【不眠症対策】は「手の小指湿布」が効く ― 神経内科医が教える自力療法

【不眠症対策】は「手の小指湿布」が効く ― 神経内科医が教える自力療法

「小指シップ」は、私が最初に考案したシップ療法です。きっかけは、息子のテニスひじでした。私もテニスひじの経験があり、その痛さはよく知っています。一度なるとなかなか治らず、その間は練習もできません。ところが、小指にシップをはったら、その痛みがわずか数日で治ったのです。【解説】安田 譲(安田医院院長)


交感神経をゆるめる ポイントは「小指」

「小指シップ」は、私が最初に考案したシップ療法です。きっかけは、息子のテニスひじでした。私もテニスひじの経験があり、その痛さはよく知っています。一度なるとなかなか治らず、その間は練習もできません。
 ところが、小指にシップをはったら、その痛みがわずか数日で治ったのです。

 この効果に驚いた私は、肩こりや頭痛の患者さんに小指シップを試してもらいました。すると、即効的に症状が軽くなり、こっていた首すじが瞬時にゆるんだのです。
 首すじには、ネック・ホムンクルス(首のこびと)という、顔の器官と1対1で対応するポイントがあります。そこをゆるめると、顔の器官の症状が改善することは、以前からわかっていました。

 ところが、首すじをゆるめるよい方法が見つかりませんでした。それが、小指にシップをはるだけでゆるんだのですから、私にとって、小指シップは大発見でした。

 なぜ小指にシップをはると、首すじがゆるむのか、いろいろ調べると、交感神経が関係していることがわかりました。
 交感神経は自律神経の一つで、副交感神経と対になって働き、内臓や血管などの働きを調整しています。
 小指の第1関節と第2関節の間には、深指屈筋という筋肉があります。この筋肉と腱の境目に、交感神経の受容体があります。小指シップはこの受容体に作用して、交感神経の緊張をゆるめるのです。
 交感神経の緊張が取れると、交感神経が通っている首すじもゆるんできます。小指シップの効果は、主にこの二つの作用によって生まれます。

①交感神経の緊張がゆるむことで期待できる効果

 亢進した交感神経の機能が低下して、自律神経のバランスが整うと、夜間頻尿、不眠、イライラ、不安感、めまい、手のふるえなどが改善します。
 私の母は不眠で悩んでいましたが、小指シップでよく眠れるようになり、不眠の原因になる夜間頻尿も改善しました。また、小指シップは、めまいの中でも、肩や首のこりを伴うめまいによく効きます。

 交感神経には、血管を収縮させるだけでなく、拡張させる作用もあります。血管が拡張すると、アレルギーの原因物質であるアレルゲンや細菌などが血管の中に侵入しやすくなり、炎症やアレルギー(花粉症やアトピー性皮膚炎、鼻炎など)を起こします。ところが、交感神経がゆるむと、拡張した血管が正常に戻り、それらの症状も治まります。

②首すじのこりを取ることによる効果

 首すじのこりが取れると、首すじにあるネック・ホムンクルスもゆるみます。そのため、ネック・ホムンクルスがかかわる顔の症状がすべて改善します。

 例えば、首すじにある歯のポイントがこると、歯が悪いわけでもないのに、歯が痛みます。しかし、小指シップでそのこりが取れると、痛みも消失します。
 また、首すじがゆるむと、首すじの筋肉の間を通っている神経の圧迫が取れるので、手のしびれなども軽快していきます。

 シップをはるポイントは、手の小指の手のひら側の第1関節と第2関節の間です。具体的なやり方は上記のとおりです。
 小指シップは、症状のある側にはるのが基本です。右の目が痛い、右耳が聞こえにくいというように右側に症状があれば、右の小指にはってください。
 両側に症状があったり、口や鼻のように顔の中心にある器官の症状や、不眠、めまい、夜間頻尿といった全身性の症状には、両手の小指にはります。
 小指シップは即効性があり、はると約20秒で効果が表れ、はがすと約40秒で効果がなくなります。シップは6時間ではり替えるのが目安ですが、それ以上はっていても構いません。

→めまい、 耳鳴り効く小指湿布の解説記事はコチラ
→【体験談】めまいが改善した小指湿布の症例はコチラ

安田 譲
安田医院院長・神経内科専門医。長年の臨床経験から考案した「利き手・利き足理論」に基づく独自の治療を行う。著書に『シップかんたん自律神経健康法』(アマゾン電子出版)などがある。

これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに掲載しています。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

これらの記事にある情報は、効能や効果を保証するものではありません。専門家による監修のもと、安全性には十分に配慮していますが、万が一体調に合わないと感じた場合は、すぐに中止してください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


血圧が下がり26kg やせた!減量のスペシャリストに教わったダイエット法

血圧が下がり26kg やせた!減量のスペシャリストに教わったダイエット法

開業医でありながら、身長が183㎝で、体重が120㎏もあった私は、すし屋で「うちのジムに来ませんか」とボクシングジムの井岡弘樹会長に声をかけられたのです。私のダイエットメニューは、ジム通いと会長に教えていただいたコマツナジュースを朝食に取り入れることでした。【解説】大森孝平(大森クリニック院長)


【医師解説】首の後ろを温めると、糖尿病、高血圧、顎関節症の改善に効果あり

【医師解説】首の後ろを温めると、糖尿病、高血圧、顎関節症の改善に効果あり

高血圧や糖尿病などの生活習慣病をはじめ、体に起こるさまざまな不調の原因は、脳幹と呼ばれる部位の機能低下にあると私は考えています。【解説】沼田光生(海風診療所院長)


【降圧レシピ・ベスト4】お酢の血圧を下げる効果を促進する「飲み方」と「食べ方」

【降圧レシピ・ベスト4】お酢の血圧を下げる効果を促進する「飲み方」と「食べ方」

お酢の健康効果として代表的なのが、高めの血圧を下げる降圧作用です。今回は、お酢を毎日の食生活に取り入れやすくする、四つの方法をご紹介します。【解説】小泉幸道(東京農業大学応用生物科学部醸造科学科教授)、岡田研吉(銀座・研医会診療所漢方科)、村上祥子(料理研究家・管理栄養士)


突発性難聴による耳鳴りが改善し、飛蚊症も解消した秘密は「指の○を叩く」こと

突発性難聴による耳鳴りが改善し、飛蚊症も解消した秘密は「指の○を叩く」こと

全身の気や血液の流れがよくなり、耳鳴りや飛蚊症が改善する「指の股たたき」をご紹介します。【解説】留目昌明(和楽堂治療院院長)


【首の後ろ】を押すと、さまざまな病気や症状が改善する不思議

【首の後ろ】を押すと、さまざまな病気や症状が改善する不思議

「ピンポイント療法」には、第1頸椎と第2頸椎の二つのポイントを押す方法があります。ここでは、それぞれの押すポイントの見つけ方と、ピンポイント療法のやり方を説明しましょう。【解説】松久 正(鎌倉ドクタードルフィン診療所院長)


最新の投稿


【精神治療の現場より】ウォーキングは心の健康に効果有り ― うつ・不安障害・統合失調症の改善例

【精神治療の現場より】ウォーキングは心の健康に効果有り ― うつ・不安障害・統合失調症の改善例

ウォーキングには、特別な器具や場所が必要ありません。患者さんにも安心して勧められます。いつからでも簡単に始められますし、家にこもりがちな人には屋外に出るよい機会になります。【解説】大西 守(精神科医)


【足の爪の切り方】正しく切れば、冷えやむくみが解消 巻き爪も改善する

【足の爪の切り方】正しく切れば、冷えやむくみが解消 巻き爪も改善する

足の爪を切るとき、ほとんどの人は「短くすればいい」「形よく整えればいい」と考え、自己流で爪切りをしていると思います。しかし、爪切りは正しく行うと、巻き爪や角質など指先のトラブルが緩和されるだけでなく、全身の血の巡りが劇的に改善し、全身の健康にさまざまな効果をもたらします。【解説】室谷良子(日本フットケア協会師範)


【医師解説】野菜スープは強力な「解毒スープ」 放射能の健康被害も防ぐことができる

【医師解説】野菜スープは強力な「解毒スープ」 放射能の健康被害も防ぐことができる

私たちが日々食べる食品に、残留農薬、食品添加物、合成保存料、化学物質などが入っていないかどうかはとても気になるところです。理由は、それらが発がん物質になるからです。【解説】髙橋 弘(麻布医院院長・医学博士 ハーバード大学医学部元准教授)


【野菜スープ】食事制限なし!メタボや糖尿病をストレスなく解消できると医師が解説

【野菜スープ】食事制限なし!メタボや糖尿病をストレスなく解消できると医師が解説

私は、患者さんには厳しく制限をするよりも、ファイトケミカルたっぷりの野菜スープ(ファイトケミカルスープ)を生活の中に取り入れることによって、自然な形で食事の改善ができるように指導しています。【解説】髙橋 弘(麻布医院院長・医学博士 ハーバード大学医学部元准教授)


指圧名人が極意を伝授!脊柱管狭窄症の症状を改善する「腰のツボ」刺激

指圧名人が極意を伝授!脊柱管狭窄症の症状を改善する「腰のツボ」刺激

私の治療院にも、脊柱管狭窄症で悩んでいるかたがたくさんいらっしゃいます。そうした皆さんに試して、効果を上げているツボがあります。ここでは、その特効ツボを紹介します。【解説】佐藤一美(日本経絡指圧会会長)


ランキング


>>総合人気ランキング