手首が痛い! 親指が痛い!【スマホ腱鞘炎】を予防・改善する"対策とコツ"を紹介

手首が痛い! 親指が痛い!【スマホ腱鞘炎】を予防・改善する"対策とコツ"を紹介

腱鞘炎を誘発する、仕事や習慣でやりがちな動作をいくつか紹介しましょう。まさにいま腱鞘炎で悩んでいる人はもちろん、手首やひじに違和感を覚えている人、以前に腱鞘炎の経験がある人は、習慣になっている動作を見直すことをおすすめします。【解説】高林孝光(鍼灸師・柔道整復師・アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長)


 カバンの持ち方や包丁の握り方など、ふだんの何げない動作も、毎日のようにくり返されたり、回数は少なくても重量があるなど大きな負荷がかかったりすると、腱鞘炎を誘発します。

 これら以外にも、仕事や習慣でやりがちな動作をいくつか紹介しましょう。まさにいま腱鞘炎で悩んでいる人はもちろん、手首やひじに違和感を覚えている人、以前に腱鞘炎の経験がある人は、習慣になっている動作を見直すことをおすすめします。

鍋のふたを裏返して置く動作

 鍋のふたは、取っ手をつまんで持ち上げ、ふたの内側が上を向くようにして置くのが一般的なマナーです。しかし、このつまんで(把握して)手首を返す動きは、腱鞘炎を誘発するリスクの高い動きです。

 レストランや旅行先での食事のときなどは、マナーを優先してもかまいません。ただし、人の目のない自宅で調理するときには、台などを用意して、つまんで持ち上げたふたをそのまま置けるような工夫をするとよいでしょう。

伝票をめくる動作

 鍋のふたを裏返しておくのと同様の動きが、伝票をつまみ、手首を返してめくる動作です。パソコンが普及したとはいえ、まだまだ紙の伝票を使うケースも多いでしょう。薄い紙の伝票や、伝票チェックを長時間続けていると指先が乾いてめくりにくくなります。

 めくりにくくなればなるほど紙を強くつまみがちです。強くつまんで手首を返す動作は腱鞘炎を誘発するので、なるべく強くつままないことが大切です。また、つまんだら手首を返さずに、そのままめくると、手への負担が少なくてすみます。紙がすべるようであれば、ゴム製の指サックを使いましょう。

スマホを強く握る

 スマホの持ち方、操作の仕方で多いのが、利き手でスマホを握り、親指で画面を操作する動作です。これは親指を酷使する点でスマホ腱鞘炎になる最も危険な動作です。同時に、スマホが手からすべり落ちないようにギュッと握るため、とくに小指に関係する筋肉に負担がかかり、ひじのスマホ腱鞘炎も誘発します。

 最近はギリギリ片方の手で持てるサイズの、大きめのスマホが登場しています。小指をスマホの縁に引っかけ、手のひらをいっぱいまで広げて親指で画面操作をすることになり、よりスマホ腱鞘炎になるリスクが高まっています。

 スマホを操作するときは、利き手の親指以外の指で画面操作をすることと、利き手で強く握らないことが重要です。そして、スマホの大きさにかかわらず、両手で持ち、両手の指を使うのが原則です。また、スマホの裏に取り付ける市販のリングを利用するのも、強く握らないためには有効です。

マウスパッドが机の上ですべる

 パソコンのキーボードやマウスを使うときに手首が手の甲側に曲がる(伸展)と、手首やひじに負担がかかって腱鞘炎になりやすいと述べました。加えて、マウスを使うときにマウスパッドが机の上ですべると、腱鞘炎のリスクがさらに高まります。

 市販されているマウスパッドの裏側には、ゴム素材など机の上ですべらない素材が使われています。新しいうちは机にピタッと吸い付くように安定していて、表面でマウスを動かしてもずれません。

 しかし、使っているうちに机とマウスパッドの間に小さなゴミやホコリが入り込み、それがゴム素材に着いて粘着性が低下しています。このようなマウスパッドの表面でマウスを動かすと、マウスパッド自体がすべってポインターが思ったところをなかなか指さなくなります。

 そうなると、マウスパッドが動かないようにと手首部分でマウスパッドを押さえながらマウスを使ったり、マウスを強く握ったりしがちです。ポインターの位置がなかなか定まらないため、マウスを動かす回数も多くなり、手首やひじへの負担が大きくなります。
 ポインターの動きが悪くなったり、マウスパッドがずれると感じたりしたら、洗剤などでマウスパッドを洗いゴミやホコリを落としましょう。また、表面の汚れを取ることで、マウスのすべりがよくなり、手首やひじへの負担もやわらぎます。

 さらに、手首やひじの負担がかかりにくい形をしたマウスや、キーボードやマウスを使うときに手首の下に当てるクッションを利用するとよいでしょう。

高林孝光(アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長)
 1978年、東京都生まれ。東京柔道整復専門学校、中央医療学園専門学校卒業。2016年、車イスソフトボール日本代表チーフトレーナー。上肢のケガが最も多い球技スポーツであるバレーボールの同一大会で、異なるチームに帯同して全国2連覇した、日本初のスポーツトレーナー。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


腱鞘炎 テニス肘 バネ指

関連する投稿


【肩こり・五十肩を改善】痛みやしびれをすぐに解消する体操「手首振り」

【肩こり・五十肩を改善】痛みやしびれをすぐに解消する体操「手首振り」

手のしびれ、肩こり、五十肩、腱鞘炎、腕や手の疲れとそれによる痛みなど、手・腕・肩のトラブルに悩まされている人は多いものです。わずか1〜2分で簡単にできるバンザイ手首振りは、血液とリンパ(体内の余分な水分や老廃物、毒素などを運び出す体液)の流れを劇的に改善させます。【解説】宮本啓稔(新宿西口治療院院長)


【腱鞘炎は猫背に多い】指 手首 ひじの痛みの原因は "運動不足" ストレッチで改善

【腱鞘炎は猫背に多い】指 手首 ひじの痛みの原因は "運動不足" ストレッチで改善

運動不足も腱鞘炎を引き起こします。運動不足は筋肉の柔軟性を低下させます。とくに柔軟性を失いやすいのが太ももの後ろ側やお尻の筋肉です。前屈をして指先が床につかないようであれば、太ももの後ろ側やお尻の筋肉が硬くなっている可能性が高いと言えます。【解説】高林孝光(鍼灸師・柔道整復師・アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長)


【肘が痛い!】ひじの腱鞘炎を予防、症状を改善する "カバンの持ち方"はこれ

【肘が痛い!】ひじの腱鞘炎を予防、症状を改善する "カバンの持ち方"はこれ

みなさんは手提げカバンを持ち上げるとき、どんな持ち方をしていますか?カバンの持ち手を上からつかみ、手首を手の甲の方にグイッと曲げて持ち上げることが多いのではないでしょうか。この動きは、手首の腱鞘炎を誘発する危険な動作の一つです。【解説】高林孝光(鍼灸師・柔道整復師・アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長)


腕・肘・手首・指の【腱鞘炎】痛みや痺れの症状を予防、改善する "正しい姿勢"

腕・肘・手首・指の【腱鞘炎】痛みや痺れの症状を予防、改善する "正しい姿勢"

肩が動きにくい場合、肩だけをマッサージでほぐしたり、ストレッチでリラックスさせたりするだけでは、根本的な対策にはなりません。大もとである正しい姿勢を身につけることから始め、肩の動きをよくして、ひじや手首への負担をへらしましょう。【解説】高林孝光(鍼灸師・柔道整復師・アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長)


【スマホ腱鞘炎】ドケルバン病やばね指の症状を予防・改善する "包丁の持ち方"

【スマホ腱鞘炎】ドケルバン病やばね指の症状を予防・改善する "包丁の持ち方"

最近では、元AKB48の川崎希さんが、出産後、腱鞘炎の一種であるドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)に悩んでいることをブログで公表し、話題になりました。ドケルバン病は、ばね指(弾発指)と同じく、女性に多く発症する症状です。【解説】高林孝光(鍼灸師・柔道整復師・アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長)


最新の投稿


【沖ヨガの効果】“足”への刺激は自分で「治る力」を高める 「足裏たたき」を医師が推奨

【沖ヨガの効果】“足”への刺激は自分で「治る力」を高める 「足裏たたき」を医師が推奨

人間は、よほどのことがない限り、自分で自分の体を治す力を持っています。足の刺激法などのほうが、薬よりはるかに上であって、まず試すべきものです。足を刺激することによって、その人が本来持っている、治る力を活性化させることができるからです。【解説】樋田和彦(ヒダ耳鼻咽喉科院長)


【沖ヨガの特徴とは】心身をケアするヨガ "足裏たたき" で心も体もリラックス

【沖ヨガの特徴とは】心身をケアするヨガ "足裏たたき" で心も体もリラックス

足裏たたきを続けていると、胃腸や肝臓や膵臓の不調、肺をはじめとした呼吸器の不調、心臓の不調、血管の問題、腎臓や泌尿器の不調、腰痛や首の痛み・こりなどが、次々によくなっていきます。同時に、肌もきれいになり、姿勢もよくなって若々しく生まれ変われるのです。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


不調の5大原因を取り除く【沖ヨガ】「足裏たたき」の効果 腰痛が改善、ストレスが解消した

不調の5大原因を取り除く【沖ヨガ】「足裏たたき」の効果 腰痛が改善、ストレスが解消した

病気になる前に、その原因を遠ざける。もし病気になったとしても、自然の回復を促す。それが足裏たたきのすぐれた効能です。やり方を身につければ、あなたにとって、必ず一生の宝になります。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【沖ヨガ】詰まりが取れて全身に血が巡る「足裏たたき」のやり方

【沖ヨガ】詰まりが取れて全身に血が巡る「足裏たたき」のやり方

刺激して痛みを感じる部位があれば、そこは体の巡りが悪く詰まっている証拠です。重点的にたたいたり、もんだりしてください。詰まりが取れて全身の血の巡りが一気によくなり、目も頭もスカッとします。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

生野菜は、胃の粘膜を荒らすため、胃が疲れているときにサラダを食べるのはよくありません。しかし、同じ野菜でも、発酵させた水キムチなら、胃に優しく作用するので安心です。【解説】丁宗鐵(日本薬科大学学長)