【自分で治せる】脊柱管狭窄症によく効く「多裂筋ほぐし」―ポイントは脊柱起立筋

【自分で治せる】脊柱管狭窄症によく効く「多裂筋ほぐし」―ポイントは脊柱起立筋

脊柱起立筋は、体の表層にある筋肉です。そして、この脊柱起立筋の下には、多裂筋という深層筋があります。脊柱管狭窄症になった人の多くは、この多裂筋がガチガチにかたくなっています。そこで私は、患者さんの多裂筋をマッサージする施術を行うようにしました。【解説】小林篤史(猫背矯正マイスターのいる治療院V-Style院長)


患者の背中がガチガチに かたくこわばっていた!

 脊柱管狭窄症は、患者数が増えているだけでなく、非常にやっかいな病気です。

 これは、神経が通っている脊柱管が狭くなって神経を圧迫し、足腰に痛みやしびれが出る病気です。さまざまな治療を施しても、この痛みやしびれはなかなか取れるものではありません。
 病状が悪化すれば、手術という選択肢もありますが、手術をしたからといって、必ずしもよくなるとは限らないのです。
けっきょく、痛みやしびれが消えないケースは実に多いといえます。

 私の治療院には、ほかのいろいろな病院や整骨院などに通ってみたものの、「どこに行ってもよくならない」という脊柱管狭窄症の患者さんがたくさんやってくるのです。
 私は、そうした患者さんをたくさん診ているうちに、一つ気づいたことがありました。それは、腰の部分の、特に背骨の両わきの筋肉が、非常にこわばっているということです。

 背骨の両わきには、脊柱起立筋という大きな筋肉があります。首から腰まで走っている複数の筋肉群で、体幹を安定させ、体の大きな動きにもかかわっている重要な筋肉です。
 脊柱起立筋は、体の表層にある筋肉(アウターマッスル)です。そして、この脊柱起立筋の下には、「多裂筋」という深層筋(インナーマッスル)があります。

 背骨というのは、椎骨という小さなパーツが積み上がって1本の背骨を構成しています。多裂筋は、椎骨と椎骨とを直接つなぎ、体を安定させる働きをしているのです。
 インナーマッスルである多裂筋は、アウターマッスルの脊柱起立筋とともに、私たちの体を支えている非常に重要な筋肉です。

 脊柱管狭窄症になった人の多くは、この多裂筋がガチガチにかたくなっているのです。そこで私は、脊柱管狭窄症の患者さんの多裂筋をマッサージする「多裂筋ほぐし」の施術を行うようにしました。

 ただ、治療院での施術だけでは1週間に30分程度しか刺激できないので、患者さんご自身でも、この多裂筋ほぐしを実践してもらうように勧めたのです。
 そして、多くの患者さんがご自宅で毎日、多裂筋ほぐしを続けたところ、ガチガチにかたくなっていた背中のこわばりが、しだいにゆるんできたのです。毎日きちんと刺激を続ければ、おおよそ2〜3週間で、かなりやわらかくなります。すると、脊柱管狭窄症の痛みやしびれもしだいに落ち着いてくることがわかってきました。

 この多裂筋ほぐしによって、狭くなった脊柱管が広がるわけではありません。ただ、背骨を支えている多裂筋を柔軟にすることが、脊柱管の狭窄により圧迫されている神経や、周辺の血管の状態を改善することは確かだと思います。こわばった多裂筋を刺激し、患部周辺の血流をよくすれば、脊柱管狭窄症の痛みやしびれの軽減につながると考えています。

レベル10だった痛みや ​しびれが3まで減る!

 多裂筋ほぐしを行うと、効果は着実に現れます。レベル10だった痛みやしびれが、3から4くらいまで減ることもまれではないのです。

 多裂筋は、背骨に沿って分布しています。そのうち、腰の上から背中の辺りまでを指で押してほぐすのが「多裂筋ほぐし」です。
 背骨の両わきに盛り上がっている筋肉があります。それが脊柱起立筋です。この脊柱起立筋の内側の背骨のきわ、下は腰骨から上は背中の辺りまでが刺激するゾーンになります。

(1)足を肩幅程度に開いて立ち、肩の力を抜いてリラックスしましょう。
(2)親指を除く4本の指を背中に当てて押し込み、押し込んだところで、上下に動かして刺激しましょう。1回の刺激につき、左右計2分ほど刺激すれば十分です。

 刺激は、片側ずつ行ってください。両側を同時に行うと、どうしても集中できず、うまく刺激できないからです。
 脊柱管狭窄症は、加齢によって、しだいに進行していくことが予想されます。だからこそ、多裂筋ほぐしは、毎日根気よく続けていくことが肝心です。筋肉のコンディションを整えていけば、脊柱管狭窄症の症状を軽減させるだけではなく、その進行を食い止めることにもつながります。

小林篤史
 猫背矯正マイスターのいる治療院V-Style院長。柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。大学で機能解剖学やトレーニング理論を専攻。「猫背を治せば体は治る」の考えをもとに治療プログラム「猫背矯正」を開発。現在は、一般社団法人日本施術マイスター養成協会を立ち上げ、治療家の育成にも尽力している。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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