」と思ってしまいます。
「いつも変な人が寄ってくる」という人も、自己主張が苦手な自己肯定感が低いタイプが多いでしょう。

 ちやほやされるのが好きな政治家など、社会的な地位があっても自己肯定感が低い人はいます。
 自己肯定感はいわば心の免疫力。強いとちょっとやそっとの病原菌ではなんともありませんが、弱いとすぐやられてしまうのです。

自分もそうかもしれないと気づくことが脱出の第1歩

 表の1〜6までのチェックによって、自分ではなかなか気づかなかった自己肯定感の低さがわかった人もいるでしょう。
 ふだんから何気なく行っていたことが、実は自己肯定感の低さによるものだったりするのです。

 1、4、5のケースでは、「自分には価値がない」という思い込みによって、のびのびとした対人関係を築けなくなってしまいます。
 2の場合、「がんばることはいいことだ」と考えている人も多いでしょう。しかし、がんばることと、自分がボロボロになるまでがんばりすぎて心身を病むことは違います。
 自己肯定感が低い人は、無理をしていても「自分の我慢が足りない」と状況を改善しないのです。

 3のケースでは、自己肯定感が低いと、機嫌が悪い人を見て「自分が怒らせたのでは」と感じたりしてしまいます。「常に反省して、何が悪いの?」と思われるかもしれませんが、相手の問題をすべて「自分のせい」と引き受けると、不要なストレスを抱え込むことになります。

 機嫌が悪い相手のほうも、単に体調が悪いだけなのに、「自分のせいでは」とびくびくしている人の存在は重荷になってしまいます。
 自己肯定感の低さは、そんな「相手の事情」に気づかない自分の余裕のなさも作ってしまうのです。

 最近は、ネットで非難の書き込みが殺到する「炎上」が話題になることもありますが、書き込みをしている人の中には、6の「他人に正しさを押し付ける」タイプも少なくありません。こういった行為も自己肯定感の低さがなせる業と言えます。

みずしま ひろこ
慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。摂食障害、気分障害、トラウマ関連障害、思春期前後の問題や家族の病理、漢方医学などが専門。2000年6月の衆議院選挙で栃木1区から初当選。2期5年間をつとめる。現在、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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