膝痛の改善は【風船つぶし】が安全かつ効果あり!やみくもウォーキングはかえって悪化する!

膝痛の改善は【風船つぶし】が安全かつ効果あり!やみくもウォーキングはかえって悪化する!

ひざ痛の二大要因は肥満とO脚です。筋肉の約70%は下半身に集中しており、下半身が衰えると太りやすくなります。太るとひざへの負担が増し、ひざ痛を起こします。太ももの内側が衰えると、O脚になります。痩せるためのウォーキングも負担のかかった歩き方でかえってひざ痛悪化になることもあるのです。【解説】花谷貴之(花谷接骨院院長)


肥満とO脚がひざ痛の2大原因

 体育大学でトレーニング理論や運動学を学んだ私は、その知識を生かし、治療家になる前は、トレーニングマシンの営業マンをしていました。その後、治療家の道に入り、現在は治療のかたわら、講演会やセミナーで全国を飛び回っています。

 そのような場所で、受講者から受ける相談の中で、最も多いものの一つが、
「ひざ痛を治したい」です。

 ひざ痛の原因は、大きく二つあります。

 一つ目は肥満です。
 私たちの体の筋肉は、約70%が下半身に集中しています。そのため、下半身の筋肉が衰えてくると、食べ物で得た脂肪が燃焼されにくくなり、その結果、太りやすくなってきます。太るとひざへの負担が増すため、ひざに痛みが出やすくなるのです。

 しかし、下半身の筋肉の一大部分を占める、太ももの内側の筋肉は、現代の日常生活ではあまり使われません。そのため衰えやすく、脂肪を効率よく燃焼させることが、できなくなってしまうのです。

 原因の二つ目はO脚です。
 太ももの内側の筋肉が衰えてくると、O脚になってきます。太ももの内側の筋肉は、ひざ関節を支える重要な役割をしています。ここの筋力が衰えてくると、ひざ関節を足の内側に引きつける力が徐々に弱まり、ひざが外側に開いてしまうのです。

 ひざ痛の人のほとんどが肥満であることから、適度な運動として歩くことを実行している人もいますが、実はこれも、慎重に実践しなければいけません。

 なぜなら、ひざ痛の人のほとんどがO脚なのですが、このままでは、ひざ関節の内側ばかりに負担をかけて歩くことになるからです。その結果、かえってひざの痛みが増すということも起こるのです。

安全で、しかも楽しく続けることができる

 しかし、筋肉を鍛えるための運動は必須です。

 ではどのような運動ならよいのでしょうか。私がひざ痛の相談を受け続けるにあたって、模索したのはこの点でした。

 まず、普段、運動をしないような人でも楽しく続けられて、しかも安全で効果的に太ももの内側の筋肉を増やせる運動はないか、と考えました。私が以前仕事で扱っていたトレーニングマシンのような、おもりで負荷をかけて筋肉を増やすものは、高齢者には難しく、扱いを間違えると危険でもあります。

 そこで、簡便な空気圧を利用する方式を、身近にあるもので代用できないかと考え続けていたとき、たまたま自宅で子どもが遊んでいた風船を見て、「これだ!」とひらめきました。

 風船は、空気の圧力によって膨らんでいます。運動に不慣れな人でも、たやすくつぶせる程度に膨らませた風船は、強過ぎず弱過ぎず、その人の筋力に応じて使える、最高の空気圧のトレーニングマシンになるなと思ったのです。

 それに気付いた私は、早速患者さんたちに、治療と併せて、膨らませた風船を両ひざの間に挟み、それを押しつぶす「風船つぶし」をやってもらいました。すると、早い人はその場でひざ痛が改善し、遅い人でも2~3週間続けることで、効果が表れたのです。

 風船というのは不思議なもので、皆さん持った瞬間に、顔がほころびます。さらに、風船にサインペンなどで顔の絵を描くと、風船が押しつぶされたときに面白い表情になるので、楽しく運動できます。

 実は、これはとてもいいことなのです。笑っているときは、脳からドーパミンが分泌されて快感を得られ、風船つぶしは楽しいと思えるので、飽きずに続けることができるからです。

 風船つぶしによって下半身の筋肉が強化され、O脚が改善すると、体のバランスが取れるようになり、姿勢がぐんとよくなります。すると、ひざ痛ばかりでなく、腰痛や背部痛、肩こりなども軽減してくるのです。

 風船つぶしが、体のバランスを整えることをわかっていただくために、私はよく患者さんにある実験をします。

 風船つぶしをする前に、足を肩幅に開き、軽くひざを曲げた状態で立っていただき、その背を軽く押すのです。
 すると、必ずといっていいほど、患者さんは1、2歩前につんのめります。しかし、風船つぶしを1セット行った後に、同じ力で押しても、姿勢はくずれることなく、足が前に出ることもありません。

 これは、風船つぶしによってひざのバランスが整い、重心が足の親指側に修正されたからです。
 つまり、正しいバランスで安定して立てるようになった、ということです。ですから、まだひざにトラブルがない人も、ウオーキングの前に風船つぶしを行うと、ひざ痛の予防にもなるのです。

 このように、風船つぶしは、即効性も実感できる安全な筋力アップ法なのです。ひざ痛改善のために、ぜひ続けてみてください。

イスに腰掛けてでも寝たままでもできる

 風船つぶしに必要なのは、市販のゴム風船だけです。
 玩具店や100円ショップなどで売られている、ごく一般的な大きさ(9インチ/約22㎝)のものを選ぶといいでしょう。

 パンパンに膨らませず、直径20~25㎝程度に膨らませたら、吹き込み口を縛ってください。このくらいの大きさなら、ひざに挟んでつぶしても、めったに割れることはありません。
 ひざ痛を改善するための風船つぶしは、この風船をひざに挟んで行います。

 ひざでの風船つぶしは、イスに腰掛けてでも、床やふとんにあおむけに寝て行っても構いません。イスに座って行うときには、足が床に着くようにし、あおむけで行うときには、両ひざを曲げて立てます。いずれの場合も、両足をなるべくそろえて、ひざの角度は90度を目安として曲げます、ひざの痛みの強い人は、そろえられる範囲、曲げられる範囲で構いません。

 両ひざの間に風船を狭み、風船を軽く押しつぶすつもりで両足に力を入れ、3秒ほどその状態を保ってから力を抜きます。最初は、これを5回くり返して1セットとし、朝と晩に行います。

 コツは、風船を強く押しつぶすのではなく、少し物足りないくらいの強さで行うことです。最初から無理をすると、足がだるくなることもあります。風船つぶしでは、風船をつぶしたときに感じる弾力は、気持ちがいいと感じる程度です。この、程よい弾力が、筋肉を効率よく鍛えてくれるのです。

 慣れてきたら徐々に強く押しつぶすようにして、回数も増やしていきます。最終的には10回を1セットとして、日に何セット行っても構いません。

 早い人では、行った直後から歩き方が変わります。続けることで、ひざ痛が取れて、らくに歩けるようになっていくでしょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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