【医師考案】自律神経の乱れを整え不定愁訴に効く「湿布療法」は即効性あり

【医師考案】自律神経の乱れを整え不定愁訴に効く「湿布療法」は即効性あり

ストレスなどで、自律神経のバランスがくずれると、めまい、肩こり、頭痛、不整脈、過敏性大腸炎、パニック障害、うつ病など、さまざまな症状・病気が起こります。長年この病気と向き合ってきて、自律神経疾患の患者さんに必ず強いこりがあることに気づきました。私が考案したシップ療法をご紹介しましょう。【解説】安田 譲(安田医院院長)


七つのシップ療法で自律神経疾患を改善

 神経内科を専門とする私の医院には、自律神経のバランスがくずれて起こる、自律神経疾患の患者さんが多数来院します。
 自律神経とは、内臓や血管の働きを調整する神経で、活動をつかさどる交感神経と、安らぎをもたらす副交感神経によって成り立っています。

 ストレスなどで、この二つの神経のバランスがくずれると、めまい、肩こり、頭痛、不整脈、過敏性大腸炎、パニック障害、うつ病など、さまざまな症状・病気が起こります。
 自律神経は全身にはりめぐらされていますから、症状は実に多彩で、体のあらゆる器官や臓器に起こる可能性があります。しかし、自律神経疾患の研究はまだ不十分で、有効な診断法や治療法がないのが現状です。

 私は、長年この病気と向き合ってきて、あることを発見しました。自律神経疾患の患者さんを診察すると、必ず背中、首すじ、腕のどこかに強いこりがあります。そして、症状が改善してくると、そのこりが柔らかくなってくるのです。
 さらに研究を続けた結果、背中、首すじ、腕には、体の器官や臓器と1対1で対応する領域(ポイント)があり、症状のある器官や臓器に対応して、そこが硬くこっていることがわかりました。

 それなら、そのポイントのこりをほぐせば、対応する症状は改善するのではないか。そう考えて考案したのが、今回ご紹介する、「シップ療法」です。
 私は現在までに、以下の七つのシップ療法を考案しました。

①小指シップ
②ひじ・腕シップ
③ひざ裏シップ
④腰シップ
⑤足小指シップ
⑥わきシップ
⑦手シップ

 これらを駆使すると、ほぼ全身の症状に対応できます。
 具体的には、小指シップとひじ・腕シップは首から上の症状、腰シップは腰から首までの症状、ひざ裏シップは首から下の症状、足小指シップは下肢(足)の症状、わきシップは首の寝違え、手シップは五十肩のような肩の痛みによく効きます。
 これで、ほとんどの自律神経疾患を改善に導くことができると、自負しています。

入浴後にはって翌朝はり替えるのがお勧め

シップがなぜ全身の自律神経疾患に効くのか、そのメカニズムもわかりました。それは、次の二つに集約できます。

①交感神経の緊張をゆるめる
 一般に、筋肉が緊張すると、交感神経も緊張します。それは、筋肉と腱の境目に、交感神経の受容体があるからです。シップをはると、この受容体がゆるみ、交感神経の緊張がほぐれるのです。
 交感神経の緊張は、瞳孔でわかります。瞳孔は交感神経が緊張していると開き、ゆるむと縮みます。シップをはると瞳孔が小さくなり、交感神経の機能が低下したことがわかります。

②体の器官や臓器と対応するポイントがゆるむ
 交感神経がゆるんで筋肉のこりが取れると、体の器官や臓器に対応するポイントもゆるみます。それによって、対応する部分の症状が改善します。

 こうした作用をもたらすシップの成分もわかってきました。パップ剤に使われている、グリセリンです。
 グリセリンには、組織に素早く浸透して、組織を柔らかくする作用があります。これが交感神経の受容体に作用して、交感神経の緊張をゆるめるのです。

 したがって、シップをするときは、必ず白いネバネバした成分の付いた、冷感タイプの「パップ剤」を使用してください。薄いプラスター剤にはグリセリンが入っていないため、効果がありません。

 シップは、はるとすぐに効果が表れ、6時間以上効果が持続します。ですから、6時間を目安にはり替えるといいでしょう。入浴後にはって、翌朝はり替えるのがお勧めです。

 なお、アスピリンぜんそくのある人、非ステロイド系の消炎鎮痛剤に過剰反応を起こしたことのある人は、シップをしてはいけません。代わりに、グリセリンをガーゼに浸してはっても、同じ効果が得られます。グリセリンは、薬局で購入できます。
 私はこのシップ療法を始めて、薬を最少限に抑えられるようになりました。シップはほとんど副作用がないので、患者さんに安心して使っていただけます。

→小指シップのやり方はコチラ

シップ療法を考案した安田先生

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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