【緑内障の予防・改善】高い眼圧が下がる効果も「目の温パック」で視力も回復

【緑内障の予防・改善】高い眼圧が下がる効果も「目の温パック」で視力も回復

緑内障の患者さんは、大抵まぶたが冷えていて、血流が悪くなっています。涙の油は、上下のまぶたの内側にあるマイボーム腺から分泌されます。まぶたの血流がよければ、マイボーム腺からスムーズに油が分泌されます。しかし、血流が悪いと、油が固まって分泌腺が詰まり、涙の質が悪くなるのです。【解説】平松類(東大宮総合病院眼科科長)


緑内障の人はまぶたが冷えている!

 現在、日本では、40代の20人に1人、70代の10人に1人が緑内障といわれています。しかし、その多くの人は、自分が緑内障だと気づいていません。自覚症状が出たときには、すでに病気が進行しており、失明する危険性もあるので、気をつける必要があります。

 緑内障を簡単に説明すると、眼圧(眼球内の圧力)が高くなって視神経が圧迫され、その障害が大きくなると、視野が欠けてくる病気です。
 原因は、ストレスや加齢が関係しているといわれています。まじめで責任感の強い人は、ストレスがたまりやすいので、注意が必要です。そのほか、近視や糖尿病、家族に緑内障のいる人なども、緑内障になりやすい傾向があります。また、ふだんの生活では、暗がりでの読書や、下を向くクセなどが、リスクを高める要因になります。

 緑内障は、眼底検査で見つけることができます。早期に発見されれば、点眼薬で進行をおさえられますから、特に、緑内障の危険因子の多い人は、定期的な眼科の受診をお勧めします。
 また、機能が低下した視神経を元に戻すことはできないので、緑内障とわかったら、今の目の状態を維持させることが大事です。そのため私は、点眼薬による治療だけでなく、日ごろのケアとして、患者さんに、目を温めることを勧めています。

 緑内障の患者さんは、たいていまぶたが冷えていて、血流が悪くなっています。そのせいで、涙の質が悪くなり、症状を悪化させる危険性があるのです。
 通常、涙は絶えず出ていて、目を潤し保護しています。ところが、涙の表面を覆っている油の層が少なくなると、涙を目にとどめることができず、目が乾燥してきます。それが続くと、目の奥が痛くなったり、見えにくくなったり、さらには頭痛を起こしたりします。
 涙の油は、上下のまぶたの内側にあるマイボーム腺から分泌されます。まぶたの血流がよければ、マイボーム腺からスムーズに油が分泌されます。しかし、まぶたが冷えて血流が悪いと、油が固まって分泌腺が詰まり、涙の質が悪くなるのです。

涙の質がよくなって目が見えやすくなる

温め方をご紹介しましょう。

●目の温パック
❶ タオルを2本用意します。
❷ タオルを水に浸して軽くしぼり、電子レンジで温めます。
❸ 熱すぎない温度(40度前後)になったら、目を閉じてまぶたの上にのせます。冷めてきたら、もう一つのタオルに替え、合計で5分ほど温めます。
 心地よい温度で、目の油を緩やかに溶かし、広げるようなイメージです。これを朝と夜の2回行ってください。
 お勧めは、入浴中に行うことです。40度前後のおふろのお湯なら、目を温めるには適温だからです。

●まぶたさすり
 目を温めて血流がよくなったあとに、まぶたをさすると、油の分泌がさらに促されます。マイボーム腺は縦に通っており、まぶたの際から、油が分泌されます。その腺に沿って、油を押し流すように軽くさすります。
❶ 右目を閉じ、人差し指を横にして上まぶたに当て、上から下に軽くさすります。上まぶたの3ヵ所(耳寄り・中央・鼻寄り)を、3回ずつ行います。
❷ 右目を閉じたまま、人差し指を横にして下まぶたに当て、下から上に軽くさすります。やはり、3ヵ所(耳寄り・中央・鼻寄り)を、3回ずつ行います。
 ① ② と同様のことを、左目にも行います。
 注意してほしいのは、絶対にまぶたを強く押さないこと。

 こうしてまぶたを温めてさすると、目の血流がよくなり、涙の質が改善するだけでなく、リラックスできます。ストレスは緑内障を発症する原因の一つなので、リラックスしてストレスを解消できることも、緑内障の進行防止に役立つのです。
 このケアをきちんとしている患者さんは、明らかに緑内障の症状が改善しています。

 まず、「目が見えやすくなった」という人が多くいます。これは、低下していた実用視力(通常の視力検査のような一瞬の最大視力ではなく、日常的に見えている視力)が回復したということです。
 また、「眼圧が下がった」という人もいます。涙の質がよくなると、眼圧を下げる点眼薬が目にとどまりやすくなるため、眼圧も下がると考えられます。

 点眼薬には、薬液の腐敗を防ぐために防腐剤が入っています。防腐剤は、涙の質を悪くしてしまうので、点眼薬を使っている人は、特に目の温パックを行ったほうがいいのです。
 なお、アレルギーがあって、目にかゆみや腫れがある場合、目の手術をした直後は、目の温パックやまぶたさすりは行わないでください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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