実はあなたにもある?知られざるアレルギー【遅発型食物アレルギー】

実はあなたにもある?知られざるアレルギー【遅発型食物アレルギー】

特に思い当たる原因もなく、体調が優れない……。食べて数時間後〜数週間後と、アレルギー症状が遅れて出てくる「遅発型食物アレルギー」をご存知でしょうか。じんましんなどが出る「即時型食物アレルギー」とは違いあまり知られていません。【解説】澤登雅一(三番町ごきげんクリニック院長) 


実はあなたにもある?知られざるアレルギー

 特に思い当たる原因もなく、体調が優れない……。そう感じていたら、下のチェックリストをやってみてください。「食生活」と「不調」に各2つ以上当てはまったら、食物アレルギーのせいかもしれません。

 食物アレルギーと言えば、特定の食物を食べると、じんましんなどが出るものを思い浮かべるでしょう。すぐに症状が現れるため、「即時型食物アレルギー」と呼ばれます。

 一方、あまり知られていませんが、食べて数時間後〜数週間後と、アレルギー症状が遅れて出てくることもあり、これを「遅発型食物アレルギー」と呼んでいます。

 「遅発型」は、慢性的な疲労感、頭痛、めまい、眠気、不眠、イライラ、うつ、肩こり、便秘、下痢、肌荒れ、にきび、アトピー性皮膚炎などとなって現れます。

原因は「食物そのもの」と「腸粘膜の破たん」がある

 食物アレルギーは、通常は害のない食物に対して、体に備わる免疫のしくみが反応してしまい、抗体(免疫グロブリン)という物質を大量につくり出すことで引き起こされます。

 即時型アレルギーに関与するのは「IgE」抗体です。IgEは、ヒスタミンなどの物質を放出させ、じんましんやかゆみ、くしゃみなどの症状を引き起こします。

 一方、遅発型には「IgG」という抗体が関わっています。IgGはアレルゲンと結合すると「免疫複合体」と呼ばれる物質を形成します。免疫複合体は、血流に乗って体内を循環し、あちこちの臓器や組織に運ばれます。そこで蓄えられ、限度を超えたときに症状が出始めます。

 一般に、日本の病院で行われる食物アレルギー検査ではIgE抗体しか調べませんから、遅発型食物アレルギーは発見されません。

 私のクリニックでは、患者さんから採血した血液をアメリカの専門機関に送り、IgG抗体について調べます。調べる食物は96品目に上ります。こうして患者さん約600名のデータを分析したところ、次のようなことがわかってきました。

 まず、遅発型食物アレルギーには大きく2つのパターンがあります。
「食物そのものが主な原因のパターン」では、特定の食物(卵白、卵黄)に強い反応がありますが、ほかの食物にはほとんど反応が見られません。一方、「腸粘膜の破たんが原因のパターン」では、特定の食物にだけではなく、ほとんどすべての食物に、ある程度の反応が見られます。後者については、次項に詳しく述べます。

 まず、食物そのものが原因の場合、年齢や性別を問わず、日本人にアレルギー反応が出やすい食物があるとわかってきました。卵(卵白・卵黄)、牛乳、ヨーグルト、カゼイン(乳製品に含まれるたんぱく質)、チーズ、製パン用イースト(酵母)です。

 年代別では、50代以上より、40代以下の人に強いアレルギー反応が多く見られる傾向があります。食生活の欧米化が影響しているのではないかと考えています。

 さて、自分の好物やしょっちゅう食べていたものがアレルゲンだったと判明すると、「もう一生、食べてはいけないのですか?」とよく聞かれます。

 ご安心ください。遅発型食物アレルギーの多くは「食べすぎ」が問題なので、その食物を一定期間だけ食べないようにすれば、アレルギー反応が弱くなるのが大きな特徴です。その後は自分の体と相談しながら、食べていいのです。

澤登雅一
1967年、東京都生まれ。92年、東京慈恵会医科大学卒業後、日本赤十字社医療センターに内科医として勤務。2005年より三番町ごきげんクリニック院長。病気を診る立場から、病気にならないことの重要性を痛感し、アンチエイジング医療を実践。東海大学医学部血液腫瘍内科非常勤講師、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授を兼任。医学博士。著書に『その「不調」、あなたの好きな食べ物が原因だった? 遅発型フードアレルギー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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