脱毛症の名医が勧める「爪もみ」療法 ~ 頭皮の血流を改善し発毛を促進

脱毛症の名医が勧める「爪もみ」療法 ~ 頭皮の血流を改善し発毛を促進

自律神経を整え、末梢の血流をよくし、発毛を促進する「爪もみ」のやり方をご紹介します。【解説】永野剛造(永野医院院長)


永野剛造
東京慈恵会医科大学卒業。慈恵医大病院勤務を経て、東洋医学と西洋医学を併用する「統合的医療」を目指し、永野医院を開設。日本自律神経免疫治療研究会会長。

円形脱毛や若ハゲを含む重症の脱毛症の原因

 私の医院には、円形脱毛や若ハゲを含む、重症の脱毛症に悩む患者さんが多く訪れます。私はそうした患者さんに、自律神経を整え、末梢の血流をよくし、気(エネルギー)を高める治療を行うとともに、セルフケアとして「爪もみ」をお勧めしています。これにより、治療効果がさらに高まるからです。
「なぜ、爪もみがいいのか」はのちほど説明することにして、まず脱毛が起こるしくみについてお話ししましょう。

 加齢や心身の疲労などによるエネルギーの低下は、脱毛を促進します。これは、すべての脱毛に共通する原因です。
 髪は、体の末端にあり、酸素や栄養が行き渡りにくい部分です。にもかかわらず、髪は1ヵ月に1㎝も成長することからわかるように、細胞の分裂がさかんで、多くの酸素や栄養、エネルギーを必要としています。
 そのため、頭皮への酸素や栄養がふじゅうぶんだと、脱毛や白髪が起こりやすくなります。
 このように髪は非常にデリケートで、免疫系の低下や栄養不足、体調不良を如実に教えてくれる部位でもあるのです。

 さらに、脱毛が起こる大きな原因として見逃せないのが、心身のストレスです。
 マリー・アントワネットが、投獄されて一晩で白髪になったという逸話があります。真偽のほどはともかく、ストレスと頭髪が密接にかかわっていることを示す話ではあります。
 過剰なストレスを受けると、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が緊張状態になります。すると、毛組織に栄養を送る頭皮の血管が収縮し、血流不足に陥るのです。
 血流が不足すれば、栄養障害が起こり、不完全な細胞が多くなります。このような不良細胞を排除する働きをしているのが、白血球中のリンパ球です。栄養不足によって毛組織の不良細胞がふえると、リンパ球が過剰反応を起こして毛根を攻撃し、不良細胞を排除しようとします。そのため、髪が抜け落ちてしまうのです。

 私のもとを訪れる患者さんの円形脱毛症は、10円玉程度の大きさのものから、頭髪がすべて抜けてしまうものまで、さまざまです。しかし、私の治療の基本は、自律神経を整えることと、体内エネルギーを高めることの2点だけです。
 患者さんの状態によって、私の医院で行う治療内容は変わってきます。ただ、どの患者さんにもいえるのは、自宅でのセルフケアが、治癒への近道になるということです。

脱毛症、薄毛に効く爪もみのやり方図解

 簡単に実践でき、効果の高いセルフケアとして患者さんに勧めているのが、爪もみです。福田稔医師(故人)が考案した家庭療法です。
 爪もみでは、爪の生え際の「井穴」というツボをもみます。井穴は東洋医学において、気が流れ出るとされるツボです。
 気の働きは、生命活動の源となる自律神経に相当します。爪の生え際は、神経が多く集まる感受性の高い場所でもあるので、ここをもめば、自律神経に即座に刺激が伝わり、そのバランスが整うのです。

 髪と爪はどちらも皮膚の一部で、末端に位置する組織です。したがって、交感神経の緊張で頭皮の血流が不足している人は、指先の血流も悪くなっているケースが少なくありません。こういう人の爪は、栄養不足ででこぼこになったり、ボロボロになったりします。
 つまり、爪は全身の血流状態が現れる場所なのです。爪もみを行えば指先の血流がふえ、交感神経の緊張も緩和されます。そして、爪の状態がよくなってくれば、それは、同時に頭皮の血流も改善してきたサインです。脱毛症も、少しずつ快方に向かうでしょう。
 脱毛症に悩む患者さんには、共通した特徴があります。きまじめな性格で、肩こりや冷えがあるのです。交感神経が緊張して血管が収縮し、血流障害を起こしている証拠です。

 性格を変えるのは難しいと思いますが、体を冷やさず、同じ姿勢を取らないように注意し、目を酷使しない生活を心がけましょう。
 そして、1日のうち、気がついたときに、爪もみをするようにしてください。爪もみをすることで自律神経が整い、全身に気が巡ります。エネルギーが充満してくれば、頭皮に栄養が行き届くと同時に、ストレスにも強くなってきます。
 爪もみは、円形脱毛症だけでなく、加齢による脱毛や薄毛にも効果が期待できます。いつでもどこでも、実行できる健康法です。ぜひ役立ててください。

これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに掲載しています。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

これらの記事にある情報は、効能や効果を保証するものではありません。専門家による監修のもと、安全性には十分に配慮していますが、万が一体調に合わないと感じた場合は、すぐに中止してください。

この健康情報のエディター

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