【視野が回復する例も】緑内障を生活習慣で改善 網膜症・黄斑変性にも効果

【視野が回復する例も】緑内障を生活習慣で改善 網膜症・黄斑変性にも効果

緑内障に関する現在の標準的な治療においては、いったん起こった視野の狭窄や欠損は回復しないとされています。ところが、私の指導している生活習慣の改善を行うと、緑内障で起こった視野の狭窄や欠損が、回復する例があります。【解説】山口康三(回生眼科院長)


生活習慣の改善で視野狭窄や視野欠損が回復

 緑内障に関する現在の標準的な治療においては、いったん起こった視野の狭窄や欠損は回復しないとされています。ところが、私の指導している生活習慣の改善を行うと、緑内障で起こった視野の狭窄や欠損が、回復する例があります。

 図は、63歳、男性の緑内障患者さんの右目の視野検査の結果を解析して図にしたものです。色が薄いほど正常やそれに近く、濃くなるほど見えづらい、つまり視野の狭窄や欠損が起きていることを示します。

 視野の狭窄や欠損というと、そこだけ黒く見えるようなイメージを抱きがちですが、そうではありません。視野が欠けた部分は、自覚的には、最初は磨りガラスを通したように見え、しだいに雲をかぶったようになります。それだけに、当初は気づきにくいことも、緑内障の発見を遅らせる一因になっています。

 この検査図は、緑内障で段階的に見えにくくなる視野の様子を色の濃さで著しているわけです。
 2013年3月27日の状態で、色の濃い部分が左下に広がり、視野の狭窄が進んでいます。そこで、当院の指導による生活習慣の改善に取り組んでいただきました。その後、1カ月半もたたない5月8日に検査した結果が左の図です。ひと目で色の濃い部分が減っていることがおわかりでしょう。

 こういうときに専門医が重視するのは、「視野欠損度(MD)」という検査値です。これは、視野の欠けている度合いを数値化したものです。右の図のときのMDは8・1でした。それが、左の図のときは6・1に下がっています。2という変化は非常に大きく、誤差の範囲内ではありません。明らかに視野が改善していることが、検査値からもわかります。

数々の目の難病が劇的に治っている

 生活習慣の見直しで、改善する眼病は緑内障に限りません。眼底写真の変化をご覧ください。

●糖尿病網膜症(55歳、女性) 
糖尿病網膜症を起こし、一般的な治療を受けてもなかなか治らなかった例です。当院に見えたときは、ひどい眼底出血がありました。写真で白くむらむらと見えているところが出血部分です。
 それが、生活習慣の改善を行ったところ、1カ月後くらいから出血部分が少なくなってきました。4カ月後にはほとんど出血のないきれいな眼底になりました。
 視力は、当初、右0・4、左0・1だったのが、それぞれ1・2と0・6に回復しました。

●加齢黄斑変性(74歳、女性)
 加齢黄斑変性は、網膜の中心にある黄斑という部分が変性し、ものが見えにくくなる病気で、進行すると失明に至ります。欧米では成人の失明の1位で、日本でも増えています。
 現在の標準的な治療法は、加齢黄斑変性に有効とされる抗ガン剤を使う方法で、これは一生、続ける必要があります。身体的にも経済的にも負担の大きい治療法です。
 当院では、生活習慣の改善で、加齢黄斑変性が劇的に治った例が多数あります。一例がこのかたです。当初の眼底は、中央に見えている白いところが白斑部分です。約2カ月半、生活習慣の改善に取り組んだところ、左の写真のように回復しました。白斑部分にやや黒っぽさが残っているものの、ほとんどきれいになり、よく見えるようになりました。

●網膜中心静脈閉塞症(59歳、男性)
 網膜の重要な静脈に血栓ができ、詰まって出血する病気です。このかたは、出血がひどくて有効な治療がないと言われ、当院にみえました。
 右の写真の白い斑点やむらむらと見えるのが出血部分で、視力は著しく落ちていました。ところが、生活習慣の改善に取り組んだところ、しだいに出血が減り、半年後にはほぼきれいになり、10カ月後には完全にきれいになりました。
 危ぶまれていた失明の心配はなくなり、視力も回復しました。

 以上の症例には、必要に応じて漢方薬などの処方も行っていますが、主体は患者さん自身が行う生活習慣の改善です。標準的な医療では、回復が難しい視野の狭窄も、「目の綜合医学」として生活習慣の改善に本気で取り組むと、このように改善しうるのです。
 同時に、アトピーや糖尿病、高血圧といった全身の病気も改善されます。これらの病気に悩んでいる人は、ぜひ「自分が自分の主治医」になったつもりで、生活習慣の改善に取り組んでいただきたいと思います。

山口康三先生

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【スマホ老眼の対処法】眼精疲労やドライアイを予防・改善する整膚「まぶたつまみ」とは

【スマホ老眼の対処法】眼精疲労やドライアイを予防・改善する整膚「まぶたつまみ」とは

整膚による大幅な血流の改善によって、患部に新たな酸素と栄養素が供給されます。もしも、そこにコリや痛みがあるなら、血液循環の改善によって、緩和されていくでしょう。【解説】蔡晶(世界整膚連盟整膚美容師会会長・整膚通信学院院長)


【目の症状別】飛蚊症・緑内障が改善した!目に効くツボを刺激する「顔さすり」

【目の症状別】飛蚊症・緑内障が改善した!目に効くツボを刺激する「顔さすり」

目の特効ツボが数多く存在する場所は、顔です。顔を手の指でさする顔さすりは、最も簡単かつ効果的なセルフケア法といえます。緑内障・白内障・ドライアイ・眼精疲労・老眼・近視・斜視、それぞれの症状に対応したやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(倉敷芸術科学大学教授・鍼メディカルうちだ院長)


【医師解説】円形脱毛症の原因はストレスと血流低下 対策は「爪もみ」が有効

【医師解説】円形脱毛症の原因はストレスと血流低下 対策は「爪もみ」が有効

爪もみは、交感神経の緊張を改善し、頭皮の血流を向上させるので、円形脱毛症に有効です。さらに、指先の血流もアップするので、髪と同じ組織である爪の状態も改善します。【解説】永野剛造(永野医院院長)


【眼科医解説】緑内障患者に勧める「目の温パック」とは?眼圧が下がり、手術回避も

【眼科医解説】緑内障患者に勧める「目の温パック」とは?眼圧が下がり、手術回避も

目の温パック後に、まぶたさすりを行うと、より涙の質がよくなり、リラックス効果も得られます。緑内障の発症原因の一つはストレスです。ストレスを解消することも、緑内障の進行を防ぐのに大いに役立ちます。【解説】平松類(彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長)


【失明を予防】網膜の血管が詰まる「網膜血管閉塞症」を改善する納豆の食べ方

【失明を予防】網膜の血管が詰まる「網膜血管閉塞症」を改善する納豆の食べ方

目の血流が悪化すると、酸素や栄養がじゅうぶんに行き渡らなくなります。そして、疲れ目・モヤモヤ感・チラつきなどの症状が現れやすくなります。とりわけ、網膜の近くで血流のトラブルが起これば、突然物が見えなくなったり見えにくくなったりと、たいへん重い症状が生じます。【解説】玉井嗣彦(鳥取大学名誉教授・日野病院名誉病院長)


最新の投稿


【管理栄養士】美容健康の有効成分たっぷり「人参」 食べるときの注意点とは?

【管理栄養士】美容健康の有効成分たっぷり「人参」 食べるときの注意点とは?

ニンジンのβカロテンには、強力な抗酸化作用があります。老化と病気の原因物質である活性酸素によって体がサビつくのを、防いでくれるのです。また、βカロテンは、体内でビタミンAに変化します。ビタミンAは、粘膜や皮膚の新陳代謝に欠かせない栄養素です。【解説】足立香代子(臨床栄養実践協会理事長・管理栄養士)


【睡眠時高血圧の見つけ方】血圧を下げる対策を医師が指南!お手本は「長野県」?

【睡眠時高血圧の見つけ方】血圧を下げる対策を医師が指南!お手本は「長野県」?

日中に血圧が高くなるのはあたりまえ。「早朝高血圧」が問題視されますが、朝は脱水状態で血液が濃くなっており心身を活動的にするために血圧を上げる必要があるので、早朝の血圧も高くてあたりまえです。問題となるのは、血圧が下がるべき睡眠時に血圧が下がらないことだったのです。【解説】浅輪喜行(アサワ医院院長)


【クレアチニン値を下げる運動】で腎臓病が改善!ネフローゼの尿たんぱくが陰性になった!

【クレアチニン値を下げる運動】で腎臓病が改善!ネフローゼの尿たんぱくが陰性になった!

多くの人は、太い動脈の血流には注意を払いますが、毛細血管の流れには無頓着です。しかし、全身の臓器が健康に働くためには、毛細血管がなにより大事。【解説者】渡辺完爾(渡辺医院院長)


【チーズの健康効果ベスト6】ダイエットには運動後60分以内に摂取がお勧め!虫歯を防ぐ効果も

【チーズの健康効果ベスト6】ダイエットには運動後60分以内に摂取がお勧め!虫歯を防ぐ効果も

チーズは良質のたんぱく質とカルシウムの供給源で、筋力や骨の強化を助ける食品。ダイエット効果、筋力をつける効果、骨粗鬆症を防ぐ効果、血圧を下げる効果、虫歯を防ぐ効果、認知症を防ぐ効果など代表的なチーズの健康効果をお話ししましょう。【解説】齋藤忠夫(東北大学大学院農学研究科教授)


【猫背が楽な理由】楽な姿勢なら、そのほうが体に良いのでは?

【猫背が楽な理由】楽な姿勢なら、そのほうが体に良いのでは?

良い姿勢より、ネコ背でいるほうがらくに感じます。こういう場合、リラックスすることが大切なら、ネコ背のほうが体への負担が少ないのではありませんか。【回答】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)


ランキング


>>総合人気ランキング