【医師が報告】マンモス小のインフル感染が劇的に減った!この顔体操、知ってる?

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「インフルエンザの予防接種を受けていないから心配」「カゼをひきやすいので冬は憂うつ」このような不安を抱えている人は多いことでしょう。でも、大丈夫です。しっかり口を閉じて鼻呼吸をすると、インフルエンザやカゼは、かなりの確率で予防できるのです。口呼吸の人はぜひお試しください。【解説】今井一彰(みらいクリニック院長)


マスクより鼻の「天然マスク」のほうが信頼できる!

インフルエンザ罹患率が近隣で最も低かった

「インフルエンザの予防接種を受けていないから心配」「カゼをひきやすいので冬は憂うつ」このような不安を抱えている人は多いことでしょう。
 でも、大丈夫です。しっかり口を閉じて鼻呼吸をすると、インフルエンザやカゼは、かなりの確率で予防できるのです。

 グラフ①をご覧ください。これは福岡県のS小学校と、その近隣にあるほかの小学校で、2012年度に児童のインフルエンザにかかった率(罹患率)を比較したものです。

 この年、S小学校でインフルエンザにかかった児童は、500人以上いる全校生徒のうち、わずか32人(6%)でした。近隣では最も少ない罹患率となっています。

 実はこのS小学校、2008年におもしろい試みを行っています。養護教諭が、私が提唱している口の体操「あいうべ」を知り、3年生にその解説本の読み聞かせをしました。すると、その年にインフルエンザにかかった児童は、学年別に比べると、3年生が最も少なく、学級閉鎖もありませんでした。

 そこで、今度は私がS小学校で児童に直接「あいうべ」講座を実施。それが2012年9月です。講座を受けた児童は、その後、半数以上が自宅で「あいうべ」を行ったそうです。
 そして、その年の冬のインフルエンザ罹患率を示したものが、グラフ①なのです。つまり、私が「あいうべ」講座を行った年、S小学校ではインフルエンザ罹患率を近隣で最も低くおさえることができたわけです。

 もう一件、岐阜県のI小学校をご紹介しましょう。
 グラフ②を見てください。I小学校では、2011〜2013年の児童1人当たりの年間平均欠席日数が5日前後ありました。
 インフルエンザなどで休む児童が多かったということです。それが、「あいうべ」を始めた2014年はわずか1日におさえられたのです。
 このように、口の体操「あいうべ」を導入した学校では、インフルエンザの罹患率は顕著にへり、学級閉鎖も激減しています。
「あいうべ」がインフルエンザ予防に役立つことが、裏づけられたといえるでしょう。

あいうべ体操のやり方

「あいうべ」導入後の年間欠席日数の変化

鼻呼吸でウイルスの体内への侵入を防ぐ

 では、なぜ「あいうべ」でインフルエンザが予防できるのでしょうか。
 それは、舌や口の周りの筋肉が鍛えられることで、口を閉じた状態を保て、鼻で呼吸できるようになるからです。口をしっかり閉じれば、ウイルスの体内への侵入を強力に防ぐことができます。

 鼻呼吸をすると、まず鼻毛や鼻の粘膜にある線毛がウイルスなどの小さな異物をからめ取ってくれます。ウイルスがさらに先に侵入しても、のどにあるリンパ組織が戦って防御してくれます。
 また、鼻から吸い込んだ空気は鼻の中を通ることで、温められ加湿されて、肺へと送られます。鼻汁は1日に1Lも分泌されています。その多くが空気の加湿に使われているのです。
 ちなみに、鼻の中の湿度は75〜90%もあります。
 リンパ組織は、口呼吸による乾燥状態では本来の免疫機能を果たせませんが、鼻呼吸による加湿で、免疫機能をじゅうぶんに発揮できるのです。それに、インフルエンザやカゼのウイルスは湿度に弱く、通常50%の湿度があれば、徐々に死滅するといわれています。

 このように、「あいうべ」で鼻呼吸になれば、優れたろ過機能と加湿機能により、ウイルスの体内への侵入を防ぎ、インフルエンザやカゼに感染しにくくなるのです。
 ところで、気管支ぜんそくも口呼吸が起因となる代表的な病気です。「あいうべ」を行って口を閉じ、鼻呼吸することで、徐々に改善していきます。

 実際、「あいうべ」を始めてから、発作が起こらなくなったという患者さんは、多数いらっしゃいます。
 ぜんそくは、カゼをきっかけに悪化することもあります。カゼやインフルエンザにかからないように注意することも大事です。
 インフルエンザやカゼの予防として、外出時や睡眠時にマスクの着用をする人がいます。しかし、それだけでは、じゅうぶんな予防にはなりません。

 マスクをすると、鼻で息をするのが苦しくなり、マスクの下の口は開いてしまいます。
 前述のように、鼻で呼吸をすると鼻毛と粘膜がフィルターの役割を果たしてくれます。マスクにも多少その効果はあるかもしれませんが、鼻の粘膜が吸着するような微細な物質を、マスクだけで防ぐことは不可能だと思います。

 睡眠時には、どうしても口が開きやすく、口の中が乾燥しやすいので、「口テープ」で口をしっかり閉じることが重要です。どうしてもマスクをしたいのなら、マスクの中央を水で湿らせた「ぬれマスク」を使うといいでしょう。
 なお、インフルエンザの予防接種は、お金がかかるうえに、効果を疑問視する声も少なくありません。
 ほんとうに徹底して防ぎたいのなら、口をしっかり閉じ、鼻で呼吸することです。鼻の「天然のマスク」がいちばん信頼できます。

 1年に何度もカゼをひき、インフルエンザにもよくかかったという人が、「あいうべ」を始めてから何年も感染していないという話は、よくあることなのです。

あいうべ導入の小学校と近隣他校のインフルエンザ罹患率

今井一彰
みらいクリニック院長。NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長。1995年、山口大学医学部卒業。2006年に福岡市博多駅前にみらいクリニックを開業後、さまざまな方法を駆使しながら、薬を使わずに体を治す独自の治療を行う。「あいうべ」による息育や「足指を伸ばす」ことによる足育の普及にも力を入れている。著書に『免疫を高めて病気を治す 口の体操「あいうべ」』、監修に『足・ひざ・腰の痛みが劇的に消える「足指伸ばし」』(いずれもマキノ出版)など多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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