【実は盲点】冷え解消には「耳を温める」と良い!脳卒中やうつ、不眠も撃退できる

【実は盲点】冷え解消には「耳を温める」と良い!脳卒中やうつ、不眠も撃退できる

実は、耳を冷やさないように配慮することこそが、冷えから全身を守るためのポイントなのです。また、今回のテーマである高血圧の予防・改善という面から考えても、耳を温めることは極めて重要です。【解説】班目健夫(青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所院長)


迷走神経を刺激して内臓の働きを高める

 冬場の冷え込んだ日、外出から帰ってきたときに自分の耳にさわってみてください。きっと耳が冷え切っているに違いありません。耳は、耳当てなどで覆わない限り、常に冷たい外気にさらされているためです。
 ですから私は、通勤のときも毛糸の帽子をかぶっています。その毛糸の帽子を引き下ろして、なるべく耳を覆うように工夫しています。

 というのも、耳というのは、私たちの体調と深く関連しているのです。冷え込む冬、体は冷やさないようにだれでも心がけますが、耳はなおざりになっているものです。
 実は、耳を冷やさないように配慮することこそが、冷えから全身を守るためのポイントなのです。また、今回のテーマである高血圧の予防・改善という面から考えても、耳を温めることは極めて重要です。

 ただ、耳を温めることと、高血圧の解消がなぜ関連するのかと、疑問に思われるかたもいらっしゃるでしょう。では、その理由を説明しましょう。
「迷走神経」という神経があります。これは、運動神経や知覚神経および、自律神経のうちの副交感神経を含んだ混合神経です。その役割は、気管支や食道、心臓、胃、腸などの内臓機能の働きを調整することです。

 迷走神経は、延髄から出て、胸部や腹部へと分布していますが、その迷走神経が枝分かれした部分が、実は耳にもあります。このため、耳を温めることは、耳にきている迷走神経への刺激となるのです。
 迷走神経は、内臓機能の調整を行っていますから、耳を温めて迷走神経を刺激すれば、内臓機能の働きを高めることになります。内臓の機能が高まると、これが全身の血行を促すことにつながるのです。
 全身の血行が悪くなっている場合でも、末梢の細胞にまで血液を行き渡らせて、酸素と栄養を供給する必要があります。このために、体は、血液の通りの悪い血管を使って、隅々まで血液を送るために、圧力を高くせざるをえません。それが、高血圧という現象を引き起こすことになるのです。

 こうした点から、内臓の機能を高めて、全身の血液循環を改善することは、高血圧を解消するうえでも、大いに役立つのです。
 高血圧のかたは、自律神経のうち、交感神経と副交感神経のバランスがくずれ、交感神経が過緊張の状態にあります。耳を温めて、「気持ちよい」と思える刺激を与えることは、副交感神経をよりよく働かせることになりますから、この意味からもお勧めです。

カイロを使って耳の表も裏も温める

 次に、耳を温める方法についてお話ししましょう。
 耳を温めるためには、いろいろな方法がありますが、私が皆さんにお勧めしたいのは、カイロを使う方法です。ベンジンを用いるもののほうが、熱量がじゅうぶんで効果的ですが、簡便な使い捨てカイロでもけっこうです。

 耳を温めるときは、ぜひ耳の表側だけではなく、耳を折って、耳たぶの裏側にもカイロを当てて温めてください。実際に耳を温めてみると、実に快適なものです。耳の表と裏を、それぞれ心地よく温まってくるまで温めます。
 時間としては、せいぜい2〜3分です。あくまでも、目安は、耳が心地よく温まるまでです。
 というのも、あまり長時間温めると、低温ヤケドをする恐れがあります。寝るときは、耳にカイロを当てたまま寝たりすることのないよう、じゅうぶん注意してください。

心地よくなるまで温めるのが目安

 また、体の冷えが特にひどい人の場合、おふろに入る前に、同様のやり方で耳を温めてから入るといいでしょう。
 冷えの強いかたは、ただ入浴するだけでは、じゅうぶんに冷えが取れません。冷えというのは、体の部位によってかなりバラつきがあるものです。このため、入浴しても、冷え切った部分が温まる前に、たいていのぼせてしまいます。この点、入浴前に耳を温めておくと、冷え取り効果も高くなるはずです。

 ちなみに、こうして耳を温めれば、脳の血流もよくなります。冬場には特に気をつけたい、脳卒中の予防にも役立つでしょう。さらに、うつや不眠症などの精神疾患の改善にも有効です。

 寒さの続くこの時期、だれでも簡単にできる、耳を温める健康法を大いに活用してみてください。
 さらに、外出時は耳を覆える毛糸の帽子をかぶったり、耳当てを利用したりして、耳をなるべく冷やさないようにすると、なおよいでしょう。

班目健夫先生
1954年、山形県生まれ。岩手医科大学大学院にて、医学博士号取得。日本自律神経免疫治療研究会理事。現在、青山・まだらめクリニック自律神経免疫治療研究所院長。著書に『「湯たんぽを使う」と美人になる』(マキノ出版)などがある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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