くり返すひざ痛も改善できる!足首とひざの関節のズレを正し柔軟にする足首回し

くり返すひざ痛も改善できる!足首とひざの関節のズレを正し柔軟にする足首回し

「ひざ痛は治療しても、なかなか改善しない」という悩みを持つ人が、年代を問わず多くなっています。実は、その原因の多くは「足首」にあります。足首が傾いたり硬くなったりすると、ひざに痛みが出るため、ひざだけを治療しても解消しないのです。【解説】岩間良充(鍼灸整骨院ホスピスト院長)


ひざ痛患者の9割は足首が傾いている

「ひざ痛は治療しても、なかなか改善しない」という悩みを持つ人が、年代を問わず多くなっています。
 実は、その原因の多くは「足首」にあります。足首が傾いたり硬くなったりすると、ひざに痛みが出るため、ひざだけを治療しても解消しないのです。

 なぜ足首が悪いと、離れたひざに痛みが出るのでしょうか。それは、骨はすべてジグソーパズルのようにつながっており、骨を支えたり動かしたりしている全身の筋肉も、単独で存在しているのではなく、互いに連動しているからなのです。

 例えば、足首の骨が外側に傾いてしまった場合を考えてみましょう。足首の骨が傾くと、足首の上にあるすねの骨と、その上にあるひざにも、外側に傾こうとする力がかかります。すると、その力に対抗し、ひざを外側に傾かせまいとして、ひざ周辺の筋肉が働きます。この状態が続くと、ひざ周辺の筋肉に負担がかかり、ひざ痛が発生してしまうのです。
 足首の問題を取り除かない限り、ひざ痛の解消はなく、ひざだけを治療しても痛みがぶり返すというわけです。
 実際、ひざに痛みを訴える患者さんの足首は柔軟性がなく、およそ9割の人に、正常の位置ではない傾きが見られます。
 足首の傾きの多くは、長年の生活習慣によります。歩き方、立ち方、座り方などのクセが長年くり返されることにより、足首が傾いてくるのです。

 なお、足の裏が内側を向いた状態で、足首が外側に傾いてしまうのをO足首、逆をX足首と呼んでいます。ほとんどの人は、O足首、つまり足首が外側に傾いています。
 また、加齢により筋力が低下してくると、変形が助長されます。高齢になるほど、足首が外側に曲がってくる人が増えるのも、こうした理由からです。

 また、近年の生活様式では、しゃがむ動作が少ないということもあり、足首が硬い子どもも多いようです。

 床にかかとをつけたまましゃがめない、正座したときに足の裏にお尻が乗らないのは、足首が硬くなっている証拠です。

 外側に曲がった足首を放っておくと、ひざはそれにつられて外側にねじれてきます。すると、そのねじれに耐えようと、ひざから腰周辺につく筋肉が働いて、ひざから上を内側に戻そうとするので、股関節が内側にねじれます。

 これを放置すると、今度は骨盤が引っ張られて前に傾き、体の重心が前になります。その結果、体はバランスを取ろうとして、ネコ背になり、ひざが前に曲がってしまいます。

筋肉をゆるめ関節の負荷を減らす

 このように、足首の傾きは体全体に波及します。すると、関節に余計な負荷がかかるため、それがひざなどの関節痛となって、表面化するのです。
さらに、足首が硬いとひざの可動域も狭くなり、その影響でもひざに痛みが出ます。

 そこで、私が提案しているのが2種類の「足首回し」です。一つ目の「テコ回し」は、足先とかかとを左右の手で持って大きく回します。このとき、すねの骨が回転し、ひざ周辺の筋肉がストレッチされる感覚を意識します。

 それにより、足首の関節とひざの関節のズレを、同時に改善することができます。また、硬くなった筋肉もゆるみ、足首が柔らかくなります。
 足首とひざの間には、体重を支える太い骨(頸骨)と、その外側についた細い骨(腓骨)があります。
 足首が傾いていると、この両方の骨にかかる荷重バランスがくずれ、関節がずれたり、そのズレを補おうとして働く筋肉から痛みが生じてきたりします。
 足を左右の手で持ってテコのように回すと、脛骨も一緒に動きます。その結果、足首の関節とひざ関節を正常な位置に戻すことができるのです。

 さらに、「中足回し」で、足の足根骨という骨や筋肉をしっかり動かします。すると、ふくらはぎや太ももの裏側の筋肉を、ゆるめることができます。
 筋肉は連動していますから、足首周辺がゆるめば、ひざの周辺もゆるみます。筋肉が硬いままでは、関節が正常な状態になっても、筋肉に引っ張られてまたすぐに戻ってしまいます。でも、筋肉がゆるめば、そのまま正常な位置を維持できます。

 また、関節が正常な位置に戻り、筋肉がゆるむことで関節に余計な負荷がかからなくなると、可動域が広がります。その結果、動きやすく、姿勢もよくなっていくのです。

 私は、外傷などで歩行が困難になった患者さんのリハビリを担当したときも、足首のリハビリから始めていました。足首の可動域を広げないと、歩行できるようになるまでに、時間がかかるからです。
 足首回しは自分でできるので、習慣化すれば、がんこなひざ痛の症状も改善します。できるだけ毎日、継続して行ってください。早い人なら、2〜3日で変化を感じるでしょう。

岩間良充
 青森県生まれ。赤門鍼灸柔整専門学校卒業。器具を使わずに自らの手で行う手技療法を得意とし、これまでに延べ20万人の患者を治療。頭痛ゾーン療法協会代表、柔道整復師、ケアマネージャー。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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