野菜スープの基本となる4つの野菜に含まれるファイトケミカルとその作用

野菜スープの基本となる4つの野菜に含まれるファイトケミカルとその作用

私がお勧めする野菜スープ(ファイトケミカルスープ)の材料であるキャベツ、タマネギ、ニンジンは、そのトップクラスにあり、いわば、アメリカが国として、がんの予防効果を保証した食品と言えます。【解説】髙橋 弘(麻布医院院長・医学博士 ハーバード大学医学部元准教授)


4つの野菜は優秀な抗がん食品

 1990年、アメリカは国家プロジェクトとして「デザイナーフーズ計画」をスタートさせます。これはアメリカ国立がん研究所(NCI)が、「がんを食事で予防できるのではないか」という仮説を立てて開始したプロジェクトです。
 さまざまな研究者が参加して、膨大な量のデータを収集し、がん抑制効果のある食品を40種類選び、その重要度に合わせてピラミッド型の図を作成しました。それが下記の「デザイナーフーズリスト」です。
 私がお勧めする野菜スープ(ファイトケミカルスープ)の材料であるキャベツ、タマネギ、ニンジンは、そのトップクラスにあり、いわば、アメリカが国として、がんの予防効果を保証した食品と言えます。

 キャベツに多いファイトケミカルのグルコシノレートは、イソチオシアネートに変化し、発がん物質を無毒化したり、血液が固まるのを防いだりする作用があり、発がんや心筋梗塞、脳梗塞を予防します。

 タマネギは、「デザイナーフーズリスト」でもトップクラスの評価を受けている食品です。とくに、胃がんや大腸がん、食道がんなどの消化器系がんに予防効果があると報告され、がん予防の切り札のように言われています。
 その中心成分は、タマネギ特有の辛みと匂いを醸し出す、システインスルホキシドというイオウ化合物のファイトケミカルです。すぐれた抗酸化作用があり、がんはもちろん、動脈硬化の予防にも役立ちます。

 ニンジンのあの鮮やかな赤は、カロテンという色素で、これがファイトケミカルです。カロテンにはαとβがあり、α‐カロテンには強い発がん抑制作用、β‐カロテンには抗酸化作用と免疫増強作用があります。カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変わり、粘膜を強くしてウイルスや細菌の侵入を防ぎます。

 カボチャはアメリカではあまり食用にされないため、デザイナーフーズから外れています。しかしカボチャは、抗酸化作用の強いβ‐カロテンやビタミンCおよびビタミンEが豊富です。
このように、野菜スープはファイトケミカルの宝庫で、強力ながん予防スープなのです。

野菜スープで使う4つの野菜の主なファイトケミカル

(※はファイトケミカル以外の有効成分)

キャベツ

・3-メチルスルフェニルブチル(グルコシノレート:イオウ化合物)

キャベツに含まれるファイトケミカルの3‐メチルスルフェニルブチルは、ミロシナーゼ(酵素)の作用でブチルイソチオシアネートやフェニルイソチオシアネートと呼ばれるイオウ化合物のイソチオシアネートに変化して、肝臓の解毒酵素を誘導します。そして、発がん物質を無毒化して、発がんを予防します。さらに、これらのイソチオシアネートには、血液の凝固を抑制する作用もあり、心筋梗塞や脳梗塞の予防効果もあります。

※ビタミンC…抗酸化作用、免疫能の維持
※カルシウム…骨を強化する、精神安定作用
※メチルメチオニン(ビタミンU)…胃の粘膜の修復 キャベジンとも呼ばれる

タマネギ

・イソアリイン(イソアリルシステインスルホキシド:イオウ化合物)

タマネギに含まれるファイトケミカルのイソアリイン(イソアリルシステインスルホキシド)は、アリイナーゼ(酵素)の作用でイソアリシンに変化します。優れた抗酸化作用があり、発がんを予防します。

・ケルセチン(フラボノイド)

ファイトケミカルのケルセチン(フラボノイド)には抗酸化作用があり、がん細胞の増殖を抑える働きや、がん細胞のアポトーシス(自殺死)誘導する作用があります。
また、血小板の凝集を阻害し、心疾患や脳血管障害のリスクを低減する作用、抗アレルギー作用や炎症を抑える作用もあります。

ニンジン

・α-カロテン(カロテノイド)

ニンジンに含まれるファイトケミカルのα-カロテンは、抗酸化作用で発がんを予防します。強い発がん抑制作用があり、特に肺がんとの関係では、α-カロテン摂取量の多い人は発がんのリスクが有意に低下することが報告されています。

・β-カロテン(カロテノイド)

ファイトケミカルのβ-カロテンは、抗酸化作用で発がんを予防し、免疫細胞を活性化します。
また、ビタミンAとなり、粘膜を強くして細菌やウイルスの侵入・感染を防ぎます。

カボチャ

・β-カロテン(カロテノイド)

カボチャに含まれるファイトケミカルのβ-カロテンは、抗酸化作用で発がんを予防し、免疫細胞を活性化します。また、ビタミンAとなり、粘膜を強くして細菌やウイルスの侵入・感染を防ぎます。

※ビタミンC…抗酸化作用、免疫能の維持
※ビタミンE…抗酸化作用、がん予防効果

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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