「腸は脳より賢い」と医師が断言!腸内細菌を増やせば、ガンやうつを予防できる!

「腸は脳より賢い」と医師が断言!腸内細菌を増やせば、ガンやうつを予防できる!

「腸は第2の脳である」といわれています。これは、腸の重要性を示す言葉であるわけですが、私ならば、こういうでしょう。「腸は脳より賢い」少々、大げさと思われるでしょうか。しかし、私は決して誇張しているわけではありません。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授・人間総合科学大学人間科学部教授)


「幸せ物質」はほとんど腸で作られている

「腸は第2の脳である」といわれています。これは、腸の重要性を示す言葉であるわけですが、私ならば、こういうでしょう。
「腸は脳より賢い」
 少々、大げさと思われるでしょうか。しかし、私は決して誇張しているわけではありません。腸に関する研究が進んだことで、腸が脳より賢いことを示す、さまざまな証拠が判明してきたからです。

 皆さんは、腸は消化の目的だけで働いているというようなイメージをお持ちでしょう。しかし、実際には、腸の働きはそれだけに限りません。例えば、人間の感情や気持ちなどを決定する物質は、ほとんど腸で作られています。

 人が幸せと感じるのは、脳から分泌される脳内伝達物質が関係しています。その1つがセロトニンで、喜びや楽しみを伝える物質です。もう1つがドーパミンで、私たちのやる気を起こさせる物質です。
 これらは、食物から摂取されるアミノ酸から合成されます。ただし、腸に存在する腸内細菌がバランスよくふえていないと、アミノ酸を多く含む物質をいくら食べても、合成できません。いわゆる「幸せ物質」であるセロトニンも、ドーパミンも、腸において、腸内細菌の助けによって合成されているのです。
 例えば、セロトニンの90%は腸に存在しています。残りの8%は血液中に存在し、わずか2%が脳で人間の精神活動にかかわっています。そして、この2%のセロトニンも、その前駆体はまず腸で作られ、それが脳に送られることで、初めて脳で幸せ物質として働くのです。

 近年、日本では、うつになる人がふえています。先進国の中で、日本は最も自殺率の高い国でもあります。これには、日本人の腸内細菌の量がへってきたことが関係していると私は考えています。
 例えば、メキシコは世界で最も自殺の少ない国です。貧しい人が比較的多い国であるにもかかわらず、なぜメキシコでは自殺が少ないのでしょうか。
 調べてみると、メキシコ人は、世界で最も多くの食物繊維を摂取していることがわかりました。メキシコ人の1日の食物繊維摂取量は、93・6g。日本人はその4分の1程度。しかも、その摂取量は年々へっています。

 食物繊維は、腸内細菌が好んで食べるえさです。食物繊維をじゅうぶんにとって、腸内細菌をよく育て、腸の働きをよくすることが、うつや自殺の予防のためにも役立つと考えられるのです。
 私の友人である中国人の学者は、ブタに乳酸菌を食べさせる研究をしています。乳酸菌を食べさせると、ブタは肉質がよくなるだけではなく、性格がよくなり、おとなしくなるといいます。

 また、スウェーデンの研究では、腸内細菌を持たないマウス(実験用のネズミ)は、成長すると、攻撃的なマウスになってしまいます。このマウスの成長期に腸内細菌を導入すると、おとなしいマウスに成長します。こうした実験から、腸内細菌が脳の発達にも深くかかわっていることが判明してきました。
 このようなさまざまな研究成果から、私たちの幸せを担っているのが、実は腸だということがわかるのです。

腸をかわいがればいつまでもボケない

 腸の大事な働きは、そのほかにもたくさんあります。腸は病原菌を排除し、消化を助け、ビタミンB群やCなどを合成し、免疫力の70%を担当しています。
 私たちの体は、60兆個の細胞から構成されていますが、毎日莫大な数の細胞が生まれ、かつ死んでいきます。このうち、1万5000個以上のガン細胞が出現します。ガン細胞がガンにならないようにしているのが、Th│1細胞の免疫システムです。この免疫システムを高めるためにも、腸の腸内細菌が重要な役割を果たしています。

 ですから、ガンを予防するにも、腸の状態を整えることが大切です。免疫力が高ければ、アレルギー疾患や自己免疫性疾患にもなりにくくなりますし、生命力も高まります。つまり、腸年齢が若いと、長生きするのです。

 皆さんも、納豆をはじめとする発酵食品や、食物繊維の豊富な野菜類・穀類などを毎日よく食べて腸内細菌を育て、腸をかわいがってください。また、よくかんで食べることや、加工食品や食品添加物の摂取をへらすこと、規則正しい生活でストレス解消を心がけ、楽しく暮らすことなども、腸を喜ばせる大事な要素です。

 こうして腸をかわいがれば、全身の調子がよくなり、いつまでも元気で、「疲れない」「ボケない」「老いない」生活を続けられる。私はそう確信しています。

藤田紘一郎
1939年、中国(旧満州)生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学医学系大学院博士課程修了。医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学大学院教授を経て現職。2000年に、日本文化振興会・社会文化賞、及び国際文化栄誉賞を受賞。『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)をはじめ、著書多数。

これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに掲載しています。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

これらの記事にある情報は、効能や効果を保証するものではありません。専門家による監修のもと、安全性には十分に配慮していますが、万が一体調に合わないと感じた場合は、すぐに中止してください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


腸内細菌 腸内環境の改善

関連する投稿


【薄毛の原因は活性酸素】対策は、腸内細菌を増やす「きのこ・大豆・青魚・玄米」を積極的に食べること

【薄毛の原因は活性酸素】対策は、腸内細菌を増やす「きのこ・大豆・青魚・玄米」を積極的に食べること

私の髪は、よみがえったのです。55歳で薄毛を自覚してからの10年間、私は、世間で「ハゲに効く」とされる、ありとあらゆる方法を試しました。しかし、薄毛を改善することはできませんでした。しかし、その後、私の髪の状態は大きく改善し始めます。その理由とは……。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)


【便移植とは?】個性は細菌がつくる!?人体に影響を与える「マイクロバイオーム」について

【便移植とは?】個性は細菌がつくる!?人体に影響を与える「マイクロバイオーム」について

人体に生息する無数の微生物集団(細菌叢)=マイクロバイオームが人体に多大な影響を及ぼしていることがわかってきました。その一つに消化・吸収があります。また、リンパ球をふやし免疫力を高める働きのほか、炎症をおさえる働きを持つ制御性T細胞を活性化する作用も示唆されています。【解説】岡本 裕(e-クリニック医師 )


遅発型の食物アレルギーを招く腸粘膜の破たん【リーキーガット症候群】とは

遅発型の食物アレルギーを招く腸粘膜の破たん【リーキーガット症候群】とは

なんらかの理由で腸に炎症が起こり、栄養を吸収する穴が大きくなると、通常は吸収されない未消化のたんぱく質なども腸から取り込まれてしまい、大きな分子は本来、血液中には存在しないので、アレルゲンと認識され、遅発型食物アレルギーの症状が現れることがあります。【解説】澤登雅一(三番町ごきげんクリニック院長) 


【アレルギー治療への大発見】ぜんそく悪化の原因は腸にある!

【アレルギー治療への大発見】ぜんそく悪化の原因は腸にある!

腸内細菌のバランスがくずれると、アレルギーを起こしやすくなることは、以前からいわれてきましたが、科学的に裏づけされた事実ではありませんでした。近年の研究技術の進展によって、解明されつつあります。今回、私が皆さんにご紹介する研究も、その成果の一つといっていいものです。【解説】渋谷 彰(筑波大学医学医療系教授)


【ステーキは長寿食】50歳を過ぎたら肉を食べよ!その理由と食べ方のコツ

【ステーキは長寿食】50歳を過ぎたら肉を食べよ!その理由と食べ方のコツ

「肉はとってはいけない」と思う人が多いようです。肉を食べると、コレステロールがふえて血管にたまり、動脈硬化を起こし、腸内環境が悪化すると考えるからです。しかし、長寿を考えると、これは間違いです。50歳を過ぎて、長生きしたければ、肉を食べなければなりません。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)


最新の投稿


【お腹やせ】排泄力を高める 即効「生大根ダイエット」のやり方

【お腹やせ】排泄力を高める 即効「生大根ダイエット」のやり方

多くのかたのダイエット相談を受ける中で、私はあることに気がつきました。おしっこやうんちなどの老廃物を体にため込んでいる人はやせにくく、体型もどんどん悪くなってしまう、ということです。【解説】蓮水カノン(キレイファクトリー主宰)


【笑うことの効果】免疫力が高まり健康増進!ガンとの共生・克服も可能

【笑うことの効果】免疫力が高まり健康増進!ガンとの共生・克服も可能

私は、医師として40年以上、病気に悩む人々を診てきました。また、現役の産婦人科医師として、年間100名以上の出産に立ち合っています。そこで学んだのは、「逝き方とは生き方であり、笑進笑明こそが、自分を進化させる21世紀のライフスタイル」だということです。【解説】昇 幹夫(日本笑い学会副会長・産婦人科医・麻酔科医)


【色の効果】血圧不安定、イライラやうつの症状は「濃いピンク」で改善する!

【色の効果】血圧不安定、イライラやうつの症状は「濃いピンク」で改善する!

私は診察の際、患者さんにカラーチャートをお見せして、好きな色を選んでいただきます。好きな色を聞くことで、その人の性格や考え方の傾向、心と体の状態を大まかにつかむことができるからです。色は健康状態を知るだけでなく、心身の不調の改善にも役立ちます。【解説】春田博之(芦屋こころとからだのクリニック院長)


【即効】便秘解消すぐに出る!便秘薬が不要になった人が続出の「耳ヨガ」のやり方

【即効】便秘解消すぐに出る!便秘薬が不要になった人が続出の「耳ヨガ」のやり方

私のヨガ教室では、ヨガ中でも、トイレは我慢せずに行っていいですよとお伝えしています。ヨガをすると詰まりが解消されることが多いからです。私が必ずメニューに取り入れているのが耳ヨガです。便秘解消の効果も高いので是非役立ててください。【解説】薄 久美子(ハーモニースペースdeヨガ主宰・ビジョンヨガインストラクター)


【医師解説】糖質制限ダイエット 外食時に食べてもいいものはコレ!お勧めとNGメニュー

【医師解説】糖質制限ダイエット 外食時に食べてもいいものはコレ!お勧めとNGメニュー

外食でも、工夫しだいで糖質の制限は可能です。外食時のお勧めメニューは、ステーキ、焼き魚、刺し身、しゃぶしゃぶ、焼き肉、ハンバーグなど。コンビニで食品を選ぶさいには、栄養成分表示を確認しましょう。【解説】牧田善二(エージーイー牧田クリニック院長)


ランキング


>>総合人気ランキング