胃ガンのリスクが半減!高い血糖値や血圧を下げ血栓も予防するタマネギの威力

胃ガンのリスクが半減!高い血糖値や血圧を下げ血栓も予防するタマネギの威力

効能を最大限に引き出すタマネギの調理法についてご説明いたします。【解説】齋藤嘉美(成和会介護老人保健施設・むくげのいえ施設長)


コレステロール値や中性脂肪値も改善!

 タマネギを調理するとき、あなたはどんな手順でタマネギを扱っていますか? 水にさらしてから使う、切った後すぐに加熱する……、これらのことをやってはいませんか? 
 この方法は、調理法としては間違ってはいません。しかし、タマネギの効能を最大限に引き出すことができず、大変「もったいない」調理法なのです。
 タマネギが健康にいいことは、すでに、多くの人がご存じでしょう。主な効能だけでも次のようなものが挙げられます。
●ガンの抑制
 タマネギには、ガンを抑制する効果があります。1日に2分の1個以上のタマネギを食べると、胃ガンになるリスクが半分以下になる、という調査結果も報告されています。
●脂質異常症の改善
 タマネギは、コレステロール値や中性脂肪値を改善する作用があります。私が脂質異常がある十数名を対象に行った臨床試験では、20週のタマネギ摂取で、総コレステロール、中性脂肪の平均値が有意に低下しました。
●血糖値の改善
 タマネギには、インスリンの効きをよくして、血糖値を下げる作用があると考えられます。私が高血糖の22名を対象に行った臨床試験では、4ヵ月にわたってタマネギ4分の1個を摂取してもらいました(実際にはタマネギのエキスを濃縮した健康食品で代用)。すると、80%の被験者の血糖値が低下し、最終的に、6名が糖尿病の薬が不要となりました。
 そのほかにも、タマネギには血圧の降下、動脈硬化の防止、血栓(血液の塊)の予防、炎症の鎮静、ぜんそくの抑制、強肝、目の保護、老化防止、便秘改善などの効果が確認されています。

効能を最大限に引き出すタマネギの調理法

 こういったタマネギの効能をもたらす成分は、硫黄を含む物質とケルセチンというフラボノイド(植物に含まれる抗酸化作用を持つ成分でポリフェノールの一種)、主にこの二つと考えてよいでしょう。
 硫黄を含む物質には数種類ありますが、高い効果をもたらす成分の一つに、チオスルフィネートという成分があります。タマネギを切ると涙が出るのは、この成分のせいです。
 実は、切る前のタマネギには、チオスルフィネートは含まれていません。というのも、チオスルフィネートは、タマネギを切ったとき、イソアリインという成分とアリナーゼという酵素が反応してできる物質だからです。 
 タマネギの中でこの反応がすべて終わるのに、20~30分ほどの時間がかかります。切ってすぐに加熱すると、この反応が止まってしまいます。
 特に、ぜんそくの抑制、炎症鎮静、血栓予防、殺菌の四つは、チオスルフィネートだけが持つ作用です。これらの効能を目的とするなら、必ず、タマネギを切ってから20~30分は空気にさらしておきましょう。
 また、タマネギの辛みは、硫黄を含む成分がもたらしています。ところがこの成分は、水にさらすと流れ出てしまいます。タマネギの薬効をふんだんに摂取したい場合は、絶対に水にさらさないようにしましょう。
 ちなみに、硫黄を含む物質は、黄色種のタマネギに多いです。新タマネギは、水分が多い分、硫黄物質の含有量が少なめです。つま
り、健康のためには黄色種のタマネギを選ぶといいわけです。
 まとめると、タマネギの効能を最大限に得るためには、
①水にさらさない
②切ってから20~30分空気にさらす
 この二点を心がけましょう。なお、タマネギの効能は、加熱で失われることはありません。
 余談ですが、調理に使う油も気を付けたいものです。脂質異常の改善、血栓予防など、タマネギと共通の効果を持つ油を使うと、効能が高まります。具体的には、ゴマ油、オリーブ油、ナタネ油などがお勧めです。
 また、タマネギを別の食材と組み合わせることで、健康への効果をさらに高めることもできます。 例えば、
●糖尿病→タマネギ+キノコ類
●高血圧→タマネギ+ジャガイモ、タマネギ+チリメンジャコ
●疲労回復→タマネギ+豚肉
●血圧・血糖値の低下→タマネギ+黒酢、タマネギ+カボチャ
 などの組み合わせです。
 表には、目的別にタマネギの必要摂取量とお勧めの調理法をまとめました。参考にしてくださると幸いです。

齋藤嘉美
1932年東京生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部講師を退官後、西新井病院内科医師などを経て、現職に至る。日本脈管学会評議員。日本血液学会認定医・指導医。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


食事制限なし運動なしで糖尿病・痛風を克服!実践した「耳もみ」のやり方とは

食事制限なし運動なしで糖尿病・痛風を克服!実践した「耳もみ」のやり方とは

私の治療室ではフランスのノジェ博士が提唱した「耳介医学」に沿って、耳針治療をしています。私が特に注目しているのは、耳の中央付近にある「星状神経節」に対応するポイントです。私は自分の糖尿病も耳への刺激治療で治しました。また、血糖値の高い患者さんに「耳もみ」を勧め効果を上げているのです【解説】塚見史博(塚見鍼灸治療室院長)


【薄毛の原因は活性酸素】対策は、腸内細菌を増やす「きのこ・大豆・青魚・玄米」を積極的に食べること

【薄毛の原因は活性酸素】対策は、腸内細菌を増やす「きのこ・大豆・青魚・玄米」を積極的に食べること

私の髪は、よみがえったのです。55歳で薄毛を自覚してからの10年間、私は、世間で「ハゲに効く」とされる、ありとあらゆる方法を試しました。しかし、薄毛を改善することはできませんでした。しかし、その後、私の髪の状態は大きく改善し始めます。その理由とは……。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)


医師が実践【食前キャベツ】血糖値が下がって正常化!33kgやせてウエストが36‌cm縮小

医師が実践【食前キャベツ】血糖値が下がって正常化!33kgやせてウエストが36‌cm縮小

私の専門は循環器内科で、主に心臓病の患者さんを診察しています。そうした患者さんの中には血糖値が上がり、動脈硬化の遠因となる糖尿病を併発しているかたも少なくないので、日ごろから糖尿病の治療も行っています。【解説】簗瀬正伸(国立循環器病研究センター移植部医師)


タマネギの皮捨ててる?薄皮に含まれる知られざる薬効

タマネギの皮捨ててる?薄皮に含まれる知られざる薬効

タマネギを調理する際、皆さんは、タマネギの薄皮をどうしているでしょうか。ほとんどかたは、無用のゴミとして捨ててしまっているしょう。しかし実は、このタマネギの薄皮には、無造作に捨ててしまうにはもったいない薬効が含まれています。【解説】三浦於菟(東邦大学東洋医学科客員教授 吉祥寺東方医院院長)


「パスタとピザ」「コロッケとトンカツ」血糖値を上げにくいのはどっち?

「パスタとピザ」「コロッケとトンカツ」血糖値を上げにくいのはどっち?

「さて、では問題です。パスタとピザなら、どちらが血糖値を上げにくいでしょう。コロッケとトンカツでは、どちらでしょう。」糖質の少ないものを選んで食べれば、糖尿病でもおいしい料理を楽しめます。つらい食事制限もなく糖尿病が改善し、おまけに、無理なく痩せられる方法をご紹介します。【解説】渡辺信幸(こくらクリニック院長)


最新の投稿


食事制限なし運動なしで糖尿病・痛風を克服!実践した「耳もみ」のやり方とは

食事制限なし運動なしで糖尿病・痛風を克服!実践した「耳もみ」のやり方とは

私の治療室ではフランスのノジェ博士が提唱した「耳介医学」に沿って、耳針治療をしています。私が特に注目しているのは、耳の中央付近にある「星状神経節」に対応するポイントです。私は自分の糖尿病も耳への刺激治療で治しました。また、血糖値の高い患者さんに「耳もみ」を勧め効果を上げているのです【解説】塚見史博(塚見鍼灸治療室院長)


皮ごと摂取で飛蚊症改善!ダイエットや関節痛にも高い効果を発揮する【ショウガ氷】

皮ごと摂取で飛蚊症改善!ダイエットや関節痛にも高い効果を発揮する【ショウガ氷】

ショウガに含まれる、ジンゲロールとショウガオール(ショウガを加熱または乾燥すると、ジンゲロールがショウガオールに変化する)という二つの薬効成分が、病気や症状を改善する優れた効能をもたらします。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)


今日からあなたもジンジャラー!体の機能を高める【ショウガ氷】基本の作り方

今日からあなたもジンジャラー!体の機能を高める【ショウガ氷】基本の作り方

ショウガは、漢方薬の材料としても使われ、体のさまざまな機能を高めてくれることはよく知られています。ショウガを日常的に活用している人を「ジンジャラー」と呼びますが、私自身、自他ともに認めるジンジャラーです。1日に取るショウガの量は、およそ30g。さまざまな料理にショウガを使います。【解説】浜内千波(料理研究家)


【インフルエンザ予防に】ミカン丸ごと美味レシピ(2)

【インフルエンザ予防に】ミカン丸ごと美味レシピ(2)

ミカンの持つ、驚くべき薬効を知ったら、できれば皮ごとミカンを食べたくなってしまいますよね。そこで、このレシピでは、ミカンを皮ごとおいしくいただくレシピをご紹介します!どれも短時間で簡単に作れるものばかりです。【料理・レシピ考案】神田美紀(薬膳料理研究家)


【体質別】血圧を下げる「降圧食」 ― 体力のある人は椎茸スープ、ない人は小豆昆布

【体質別】血圧を下げる「降圧食」 ― 体力のある人は椎茸スープ、ない人は小豆昆布

私のクリニックでは、現代医学や漢方などのほか、食事療法をベースとした、薬に頼りすぎない治療を提案しています。具体的には、日本の伝統食にのっとった食事法の一つ、マクロビオティックをもとに、食事の指導をしているのです。ここでは高血圧を食事で改善する「血圧を下げる降圧食」をご紹介します【解説】三浦直樹(みうらクリニック院長)


ランキング


>>総合人気ランキング