「ふくらはぎ」の冷えが動脈硬化を招く ― 自然治癒力を高めるふくらはぎの温め方

「ふくらはぎ」の冷えが動脈硬化を招く ― 自然治癒力を高めるふくらはぎの温め方

ふくらはぎは、構造的に冷えやすい場所です。ふくらはぎが冷えてしまうと、ポンプ機能が低下するため、全身の血行が悪くなってしまいます。長期的に続くと、交感神経の過緊張、およびホルモンの乱れを招きます。その結果、エストロゲンという女性ホルモンが減り、動脈硬化が起こりやすくなるのです。【解説】関 博和(せき接骨院院長)


ふくらはぎは構造的に冷えやすい場所!

 昔からよく「足を冷やすな」といわれますが、あなたはこの「足」がどこを指すか、おわかりになりますか?
 足の裏、足の指先と考える人が多いかもしれませんが、本当に冷やしてはいけない場所は、「ふくらはぎ」なのです。

 ふくらはぎが冷えている人は、たくさんいます。というより、ふくらはぎの防寒を意識したことのない人は、まず間違いなく冷えていると考えていいでしょう。
 私は接骨院を開業しており、日々患者さんの体に触れていますが、ふくらはぎが冷えてカチカチになっている人は、老若男女を問わず本当に多いです。

 なぜ、それで違和感を覚えないかといえば、ふくらはぎは普段から露出する機会が多いこともあり、冷えを実感しにくい場所だからです。

 ふくらはぎは、構造的に冷えやすい場所でもあります。
 太もものようによく動かす場所には、筋肉が集まっており、筋肉を使うと熱が産生されるため、ポカポカと温まります。
 一方ふくらはぎは、特に意識しない限り、それほどよく動かす場所ではないため、筋肉量が少なく、熱が産生されないために温まりにくいのです。

 しかしながら、ふくらはぎの筋肉は、下半身に滞った血液を心臓に押し戻すポンプの役割も担っています。
 ですから、ふくらはぎが冷えてしまうと、ポンプ機能が低下するため、全身の血行が悪くなってしまいます。

 血行が悪くなると、全身の冷えにつながりますが、冷えは体にとってストレスになります。そのため、長期的に続くと、交感神経(心拍数や血圧を上げるなど全身の活動力を高める神経)の過緊張、およびホルモンの乱れを招きます。
 その結果、エストロゲンという女性ホルモンが減り、動脈硬化が起こりやすくなります。いうまでもなく、動脈硬化が進むと、心筋梗塞(心臓の血管が詰まって起こる病気)や脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)といった重篤な病気を発症しかねません。

関先生もサポーターを愛用中

顔のゆがみが取れ、小顔になった!

 また、ふくらはぎが冷えている人には、血圧が高い人も多いものです。
 筋肉が冷えて収縮すると、その中を通る血管も収縮し、細くなりますが、そうすると血液が流れるさいに抵抗が生じるため、血圧が高くなります。逆に、筋肉が柔らかいと、血圧が低くなるというデータも出ています。

 ふくらはぎが冷えて循環が悪くなるのは、血液ばかりでなくリンパ(体内の老廃物や毒素、余分な水分を運び出す体液)についても同じです。
 リンパに含まれるリンパ球は、体内に侵入した細菌や病原体を捕らえる役割を担っています。いわば、「人体の免疫システムの要」といってもいいでしょう。
 リンパの循環が悪くなると、当然、免疫力(病気に対する抵抗力)が低下するため、カゼなどのウイルスに感染しやすくなるばかりでなく、ガンや膠原病、アレルギー疾患などにもかかりやすくなります。
 循環が悪ければ、リンパは下半身にたまりやすくなるため、それが日常的なむくみにもつながってしまうのです。

 こうして見ていくと、ふくらはぎが冷えることで、どれだけの悪い症状が出るかということが、わかっていただけたのではないでしょうか。
 つまり、ふくらはぎを温めればそういった症状に陥ることを未然に防げる、と言っても過言ではありません。

 ほかにも、ふくらはぎを温めることで体のゆがみが取れて腰痛や肩こりが改善したり、生理痛が緩和されたり、顔のゆがみが取れて小顔になったりといった例は、枚挙にいとまがないのです。

 さて、ふくらはぎを温める方法ですが、特に決まりはありませんが、市販のふくらはぎ用のサポーター、レッグウォーマーなどでふくらはぎ全体を覆うようにしてください。
 はるタイプの使い捨てカイロなどでふくらはぎを温めてもよいですが、その場合は低温ヤケドの心配があるため、1時間以内で外したほうが安心です。サポーターやレッグウォーマーの場合は、一日中着けていても問題ありません。
 冬はもちろん、暑い時期でも、なるべくふくらはぎは露出しないほうがいいでしょう。サポーターやレッグウォーマーは無理でも、長ズボンなどで皮膚を露出しないように努めてください。

 ふくらはぎを温めて血流がよくなれば、体温が上昇。そして、もともと持っている自然治癒力が高まり、前述したような体の不調が軽減される可能性が高くなります。
 万病予防のためにも、自然治癒力の向上を目指し、ふくらはぎを温めてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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