視力より「眼力」を強化せよ―脳も外見も若返らせ、幸運を引き寄せる!

視力より「眼力」を強化せよ―脳も外見も若返らせ、幸運を引き寄せる!

「眼力」を鍛えれば脳も外見も若返り、直観力も運もアップするのです。「眼力」とは、文字どおり目の力のことですが、単なる視力とは違います。視力、つまりものを見る力は、目が持っている能力のごく一部に過ぎません。眼力を強化するトレーニングのやり方を紹介します。【解説】栗田昌裕(群馬パース大学学長・内科医) 


私たちの目には本来もっとすごい力がある

 あなたは、1日に何回くらい空を見ますか?
 こんなことを聞くのは、実は空を見ることが私たちの「眼力」の強化につながるからです。

 「眼力」とは、文字どおり目の力のことですが、単なる視力とは違います。視力、つまりものを見る力は、目が持っている能力のごく一部に過ぎません。

 そこで私は、目にまつわるすべての力を総称して眼力と呼んでいるのです。

 目は、単にものを見るだけでなく、外界の情報を取り入れる主要な器官です。さらに、目から取り入れた情報を脳で処理する力まで含めたのが、私の言う「眼力」です。

 私たちの眼力は、本来は、一般に思われているより、けた違いにすぐれています。しかし、その眼力を発揮したくとも、2つの制約がかっているため、多くの人は、眼力をほとんど発揮できていません。
 
 1つは、目の「中心視野」を使うという制約です。日常、多くの人は、目の網膜の中心にあり、最も識別力が高い黄斑という部分でものを見ています。これが中心視野で、細かく精密に見える半面、視野は狭くなり、情報収集速度は遅くなります。

 中心視野以外の網膜の領域を「周辺視野」と言います。周辺視野も使ってものを見れば、情報収集の効率が極めて高くなります。例えば、優れたサッカー選手は周辺視野を使い、フィールド全体を俯瞰するように見ていると言われます。しかし、大部分の人はそうした目の使い方に慣れていません。

 もう1つは、「音読」という制約です。多くの人は、声を出さなくても、音読するように文章を読みます。背景には、現代の文字が音読用に作られていることがあります。古代の象形文字は、1つひとつにメッセージがあり、膨大な情報を瞬時に伝達しました。

 しかし、そこに音を加味したときから、情報伝達はしゃべる速度に制約されるようになったのです。

 これら2つの制約に封じられて、情報収集の速度や効率を著しく落としているのが、人間の眼力の現状です。

目には「生命力」とともに「運を開く力」が宿る

 動物の中で、情報収集のさいに中心視野を主に使い、話す速度に制約されているのは、人間だけです。

 目は本来、両目を合わせて1億個超に及ぶ視細胞から成り、たちまちのうちに膨大な情報を収集・処理できる力を持っています。

 普段から周辺視野をしっかり使えていると、目は自分から半径数十㎞の情報をとらえられます。そこには空間に加え、「時間」を認識する力も含まれます。これが「時空能力」です。

 時空能力は簡単な言葉で言い換えると、「直観力」です。「観」は見るという意味です。大きな空間と時間で物事を見てとらえるのが時空能力、すなわち直観力です。

 人間を含むすべての動物は、眼力の1つである時空能力を、ごく普通に使ってきました。

「説明はできないけれど、今そっちにいくと危ない」「今はこっちに行くときだ」と、時空能力で知って生き延びてきたのです。その力に長けた種が生き延び、その力の劣った種は滅んでいきました。

 現代の人間社会でも、基本は同じです。空間や時間の流れを大きく、広くとらえられる人ほど生命力旺盛で、たくましく今を生き延びることができます。

 さらに、眼力が強くなるほど、実は幸運を引き寄せる力も強まります。東洋の運命学では、「目には生命力とともに運命の力が宿る」とされています。

 眼力が強い人ほど、運が切り開かれ、大きな仕事を担ったり、人間関係に恵まれたりするというわけです。

眼力を強化する目のトレーニング

 眼力を強化するのに、簡単で効果的なのが、ここでご紹介する目のトレーニングです。

 1つは、眼球(目玉)や水晶体を動かす筋肉の働きをよくする運動です。動きの指示を出す脳も刺激します。

 眼球(目玉)を左右・上下・斜めに動かす運動と、レンズの役割を果たす水晶体の運動から成っています。
 このトレーニングは、眼力を高める土台になります。ぜひ実践してみてください。

「眼力」を強化する目のトレーニングのやり方

眼球や水晶体(レンズ)を動かす筋肉の働きをよくするとともに、その指示を出す脳を刺激するトレーニングです。眼力を高める土台になります。

①眼球の左右運動・・・眼球を左右に動かす筋肉を強化する運動です。
1.両手を前に出して、肩の高さで両腕を60度くらいに開く。両腕が正三角形の2辺を描くイメージで
2.両手を広げて、指先同士が向き合うようにする
3.左の親指の先→右の親指の先→左の人さし指の先→右の人さし指の先… と左右交互に次の指の先を見る
4.小指まで行ったら、逆の経路で戻り、往復する。以上を1分間くり返す
★しっかり見ながら、すばやく眼球を動かし、徐々にスピードを速くするのがコツです。

②眼球の上下運動・・・眼球を上下に動かす筋肉を強化する運動です。
・左右運動と同じ要領で、腕を上下に開いて行う
・右手が上の状態で30秒行う
・左手が上の状態で30秒行う

③眼球の斜め運動・・・眼球を斜めに動かす筋肉を強化する運動です。
・左右運動と同じ要領で、腕を斜めに開いて行う
・右手が右上、左手が左下の状態で30秒行う
・左手が左上、右手が右下の状態で30秒行う

④水晶体の運動・・・目の中でレンズ役をしている水晶体の厚みを変え、ピント合わせがすばやくできるようにする運動です。眼球そのものを動かす筋肉とは違い、目の中にあって水晶体の厚みを変えている筋肉を鍛えます。
1.左腕を前に延ばし、人さし指を立てる
2.右手も人さし指を立て、左ひじに軽くつける
3.左手の人さし指の先と、右手の人さし指の先を、交互に見る
4.30秒間、続けたあと、左右を入れ替えて同様に行う
★指先を見るときはしっかりピントを合わせます。徐々にスピードを速くするのがコツです。

鳥になったつもりで空から見下ろす

 そしてもう1つは、空を見る習慣です。

 生活の中で空を目にする機会はたくさんあるはずですが、多くの人はろくに見ていません。これは非常にもったいないことです。

 空の色、雲の大きさや形状は、時々刻々と変わり、雄大な広がりとともに、私たちに多様なことを訴えかけてきます。周辺視野を最大限に使って、その広がりごと、とらえましょう。

 気象や宇宙の知識がなくても、「きれいだな」とか「あっちの空が少し暗くなってきたな」「おもしろい雲だ」などと感じ、そこからイメージや想像を膨らませることが、眼力の鍛錬にたいへん役に立ちます。

 できれば、今見ている空の下に何があるか、鳥の目を持ったつもりで、さらに想像してみてください。
 これらの眼力を強化する目のトレーニングを続けると、視野が広がり、狭い「自意識」から解き放たれることができます。

 常に大きな目で過去から未来を見渡す意識が持てるようになると、前向きな気持ちが保たれ、心身の調子もよくなります。

 もちろん、目がものを見る力、視力もよくなります。ぜひお試しください。

栗田昌裕
1951年生まれ。東京大学医学部卒業。三楽病院健康管理科医長、東京大学医学部附属病院勤務等を経て、平成26年4月、群馬パース大学学長となり、現在に至る。知的情報処理能力を総合的に改善する栗田式SRS能力開発法・SRS速読法の提唱者。指回し体操創案者。渡りチョウ「アサギマダラ」の研究家としても知られる。著書は『栗田昌裕の目がよくなる眼力法 』(ロングセラーズ)など多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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